サヴァリッシュ氏のご冥福をお祈りします [クラシック全般]
今朝の新聞で、ウォルフガング・サヴァリッシュ氏の訃報に接しました。
ついにサヴァリッシュまで逝ってしまわれたか・・・・。何度も聴きに行くチャンスがあったにも関わらず、生演奏には一度も接することができませんでした。
僕がサヴァリッシュの音楽世界に魅せられ始めたのはここ10年ぐらいの事でしょうか?ロイヤル・コンセルトヘボウ管とのベートーヴェンの録音や、ロンドン響との交響曲全集を聴く限りでは、折り目正しいディテール、中庸で真っ当な解釈、決して尖ったところの無い、オーソドックスな演奏。そんな風に思っていました。
ところが、ドレスデン・シュターツカペレとのシューベルトの7番の演奏を聴いたときに、衝撃が走りました。これほど激しく、熱く燃える演奏をする指揮者だったのか!と。しかも、サヴァリッシュ特有の、パリッとした折り目正しいディテールは健在。
そして、同じくドレスデン・シュターツカペレのシューマン交響曲全集を聴き直すとき、どこまでも懐の深い世界の中に、熱く煮えたぎる情熱が、時折見え隠れする演奏に、今まで何を聴いていたのか?という思いになりました。シューマンの交響曲第1番と第2番は、このSKDとサヴァリッシュの演奏が、今でも自分の中でのベスト盤です。それこそ何十回は聴いていると思う。
他にもチェコフィルとのモーツアルト後期交響曲集の、どこまでも味わい深く、神々しさすら感じる響きを味あわせてくれました。チェコ・フィルの黄金時代の演奏。
- アーティスト: モーツァルト,サヴァリッシュ(ヴォルフガング),チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2006/12/20
- メディア: CD
今の僕にとって、サヴァリッシュの録音無くして、音楽鑑賞の楽しみはあり得ない。いつのまにか、そんな存在の指揮者になっています。
これからもバイエルン国立歌劇場の『魔笛』を皮切りに、サヴァリッシュの音楽の神髄である、オペラの録音も聴いていこう、そう思っていた矢先でした。
本当に、素晴らしい音楽をありがとう!あなたの紡ぎだした音楽を一生の糧にします。安らかにお眠りください。
センチュリーはもう瀬戸内には来てくれないのか・・・ [クラシック全般]
去年、高松公演と福山公演が組まれたのを機に、日本センチュリーのファンクラブに再入会しましたが、2013年度はまだ瀬戸内(岡山・倉敷・福山・高松)地方の公演の情報が入ってきませんねぇ。
福山公演は平日開催だったので行けませんでしたが、高松公演は神尾真由子さんをソリストに引っ提げて、堂々のガチンコ演奏で、大いに盛り上がりました。
お客さんの反応もすごかったので、『次回も聴きに行きたい!』と思っている高松の人も多いように思うのですが・・・
いくら素晴らしい演奏をしても、2回目が無いとねぇ。これでは種を蒔いても水を遣らないも同然です。
今年のセンチュリーの特別演奏会の開催地を見ると、滋賀や三重、北陸なんですよね。ここら辺の地域は、元々京響や関西フィルや名古屋フィル、OEKなどがマーケットを開拓していった市場で、確かに客足は安定感がありそうです。
しかし、例えば岡山フィルの岡山シンフォニーホールでの公演は、この2・3年は満員になっており、瀬戸内地方もクラシックを聴きに来るファンが少ない地域ではないんです。もうちょっと強気になって、もう2・3年頑張って遠征を組んでほしいのですが。
一方、その間隙を縫って、四国には新しい勢力がやってきそうです。
大阪交響楽団です。
すでに四国事務所を開設済みとか。センチュリーが撤退するなら、今度はこっちに期待するかなあ(笑)
星空コンサート 危うし・・・ [クラシック全般]
ちょっと暇ができたんで、大阪市の予算書を見ていたんですが(どんな暇つぶしやねん!)、ちょっと気になる内容が載っていました。
平成25年度 予算事業一覧
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000195657.html
から、ゆとりとみどり振興局予算事業一覧(PDFファイル)を参照しています。
気になるものだけ抜き出してみました。大フィルへの助成金は年々削減されていきます。
大阪クラシックは、一応安泰・・・と、
しかし星空コンサートはなんとゼロ算定になっている・・・。これは大阪城星空コンサートの消滅を意味しているんやろうか?
