ニールセン 交響曲第1番の第3楽章はカッコいい [NML]
ニールセンの若き時代の秀作、交響曲第1番を聴いています。
インパクト抜群の第1楽章も、最後はハ長調で壮麗に締めくくられる第4楽章も魅力的ですが、この曲で一番好きなのは第3楽章。アレグロ・コモードで、優雅で軽快に進むよくある中間楽章のようでいて、ティンパニがドンドコドンドコ活躍する、なかなか聴き応えのある不思議な世界を醸し出しています。
交響曲第1番 ト短調 Op. 7
Symphony No. 1 in G Minor, Op. 7
- アイルランド国立交響楽団 - Ireland National Symphony Orchestra
- エイドリアン・リーパー - Adrian Leaper (指揮者)
リーパー&アイスランド国立響の演奏が溌剌としていていいです。この人が振るとオーケストラの音の輝きが増しますねぇ。他にもクチャル&ヤナーチェク・フィルもお気に入りです。ニールセンの曲って、ベルリン・フィルやバイエルン放送響のような超A級オケの演奏よりも、B級オケといったら失礼ですが、地方色の 濃いいオケの方が楽曲が引き立つ気がします。
話は飛んで・・・
昨年、一昨年ほどではないとはいえ、視聴率が低迷していると言われる大河ドラマ『軍師官兵衛』ですが、自分は面白く見ています。
(『平清盛』も『八重の桜』も僕は全部楽しんでみましたけどね)
舞台が播州ということで、自分は地理が全部頭に入っているので(御着、飾磨、志方、野口、上月、三木・・・と、今までの戦国モノではあまり注目されなかった地名が続々登場に大興奮!)非常に楽しめていますし、主役の岡田さんの演技が想像していたより良くて(ジャニーズ、ということで偏見持ってました。スミマセン!)、岐阜から岡山まで各地を勇躍する官兵衛の躍動感が伝わってきます。
これから尼子勝久と山中鹿之助の悲劇、反旗を翻した東播の雄:別所の三木城攻め、荒木村重の謀反に、宇喜多家の加勢と、中国地方の勢力分布が目まぐるしく変わっていく壮絶な時期に入ります。織田VS毛利が激突した播州戦線は戦国史上ではメインストリームとしてはあまり詳しくは取り上げられませんが、実はじっくり描くと面白いドラマになるのでは?と以前から思っておりました。色々な人間模様が描かれることで、ますます面白さを増していくと思います。吉川英治の「黒田如水」なんかは、この播州戦線にほとんどの紙面を割いていますし。
つくづく思うのは、この時期の織田勢はまさに四面楚歌で、あちこちから上がる火の手に自らも焼き滅ぼされてし舞いかねない危険な状態。万事強引さが目立った信長が光秀に殺されなかったら、織田勢は瓦解。戦乱の世は混とんを極めていたのでは?
官兵衛目線でどう描かれていくのか?ますます目が離せません!
一つだけ難点を挙げるとすれば、テーマ曲の出来の悪さ。どっかで聞いたようなメロディー(「功名が辻」と「葵~徳川三代」のパクリにしか聞こえない)に、盛り上がるようで盛り上がらない中間部。締まらないラスト、と歴代大河のテーマ曲の中で最低と言ってしまうと言い過ぎか?
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トルトゥリエのローマ三部作 [NML]
昨日、新年度から始まる事業の方向性が打ち出され(予定よりも半月遅れ)、あと2週間という残された時間で出来るところまでやろう、ということになりました。
内容的には、結局、ふりだしに戻ってしまった感もあるんですが、相当激しいやり取りのなかで、チーム内、あるいは関係部署との結束が強まった・・・かも?知れません。
今日もNMLから。ド派手にローマ三部作を聞いています。
レスピーギ:ローマ三部作(フィルハーモニア管/トルトゥリエ)
RESPIGHI: Fontane di Roma / Pini di Roma / Feste Romane
トルトゥリエって、あのチェリストのトルトゥリエなのか?と思い調べてみたら、ポール・トルトゥリエの息子のヤン・パスカル・トルトゥリエが指揮者なんですね。
ローマの松の冒頭、いや~、これはまさに宝石箱をひっくり返したようなまばゆいサウンドにクラクラします。極限までオーケストラの音を引き出したレスピーギのオーケストレーションの妙技をこれほど堪能できる演奏もなかなか無いのでは?
