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ストラスブール美術館展 姫路市立美術館 [展覧会・ミュージアム]

ストラスブール美術館展 印象派からモダンアートへの眺望
姫路市立美術館
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 先月の月末に行ってきた展覧会。
 さすがに世界遺産:姫路城の集客力は冬季でも全開で、外国人観光客がたくさん居る。よく考えるとクリスマス休暇の時期。改修後の姫路城に登ったことがなかったので行ってみたかったのですが、あえなく入場制限で断念。岡山でも後楽園では外国人観光客が急速に増加しているとは言え、この姫路や広島の宮島に比べるとまだまだ1/5程度だろう。

 この特別展の展示点数は111点で中規模の特別展ですが、非常に見応えがあった。大阪のラジオを聴いていると、しきりにコマーシャルをしていたので、館の方も力が入っていたのだろう。
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==姫路市立美術館HPから==================================
ランス北東部アルザス地域圏の中心都市ストラスブールは、ドイツ国境に近く、仏・独の文化が融合された独自の文化を育んできました。同地には10館にも及ぶ美術館・博物館がありますが、なかでもストラスブール近現代美術館は、印象派から現代美術までを網羅した18,000点に及ぶコレクションを誇り、フランス国内でも屈指の美術館として知られています。
本展は、同美術館のコレクションを中心に、印象派からモダンアートまでの作約100点を展観します。モネ、シスレーなどの印象派の画家たちから、20世紀のモダンアートを代表するピカソ、カンディンスキー、ジャン・アルプに代表されるアルザス地方ゆかりの画家まで、この時代の名画の数々をご紹介します。
また、國富奎三コレクション寄贈25周年を記念し、印象派の巨匠・ルノワールの《母性》や、モダンアートの旗手・マティスの連作版画本『ジャズ』の全点を公開するコーナーを設けます。
同時開催として、同時代に活躍したフランス近代絵画の作品を紹介する常設展示室にて、20世紀フランスで活躍した画家・ジョルジュ・ルオーの1907年制作《町外れ》の裏面に描かれた作品《老女》を初公開します。
企画展、常設展ともに楽しめる構成となっている本展覧会、会期中は年末年始も月曜日以外は開館します

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 有名どころではモネの「ひなげしの咲く麦畑」が理屈抜きに美しく、本物を見たモネの作品の中でも心に残る作品になりそう。マルタンの「古い家並み」「雪化粧のパリの屋根」、シニャックの「アンティーブ、夕暮れ」も、その美しさに見入ってしまい、ゆっくり鑑賞した。日本の浮世絵に強い影響を受けたリヴィエールの「ノートルダム塔の高みから〜『パリ風景』連作より」も印象的。このリヴィエールという人、富嶽三十六景に影響を受けて「エッフェル塔三十六景」という連作を遺しているらしい。
 ピサロの「小さな工場」はロンドンへ渡る前の作品で、ピサロの初期の作品を見たのは初めてかもしれない。
 ストラスブールはドイツとの国境にある都市。普仏戦争でフランスが負けた際にドイツに編入され、第一次世界大戦後は再びフランスに復帰した。ポスト印象派からフォービズム・キュービズムあたりのアルザス地方の画家は、ドイツの美術学校で学びフランスの美術界の影響下で作品を描いた人が多いそう。ドイツの画家の特徴と言ってもよく知らないのだが、ゼーバッハの「ラ・ドゥアンヌからストラスブールへの道、雨の効果」はオランダの写実的な画風に印象派の要素が入っている感じで、素晴らしい作品だった。同じくゼーバッハの「冬の森」、ドウブナーの「ヴィルディンステイン」、ユーブレシュトの「イル川に架かる橋」など、僕のよく知らなかった素晴らしい作品に出会えた。
 フランスとドイツの強国のはざまの都市というストラスブールのイメージが一変した。戦争による割譲あるいは復帰という不幸な歴史を辿りつつも、異質な文化がぶつかり合うことで生じる化学反応を堪能した。
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 去年の夏にも訪れた姫路市立美術館。夏よりも冬の方がいいですね。裏口から出たところにお堀があり、そこの風景がとても落ち着く。
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