この予算書、いろいろ見ていくと、「大阪城エリア観光拠点化事業」なるものがあって、2300万円から9200万円に大幅増額になっています。もしかすると、知恵者が居て、こういったところに潜り込ませている可能性も無きにしもあらず、なんですが、あんまり期待できそうにないですね。
大植英次と大フィルメンバー、そしてそこに集った10万人弱の人々の魂がこもった、大阪の名物イベントも、これで命脈が絶たれてしまうんでしょうか。
BOXモノCDを買わなくなった [クラシック全般]
最近、激安廉価BOXモノのCDを買わなくなってきました。未知の曲、秘曲・珍曲の類は、ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)で探せば、ほとんど事が足ります。そして最近SONYあたりから発売が相次いでいる、50年代60年代の録音は著作権切れのためにネットでダウンロードできる時代。
そんなわけで、長い間維持してきたHMVのダイヤモンド会員も失効しています。ただ、そんな中でも自分が本当にほしいBOXモノCDはお金を惜しまず購入しています。去年購入してヒットだったのが、次の2つ。
ギュンター・ヘルビッヒ指揮、ドレスデン・フィルのハイドン、ロンドン交響曲集
モダン楽器のいぶし銀サウンドで聴く、ハイドン。ピリオド奏法全盛の時代に聴く、この古色蒼然としたハイドン、すごく気に入っています。
ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管のブラームス、協奏曲・交響曲全集
この録音のうち、ブラームスの1番は学生時代に聞いたことがあったんですが、その当時は「味も素っ気も無い演奏やなあ・・・」と思っておりました。で、今聴いてみると、これは素晴らしい!一音一音が瑞々しく、インテンポで進む音楽の中に充実感が漲っていて、はち切れんばかりのハリのある音楽が展開していきます。RCOってホンマにええオーケストラでんなあ!ソリストもシェリング・アラウと超豪華。シェリングのVn協奏曲は自分の中で長らく愛聴盤として君臨していて、単発のCDも持っています。
数年前は、新しいBOXモノが出るたびに箱買いしていたんですが、ベートーヴェン交響曲全集とか、R.シュトラウス管弦楽曲全集などのように、同じ指揮者・同じオケの演奏する、同じ作曲家の同じジャンルの全集が、一番使いやすいし、実際に良く聴いています。
一方で、シャンドス30周年記念ボックス、とか、グラモフォン111周年記念ボックス、などのように、レーベルが独自にまとめたBOX-CDは、購入直後こそ物珍しさが手伝って聴きますが、そのあとは本当に聴かなくなりますねぇ・・・。なんでって、その箱の中に何が入っているか、一目でわからなくなるから・・・まあ、それが一番大きな理由ですね。
今後は、あまりレーベルの企画モノに踊らされないようにしたい(笑)
あとは、現在活躍中の演奏家のCDや、演奏家・エンジニアの魂のこもったSACDは、引き続きコツコツ買っていこうと思っています。
N響アワー復活? [クラシック全般]
昨日の朝日新聞にこんな記事が載っていました。
NHKは23日、4月の番組改編の概要を発表した。BSプレミアムでは、幼児向けの新番組「おとうさんといっしょ」(日曜朝8時)をスタートさせる。Eテレでは、昨年3月に終了した「N響アワー」を事実上復活させる形で、「クラシック音楽館」(日曜夜9時)を新たに始める。
「おとうさんと――」は近年、育児に積極的な父親「イクメン」の増加を背景に制作される。新キャラクター「シュッシュ」「ポッポ」が活躍するコーナーのほか、50年以上続く老舗の幼児向け番組「おかあさんといっしょ」と同様、うたのお兄さんやお姉さんも登場する。NHKは「子どもと父親が週末一緒に楽しめる番組」と説明する。
「クラシック音楽館」は、視聴者からのN響アワーの終了を惜しむ声を踏まえて制作。司会者を置かず、NHK交響楽団の定期公演の模様などをノーカットで放送する。N響アワーの後継番組として始まった「ららら♪クラシック」は、日曜から土曜の夜に移り、放送を続ける。
おとうさんといっしょ、はともかくとして(笑)、今放送中の「ららら♪クラシック」が土曜の夜に移り、日曜午後九時の『クラシック音楽枠』には、N響の定期公演などをノーカットで放送する「クラシック音楽館」という番組がスタートするらしい。
僕はそれほど熱心なN響のファンではありませんが、大河ドラマのあと、いや~な月曜日を前にしての、あの1時間の時間に、どっぷりとオーケストラの演奏に耳を傾けるという営みは、やっぱり貴重な時間でした。
N響だけではなく、以前の「オーケストラの森」のように、日本の地方オーケストラの演奏なんかも紹介してほしいですね。