圧巻は『ローマの祭』。かなり高カロリーな演奏。しかしこれだけ熱血演奏をしても、決してバランスを失わなないし、場面転換で変化する音色に再び頭がクラクラします。
このトルトゥリエという指揮者。独特の美的センスを持っている気がします。自分の好きなタイプの指揮者かも。他の録音も色々聞いてみようと思います。
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ラヴェルの弦楽四重奏曲 アルカントQ [NML]
ここ数日、急に気温が上昇したからか、体調がイマイチです。眩暈というほどでもありませんが、地に足が付いておらずフワフワした感じです。
本日は久しぶりの休日。買い物にも行きたいし、県立美術館の藤田嗣治展にも行きたいし・・・・と、色々計画は有りましたが、結局、鍼灸院で体のメンテナンス、その後は午睡に使いました。
かなりお疲れモードですが、こういう時でも聴く音楽が選べるのはクラシック音楽鑑賞の良いところでもあります。
ラベルの弦楽四重奏曲をアルカント・カルテットの演奏で。
モーリス・ラヴェル - Maurice Ravel (1875-1937)
アルカント弦楽四重奏団 - Arcanto String Quartet
- 管弦楽曲やピアノ曲で見せる色彩感豊かなラベルの世界も、もちろん楽しめるんですが、弦楽器四丁で繰り広げられる世界は、今の自分には癒しを感じさせてくれます。非日常に連れ出してくれる第1楽章、色々とたまった澱を掻きだしてくれるような(笑)第二楽章。幽玄な世界へ連れて行ってくれる第3楽章。そして活力を与えてくれるような第4楽章。心にしみますなあ・・・
アルカント・カルテットの演奏の切込みの鋭さと冴えは、室内楽ド素人の自分にもよく分かります。カップリングのドビュッシーの弦四も絶品。
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ベルグルンド&ヨーロッパ室内管のシベリウス交響曲 [NML]
新年一発目です。大型9連休の世間を尻目に、1月4日から勤務開始。ようやく1週間終わって休日になりました。毎年、年始は仕事が溜まるし、頭と体はお休みモードで調子が出ないし、で大変です。
前回のエントリーにも書きました通り、今年は聴いてみて良かった音楽について、書いていこうと思います。おそらくNMLの音源が中心になると思います。というのも、NMLは音源が膨大で、その日の気分によって色々と聴いているんですが、印象に残った音源をどこかに記録しておかないと、あとで同じものを聴こうと思っても忘れてしまうことがあるんですね、
記録を主眼に、昔のように長文を書かずに、メモ程度に残していきます。よろしければお付き合いを。
昨年末からベルグルンド指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団のシベリウス交響曲集(Finlandiaレーベル)を、NMLで少しづつ聴いています。ベルグルンドと言えば、ヘルシンキ・フィルとの全集で馴染んできて、それが本当にもう素晴らしい演奏なので、こっちのヨーロッパ室内管との演奏はあまり聞いてこなかったんです。
NMLで聴けるというのでじっくり聴いてみると、こちらもヘルシンキ・フィルとは違ったアプローチながら、本当に素晴らしい演奏。さすがにヨーロッパ室内管、上手いですね。2番とか上手すぎてため息しか出ません。
ベルグルンドの解釈に曖昧模糊としたところがなく、シベリウスの交響曲にこんな音が隠されていたのか、という発見が目白押しです。5番とかは北欧の霧がかかったような、いい意味で「モヤッ」としたところは希薄なんですが、1番とかはいいですね。追い込んでも追い込んでも難なくついていくオーケストラが凄い!としかいいようがないなあ。これも長く聴いていきたい演奏です。
シベリウス:交響曲第1番 - 第3番(ヨーロッパ室内管/ベルグルンド)
SIBELIUS, J.: Symphonies Nos. 1-3 (Chamber Orchestra of Europe, Berglund)
このページのURL http://ml.naxos.jp/album/639842338868
- シベリウス:交響曲第4番, 第6番(ヨーロッパ室内管/ベルグルンド)
SIBELIUS, J.: Symphonies Nos. 4 and 6 (Chamber Orchestra of Europe, Berglund)
このページのURL http://ml.naxos.jp/album/706301495162
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同じコンビでも全然違う! ステンハンマルの交響曲第2番 [NML]
北欧屈指のメロディーメイカーである、ステンハンマルの楽曲の中でも最高傑作の交響曲第2番。その愛聴盤として聴いてきたのが、この演奏。
ネーメ・ヤルヴィ&イエテボリ交響楽団による90年代前半のセッション録音。グラモフォンでは廃盤になっていましたが、タワレコのヴィンテージ・コレクションで復活。かなりのセールスを叩き出したらしいです。
この同じネーメ・ヤルヴィ&イエテボリ交響楽団の演奏のライヴ版がBISから出ているんですが、これが本当にアツイ!
