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これは本物です! [コンサート感想]

 先日、とあるコンサートに行きました。
 岡山フィルの伴奏で、ベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン協奏曲というなかなか意欲的なプログラムだったのですが、ソリストの演奏は、正直、プロの演奏家のコンサートとして3000円の入場料を取る内容ではありませんでした。
 ミスも多かったのですが、ソリストがオーケストラの音を充分に聞いていない(聴く余裕が無い?)様子で、オケに合わせられない。オケと対話する場面でスッと入れない、1フレーズ丸々抜け落ちる、というのはコンチェルト演奏家としての能力に疑問を感じざるを得ませんでした。指導者としては大変な実績がある方ですし、両曲は素人が聴いて感じるよりも、はるかに難しい曲。その挑戦する精神は称賛されるべきですが、であればクローズド(お弟子さんや音楽仲間・知人だけを呼んだ)のコンサートにすべきだったのではないかなあ、と思います。
 一方で、入場料を払い損のコンサートだったかというと、そういうわけではなかったです。
 そもそも、聴きに行った目的の一つは、在東京オケの助っ人奏者やシェレンベルガーがタクトを取っていない状態の岡山フィルの演奏を久く聴いていなかったので、『素』の岡フィルの実力を知る意味で足を運んだ部分もあった。
 オーケストラの演奏は、僕の想像以上に素晴らしかった。近藤浩子さんのコンミスに、その横のフォアシュピーラーには上月さんが率いる弦楽器部隊の豊潤な響き。シェレンベルガーよりもカドが取れた山上さんのタクトに合わせて、なんとも心が温かくなるサウンドにほれぼれしました。
 木管・金管も含めて全体のハーモニーが綺麗で、オーボエの沼さんあたりは、定期演奏会でも充分に首席のポジションで吹けるのにな(去年の1月定期でのコーラングレも素晴らしかったし!)、と思いました。
 岡山フィルの「今」を知る意味では、僕にとっては聴きに行った意味のあるコンサート。この実力派もう本物でしょう!
 この8型の在東京オケからの助っ人も無い編成で、もう少し小さなホール(市民文化ホールや就実学園のなでしこホール)でシェレンベルガーの指揮でモーツアルトやハイドンのシリーズを聴いてみたいなあと思います。
 

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