ららら♪クラシックは、そんなに悪い番組じゃないんやけど、N響アワーの後に持ってきたのが仇になっている感じがします。ゲストは毎回豪華だが、石田さん、加羽沢両名ともインタビューアーとしては今一つの印象だったし、流される演奏は中途半端なブツ切りで、その上「続きはBS放送で!」なんてやられると、もう興ざめ(苦笑)
こういう感想はたぶん自分だけじゃなく、N響アワー時代からの視聴者がだいぶ離れていき、かといってそれらの人々がどんどんBS契約していくわけでもなく、NHKとしても看過できない状況になっていたのかな・・・と。
ららら♪クラシックは土曜の夜九時に移って、いろいろとやりやすくなりそうです。「題名のない音楽会」のように、テッパンの定番企画をいくつか軌道に乗せて、その間に意欲的な企画を挟んでいく、ということが必要でしょうね。
N響アワーで、夏場にやっていた地方ロケなんかも、石田・加羽沢コンビだったら、もっと面白くなりそうだし、ラ・フォル・ジュルネとか、PMFとか、大阪城の星空コンサートとか(っとここで強引に入れてみる)、人々から愛されている音楽祭のロケなんかをやったら、かなり面白そう。やっぱりクラシック音楽の入門番組は必要ですから。
それから現在の新しい番組編成でのNHKの思惑でもあった、BSへの移行については、その魅力は十分に感じるものの、正直、そんなに見る時間が無い、というのが実感。
もし、録画した番組を存分に見れる時間があっても、たぶクラシカ・ジャパンとかに加入すると思うなあ。NHK-BSが例えばウィーン・フィルの来日公演の映像が見れるのに対し、クラシカ・ジャパンの方はORFとかZDF録画のムジークフェラインでの定期演奏会の映像が見れるわけですから・・・
逆に、大フィルとか京響などの個性のあるローカルなオーケストラが見れるわけでもない・・・今のBSは中途半端なんですよね。
広響の来季プログラムを覗き見してみた [クラシック全般]
近隣のオーケストラの来季プログラムを見てツッコミを入れると言うシリーズ、今回は去年の年末に発表になった広島交響楽団(広響)についてツッコんでみよ~
定期演奏会【会場:広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)】
平和の夕べコンサート【会場:広島国際会議場フェニックスホール】
平和の夕べコンサート <Music for Peace 天上のシンフォニー> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
2013年 8/5(月) 18:45 |
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広響は、大阪響とともに『知られざる作曲家の知られざる作品』を取り上げるマニアックなプログラミングで名を馳せているが、来季はそんなにマニアじゃなくてもついてこれる内容です。創立50周年という事で、大曲が揃っていますね。ソリストも豪華メンバー、なかでもミッシャ・マイスキーが登場する回は、2日連続公演を打っている。
地域定期演奏会
第16回 廿日市定期演奏会 <甘く切ないモーツァルト&お菓子の国のファンタジー> | ||||||||||||||||||||||||||
2013年 4/21(日) 15:00 |
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第23回 呉定期演奏会 <拡がり続けるイマジネーション~ラルビ&新村の世界> | ||||||||||||||||||||||||||
会場:呉市文化ホール | ||||||||||||||||||||||||||
2013年 9/22(日) 14:30 |
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第20回 福山定期演奏会 <期待のふたり~実力派シュルト&話題の牛田智大> | ||||||||||||||||||||||||||
2014年 2/7(金) 18:30 |
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第21回 島根定期演奏会 <その先へ!マエストロ広上&飛翔!宮田~熱き音楽家たちのロマン奇譚> | ||||||||||||||||||||||||||
2014年 3/21(金祝) 14:00 |
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個人的には福山定期は土日にして欲しかった・・・。牛田君の登場でチケットはかなり売れそうな気がしますね。プログラムで注目なのは島根定期。広上さんの英雄、まだ聴いた事が無いねんなあ。これは玉造温泉にでも旅行ついでに聞きに行きたいですねぇ。