第1楽章の冒頭からテンポが全く違う。速くて推進力があって、父ヤルヴィの得意技、爆音トッティがさく裂しまくる。グラモフォンのセッション録音を聴いて、北欧の冷涼なる風土と民族情緒あふれる渋い作品、と思っていらトンデモナイ勘違い。重厚なオーケストレーション、ドラマティックな展開。いや、ホント同じオーケストラ・指揮者でも、ライヴ演奏になると全然違うんですね。
ライヴ録音なので、多少客席のノイズなどがあるものの、さすがBISの録音だけあって、音質はこちらの方が上。ステンハンマルの交響曲録音の金字塔だと思います。
※ブリリアントからも安価で出ているみたい。でも、BISの優秀録音が失われていないか?確認してから購入しようと思っています。
これは比類なき名曲かも! ステンハンマルのピアノ協奏曲第1番 [NML]
西日本は放射性物質の懸念材料が少ないと思っていたら、東シナ海を挟んで隣の国からPM2.5なる微粒子がやってきて大変です。今の日本には安心して住めるところはないのだろうか?
元々アレルギー性鼻炎もちなのに加えて、今日はのどがヒリヒリしていました。朝起きて窓から外を見ると、もう春霞なんて牧歌的な状況じゃなく、ほとんどスモッグ状態。これじゃあマスクをかけていても焼け石に水。今ぐらいの本当に気持ちのいい季節に、朝の散歩をするのが好きなんですが、散歩に出かける気も失せてしまいます。
ここんところご無沙汰だった音楽鑑賞ネタです。最近はステンハンマルをよく聴いているのですが、なかでもピアノ協奏曲第1番の魅力に取りつかれています。
ピアノ協奏曲を4楽章形式にするあたり、明らかにブラームスの影響を受けているんですが、第1楽章の冒頭が、ブラームスの悲劇的序曲にソックリなんですな(笑)でも、そんなこともこの曲の魅力を下げることにはならない。
特に第3楽章が本当に美しいメロディーが次から次へと現れるんですよね。といって、全く聴いたことのないメロディー。このメロディーが耳に馴染んでくると、これは数あるピアノ協奏曲の中でも、もっとも美しい緩徐楽章かもしれない、とさえ思ってしまう。
もし、NMLに加入されている方は、この曲の第3楽章だけでも一度は聴いてほしいです。本当に美しく素晴らしく、希望の湧いてくる曲です。
ステンハンマル ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op. 1
Piano Concerto No. 1 in B flat minor, Op. 1
- ルーヴェ・デルヴィンイェル - Love Derwinger (ピアノ)
- マルメ交響楽団 - Malmo Symphony Orchestra
- パーヴォ・ヤルヴィ - Paavo Jarvi (指揮者)
なんというオーケストラなんだ!バンベルク交響楽団 [NML]
昨日のブロムシュテット&バンベルク交響楽団のブルックナーの余韻が冷めやらぬなか、今日はNMLでバンベルク響の演奏を聴きたいと思い、NMLからストリーミングで聴いています。
http://ml.naxos.jp/album/tudor7126
ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団、マーラー/交響曲第5番。
何なんだ!?、この重厚な響きは。何なんだ!?、この機動力抜群・自在のアンサンブルは。何なんだ!この艶やかなハーモニーは!