ディスカバリー・シリーズ 「音楽の街を訪ねて」 < 5 >~<8 >
音楽との出会いや再発見をお届けするこのシリーズ。「街」をテーマに、ゆかりの作曲家や作品を取り上げます。音楽を育んだ「街」の薫りをお楽しみください。
会場/アステールプラザ大ホール
第5回 ≪ロシアン・ファンタジー~ロシア音楽の聖地サンクトペテルブルク≫ | ||||||||||||||||||||||||||
2013年 6/21(金) 18:45 |
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第6回 ≪音楽の都、ウィーン② - 時代の音楽、時代を感じた作曲家≫ | ||||||||||||||||||||||||||
10/2(水) 18:45 |
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第7回 ≪水の都、ストックホルム - 北の国から便り≫ | ||||||||||||||||||||||||||
12/20(水) |
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第8回 ≪パリ・百花繚乱~ベル・エポックに咲く20世紀への花≫ | ||||||||||||||||||||||||||
2014年 |
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音楽の花束~広響名曲コンサート
「名 曲」 - それは、ミ ューズ(音楽の女神)の世界に咲 く多彩な花々。名曲の数々を花束にして、あな たとあなたの大切な方へお贈りします。
≪春≫ 花開くふたつの華麗な才能~ドイツ音楽の系譜 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2013年 5/10(金) 18:45 |
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≪秋≫ ワーグナー&ヴェルディ~オペラ2大作曲家の華麗な宴 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
11/23(土祝) 15:00 |
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≪冬≫ チャイコフスキー~降り積もる情熱と哀しみ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年 1/26(日) 15:00 |
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その他主催公演
広響創立50周年コンサート J-Classic Libraries | ||||||||||||||||||||||||||||||
会場:アステールプラザ大ホール | ||||||||||||||||||||||||||||||
2013年 10/24(木) 18:45 |
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ディスカバリー・シリーズのモーツァルト・ハイドンシリーズが終わり、企画シリーズ公演が「名曲の花束シリーズ」との2本立てになったのが昨年度のことだっただろうか。この名曲路線と探求路線の2つの路線の使い分けが見事と思います。
定期のプログラムがやや王道大曲路線に振ったかと思ったら、ディスカバリー・シリーズでしっかりとマニアック向けのプログラムを構成していますな。特に第7回のプログラムがぶっ飛んでます(笑)ベルワルドは馴染みがあるけど、ラーシュ=エリク・ラーションって初めて聞きました。
これだけのフルコースのプログラムは京響や大フィルクラスにもまったく見劣りしません。東京や大阪に行かなくても、広島に住んで広響さえ聞いていれば、充分にコンサートライフを満喫できる構成だと思う。
なによりも、広響の実力の伸長は著しい。今や大フィルと名古屋フィルのコンマスを兼任する売れっ子の田野倉コンマスに始まり、チェロ首席のマーティン、フルート首席の中村さん、オーボエ首席の板谷さんなど、各パート主席にはリスト級の実力者が並ぶ。来季も、田野倉コンマスのブラームスVnコンに加えて、ヴィオラ首席、ホルン首席、と団内ソリストを起用(どんだけ人材が豊富やねん!)。
潤沢とはいえないものの行政の安定した支援もあり、8月6日の前日の平和の祈りコンサートでのホスト・オーケストラに加えて、近年ではアフィニス音楽祭も開催されるなど、広島という街に取って欠かせない存在として確固たる地位を築いている。
(行政が)音楽家をいじめ抜いている大阪に比べると、広島の方がはるかに暮らしやすいのではないか?
余談ですが、実は広島在住の知り合いから、広島出身のあの世界のマエストロが登場するかも知れない、という事前情報を得ていたのだが、これは実現しなかったようだ(Sさん!ガセネタでっか(笑))。その楽しみは再来期に取っておこうと思う。
題名のない音楽会「日本の交響曲100年」 [クラシック全般]
録画していた「題名のない音楽会」を見る。
「日本の交響曲100年」と題して、山田耕作、橋本國彦、芥川也寸志、そして番組にも登場した池辺晋一郎の代表作を紹介。
この番組は本当に恐るべし、だ。吹奏楽からポップス、そしてこういったクラシックの中でもニッチな分野の企画まで、なんでもこなす。それでいて難解な部分は微塵も感じさせないというのが凄い。「ららら・・・」はもう見なくなったけど、この番組は常に録画してしまう。
僕が特に印象に残ったのは橋本國彦の交響曲。1940年の皇紀2600年の年に披露された曲のようだ。沖縄民謡のモチーフを繰り返すボレロのような音楽に魅了された。
この企画、もっとやって欲しいなあ。次回は大澤寿人や吉松隆を紹介して、日本の交響曲の『美』にクローズアップして欲しい。
京響の来季プログラムを覗き見してみた [クラシック全般]
今日、仕事帰りに喫茶店で一息つきながらスマホでメールをチェックすると、京響からメルマガが来ていて、来季プログラムが発表されたとのこと。
以下は京響のメールから
《速報》京都市交響楽団2013年度自主公演ラインナップ発表!
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京響=広上の「黄金時代」、いよいよ感動のクライマックスへ!
~聴衆を熱狂の渦に巻き込む6年目の名コンビ、至高の新境地へ到達!~
それで、急いで家に帰って京響のホームページに見たのだけれど・・・
正直、ビミョー・・・
最初に思ったのは「なんやこれ、まるで海外オーケストラの来日公演みたいやん(笑)!」
逆に言うと、それだけ王道のプログラムとも言える。確かにソリストもレーピンに神尾さんに小菅優と、豪華顔ぶれではあるのだが、他のソリスト・指揮者陣を見ると・・・
「ここまでアマティ一本かぶりだとなぁ・・・」というのが正直なところではある(汗)
ぶっちゃけ、お客さんは集まりそうな気も(笑)あと、最近京響が積極的な地方公演にも展開のしやすいプログラムだなあ。まあ、このプログラム・指揮者あるいはソリスト陣で岡山倉敷に来てくれれば、間違いなく足を運ぶだろうけど(どないやねん!)
よくよく考えてみると、僕が京響のプログラムに求めてるのって、京響自慢の木管金管がスカッと抜けるような演奏が出来て、かつ海外オケ公演ではなかなか演奏しない珍しいプログラム、なんだろうな。なので、王道プログラムで地元京都が盛り上がり、その余波を瀬戸内の方でも感じさせてくれれば、それはそれでよし。としないといけないのかも(だいたい年に1度も聴きに行かないのだし・・・FM放送とCDは楽しみにしてるけど)。
そんな中でも、8月の広上さんの、ドヴォルザークの悲しみの聖母は聴きもの。5月のミッキーのブル8は、今の京響の実力を測るには最適の指揮者・プログラムだと思う。
まあ、なかなか北山までは足を運べないんですけどね。。。
ブロムシュテットのブルックナー4番を反芻する [クラシック全般]
先月11日に聞いた、ブロムシュテット&バンベルグ交響楽団のブルックナーの4番が、まだ頭の中から離れないでる。特に、第3楽章の狩りのスケルツォの旋律が、ずっと頭の中をグルグル回っている。
ニコニコ動画に、ブロムシュテットとドレスデン・シュターツカペレの81年来日公演@東京文化会館の映像を見つけた。
これが、先日に聴いたバンベルグ響とのブルックナーを思い出すような名演なんよなあ!