このオーケストラのあるバンベルクという街は、人口7万人しかいないらしい・・・。バイエルン州立フィルハーモニーという称号を、州から与えられているそうだから、バイエルン放送響やミュンヘン・フィル、バイエルン国立管とともに、州を代表するオーケストラ、という位置づけなのだろうけど。それにしても本拠地の都市の人口が7万人で、これほどの実力を維持していくというのは、並大抵のことではないと思う。(岡山で言ったら津山市や玉野市ぐらいの人口だもんなあ・・・)
ホルスト・シュタインが常任を務めていたオケ、知名度に比べて実力が高い、などなどの情報は把握していたけれど・・・
マルティヌーの交響曲全集は持っていたけれど、他に比較対象する演奏が無くて、今の今までこんなに素晴らしいオーケストラだとは知らなかった。
バンベルク響、しばらくこのオーケストラの音盤を探求する日々になりそうな予感・・・
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エッシェンバッハの幻想交響曲 [NML]
なんか、もう『死ぬほど上手いオーケストラ』を生で聴きたい!そんな気分です。倉敷でのカメラータ・ザルツブルグに行ければいいんですが、ここには仕事の予定が入ってしもてるんよなあ・・・
エクトル・ベルリオーズ - Hector Berlioz (1803-1869)
Symphonie fantastique, Op. 14
- パリ管弦楽団 - Orchestre de Paris
- クリストフ・エッシェンバッハ - Christoph Eschenbach (指揮者)
NMLにワーナー・ミュージック・グループが参加 [NML]
音楽配信事業の勢力の趨勢が、これで決しつつあるのかもしれない・・・
ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)に、ワーナー・クラシック、エラート、テルデックという、ワーナーグループの3大メジャーレーベルが参加して、NMLファンの間では、ちょとした「祭り」の様相を呈しています(笑)
僕も、アーノンクール&RCOのハイドン交響曲集や、モーツァルトのオペラのラインナップ、あるいはバレンボイム&ベルリン・フィルのモーツァルトピアノ協奏曲集になどなど、いずれは買うつもりだった音源が目白押し。これからじっくり聴いていこうと思います。
これまでNMLは、どちらかというと専門レーベル(北欧物のBIS,イギリス物のシャンドス、旧東独物のベルリン・クラシックスなど)を集合させて、いわば専門店の充実した巨大なモールとして展開することで、多様なファンのニーズに応えていたように思います。
しかし、ワーナーの参加によって、NMLの性質が大きく変容していくのかも知れません。
大学で例えると(なんで、大学で例えるねん!というツッコミは抜きで・・)、一橋と東工大と東京外大のような単科大学が集まってコンソーシアムを形成していたところに、東京大学のような総合大学までも取り込んでしまうようなもの。ありゃ?かえって分かりにくいですか・・・
海外のNMLではEMIも聞けたりする地域もあるようです。残念ながら、日本では権利関係の問題で難しいようですが。
ユニバーサルやSONYなどの既存のメジャー会社は、どう対抗策を打ち出すんでしょうねぇ
フリューベック・デ・ブルゴス&ドレスデン・フィルのブルックナー 交響曲第3番 [NML]
ブルックナーの交響曲を自分の好きな曲順に並べるとすると・・・
5番→8番→3番→9番→7番→4番→6番→1番といったところかな。0番と00番および2番は、まだじっくり聴いた事が無いのですが・・・
重厚な2重フーガの最終楽章が圧巻の5番と、寸分の隙が無くシンフォニーの最高峰に峻立する8番の次が、3番というのは我ながら珍しい好みかもしれない。
3番は旋律がとにかく美しいんですよね。7番も美しいけれど、宗教的な美しさで、3番の旋律の方が俗っぽくて個人的には好きです。
さて、その3番の素晴らしい演奏を、NMLで見つけました。ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスとドレスデン・フィルによる演奏。
第1楽章 慌てず急がず騒がず。ドイツのオケらしく重厚ではあるが、本当に柔らかくてしっとりとした音。ドレスデンのルカ協会の豊富な残響の懐で明快に響かせる。雲の間から晴れ間が拡がっていくような感じがある。
アンサンブルはぎちぎち締め上げる事はしなくて、鷹揚な雰囲気が漂っているところは、どこか朝比奈御大のブルックナーに似ているところがある。 第2楽章は、この楽章がこんなにも素晴らしい美しさに溢れていたのか、と改めて発見する事多し。第3楽章の悠々として美しく、ブルックナーの交響曲の最終楽章の中で、最も簡潔明瞭な第4楽章は、引き締まったサウンドで締めくくる。
この演奏のどこがそんなに素晴らしいのか?と聞かれると、一言では答えにくいのですが、とにかく心に響くものがある。全体的に『快』に溢れる演奏で、聴いていると本当に心地よい。ドレスデン・フィルの音も極上のハーモニーです。個人的には何度も繰り返し愛聴する事になりそう。もし、NMLに加入中の方は、一度聴いてみてください。後悔はしないと思いますよ。
これはCDで持っておきたいなあ。