音質はあまりよくないが、このコンサートもまさに名演奏だった事は充分に分かる。決してミスのない完璧な演奏という訳ではない。しかし、なんと瑞々しい音楽だろうか、なんと生命感あふれる音楽だろうか。音はさすがにドレスデンSKの独特の音。なのに、なんでバンベルク響とのコンサートの事を思い出したかというと・・・
主題の終結部、この動画で言うと1:05ぐらいからの見せ場なのだが、弦の高音のトレモロに金管が高らかに吠える場面(1:23)で、ブロムシュテットが高らかに笑いながら、天井を見上げるんだな~。この瞬間、何かに解放されたように、美音の洪水が天井から降ってくる。31年経った今も、このブロムシュテットのタクトはまったく変わらないなあ、オーケストラの反応も同じだなあ・・・と思ったわけです。7:13あたりでも同じような場面があるけど、カメラがティンパニーのゾンダーマンを抜くんだけど、これがホンマにいい表情をしてる(笑)
あ~あ、バンベルク響との4番の録音。出ないかな・・・NML限定でもいいから・・・
バンベルク響の奏者とたちが語る、ブロムシュテットの音楽
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19105412
ブルックナー4番はバンベルク響の「核」ともいえる曲です。たんに演奏回数が多いというだけでなく、我々の心の中心にある曲でもあります。
いわば、指揮者もブル4を振らせたら世界一の指揮者で、オケもブル4を心の中心にある曲、という・・・。あの名演は生まれるべくして生まれたのだね。
以下は、今回のバンベルク響来日公演で、ブルックナー4番を聴かれた方の記事。自分の覚書のためにリンクさせて頂きました。
じゃく3さんのブログ。僕が思い切って西宮に駈けつけたのは、この記事がきっかけでした
http://plaza.rakuten.co.jp/jyak3/diary/201211070000/
東条先生
http://concertdiary.blog118.fc2.com/blog-entry-1510.html
小松克彦さん
http://blog.goo.ne.jp/komatsu0529/e/fd8ca139b94a63848b5f78889d9b6759
http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20121107/p1
http://mashi1978.blog97.fc2.com/blog-entry-156.html
http://opera-ghost.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-51e2.html
http://yuichi-higuchi.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-d8e9.html
http://angebleu.exblog.jp/19515133/
大フィルの来季プログラムを覗き見してみた [クラシック全般]
大フィルの来季のプログラムが発表されてるようですね。
いやいや、これはなかなか魅力的なプログラムが並びましたね!5月は久々にフェドセーエフの登場で、マンフレッド交響曲ですか!これは平日でなければ必ず聴きに行くところだが・・・、うーん、悩ましいな
そして、井上ミッキーがトゥランガリラをやりますか~、今年は広響(秋山監督指揮)が9月に取り上げてたのに、聴きに行けなかったんですよね・・・。この曲は死ぬまでに一度は聴いておきたい曲です。あとミッキーとは『青ひげ公の城』まで・・・。プログラム全体を見ても、もし『首席客演指揮者:井上道義』と書いてあっても違和感のないぐらい、来季の屋台骨を支えてはりますね。
それから時期常任(と勝手に僕が思いこんでいる)下野さんの戦争レクイエム、これも聴きもの、その上土曜日開催とな!はい、購入決定(笑)
ウルバンスキの再々登場に、エリシュカ翁がついに新世界を披露。この指揮者を呼ぶからには、この曲しかないやろ!というツボを押さえているように思います。
そして、なによりも注目なのが大植桂冠がいよいよ『裏レパートリー』を炸裂し始めたこと。ラヴェルの「子供と魔法」、これは本当に楽しみ!
大植さんは大フィルの監督に就任した時、「まだ楽団の中に生きている朝比奈隆の魂とともに」を標榜して、朝比奈時代からの王道プログラムと、ご自身のレパートリーの中でも、十八番中の十八番を投入して来られました。ブルックナーの7~9は何度も取り上げ、チクルスを組んだベートーヴェン・ブラームス・チャイコフスキー、どれも朝比奈御大のレパートリーでした。
ご自身のレパートリーの中からは、英雄の生涯をはじめとするR.シュトラウス、火の鳥、春の祭典、幻想交響曲、あるいはショスタコ・ラフマニノフ・マーラーなどは得意な曲に絞ってプログラムに乗せて来られています。
これにはファンの間で「大植さんの回は少々保守的なのではないか?」という声もあったようですが、僕は大植さんの『自分のレパートリーを拡げるために、大フィルを使わない』という決意が分かった時に、本当にこの方は大フィルに対して敬意を持って接してるんだなあ、と感銘を受けました。
しかし、これからは桂冠指揮者として大阪のお客さんを喜ばせるプログラムに期待したいです。「大植英次」という指揮者を堪能するのは本当はこれからだと思います。
これから何年・何十年も大フィルとこういう面白いプログラムが出てくると思うと本当に楽しみです。時期的にも夏休みが取れる時期で助かりました。これは駈けつけたいと思います。座席数が少ないと思うので、発売日即ゲットだな。
いやあ・・・ほんでも、フェドセーエフのマンフレッド交響曲、なんとか後半だけでも聴きに行かれへんもんやろうか・・・
youtubeから、『マンフレッド交響曲』、チャイコフスキーが作った旋律の中で最も美しいメロディー達が、惜しげもなく投入されています