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「京都の秋」音楽祭2014 開会記念コンサート [コンサート感想]

 秋の観光シーズン真っ盛りの京都。我々も初秋の京都を大いに堪能しました。
 そして海外の名だたるアーティストや国内の実力派を招聘し京都の秋を鮮やかに彩る「京都の秋音楽祭」の開幕を告げるコンサート、京響を2000円で聴けるとあって満員完売。

 前半のソリストの佐藤彦大さんの音色もすばらしかったし、何よりもベートーベンの5番が大変な熱演でした。京響の演奏は磐石で、広上さんと一心同体!気軽に足を運んだコンサートでこれほどの演奏に出会えるとは!


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京都の秋音楽祭2014 開会記念コンサート

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番『皇帝』
   〃     /交響曲第5番『運命』

指揮:広上淳一
ピアノ独奏:佐藤彦大
管弦楽:京都市交響楽団
9月14日 京都コンサートホール大ホール

 まず、開会にあたって京都市長のご挨拶。アメリカの権威ある旅行雑誌「TRAVEL+LEISURE」誌の「訪れたい世界の都市」の一位に京都が選ばれたことに触れ、京都の歴史・文化、それを支えた市民(町衆)、京響もその中核を担っている。京都の誇りである。
 これを聞いてオーケストラがやる気を出さないはずがない。隣の町では「オーケストラは市民に根付いていない」だの「地面を這いつくばって金を集めろ」だのと罵倒され、その存在を否定されてるのだから・・・
 1曲目の協奏曲は佐藤彦大(ひろお)さん。若手の奏者を起用するのもこのコンサートの特徴ですが、過去には南紫音や木嶋真優など、現在新境著しい奏者もこの舞台に立っています。
 佐藤さんも数年後には弘く知れ渡る存在になるでしょう。広上さんの教え子で、「正直言ってやりにくい」と広上さんは仰っておられましたが、佐藤さんの方は広上さんのタクトの元、生き生きと表現して見せました。
 ベートーヴェンの5番協奏曲を聴いてこれほど心晴れ渡る気持ちになったのは久しぶり。余分な力が入らず、センス溢れる清新な演奏でした。特に第2楽章が秀逸。従来のベートーヴェンのイメージからすると重厚さが足りない、と思う方もあったかもしれませんが、前日のピアノ3台での第九と言い、この佐藤さんの5番協奏曲と言い、フレッシュなベートーヴェンを聞かせていただいたな、と思います。

 後半の5番交響曲は、定期演奏会で演奏する様なテンションの演奏でした。第1楽章の弦楽なんて、今や京響最大の売り物になったと思われる、色彩感あふれる弦の重厚で多層的な響きに酔いしれ、第2楽章では従来からの自慢の木管楽器のソロに惚れ込み、第2~3楽章では金管も「俺たちを忘れてはならぬ!」と言わんばかりにほれぼれするような演奏を聴かせる。
 第3楽章の不気味なコーダからハ長調に転調し、弦のトレモロが光彩を放ち、最終楽章に突入する場面では、本当に鳥肌が立ちました。
 第4楽章は、広上さんと楽団員との思いがドーン!とぶつかり合って、この両者でやり取りされている情報量の豊富さに、聴衆の目と耳が追い付いていきません。
 たぶんリハーサルで予定されていた以上のことがその場その場で生まれていったんじゃないでしょうか?
 ベートーヴェンの5番、聴く機会は多くあれど、これほどのカタルシスを味わえる演奏は、そうそう出会えない。こんなことを書くと「それは言い過ぎやろ~」とツッコミが入りそうですが、このカタルシスはカルロス・クライバー&ウィーン・フィルの演奏を思わせるものがありました。
 演奏後の挨拶で「疲れました」と、肩で息をする広上さんの表情も、オケの団員さんも充実感で溢れていましたね。

 この秋に訪れる3つのオーケストラの紹介の後に「これらの素晴らしいオーケストラを聴いて頂いて、京響も聴いて頂ければ、『いやいや、京響もなかなかやるじゃん!海外のオーケストラと比べても遜色がない』そうお感じ頂けると思います」という、自信がみなぎるコメント。本当に頼もしいです。このオーケストラを4000円そこそこで聴ける京都市民は本当に羨ましい。
 アンコールはボロディンの弦楽四重奏第2番第3楽章(R=コルサコフによる弦楽合奏編曲版)、今や京響の売りになった弦楽器陣の響きを存分に堪能させて頂きました。

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恒例:グルメメモ
コンサート後は糺の森でゆっくりした後、自転車で一乗寺の洋食屋「つばめ」さんへ
公共交通機関を使うと、北山と一乗寺・修学院って案外行き来がしにくいんですよね。北8系統のバスは一時間に2本しかないし・・・
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ハンバーグが若干焦げている気がするのはご愛嬌(笑)一汁三菜の正しき日本の夕食です。以前来たときはチキン南蛮でしたがそれも美味でした。

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コメント 2

NO NAME

カルロス・クライバー&ウィーン・フィルはナマで聴いた事あるのですか?少なくともカルロス・クライバーはナマで聴いた事あるのですか?
言い過ぎとか言う問題でもなさそうですが。
by NO NAME (2014-09-18 22:58) 

ヒロノミンV

人のブログに書き込むときはハンドルネームぐらいは名乗りましょうね。もっともアクセスログを見れば特定はできますが。

こういう思い入れの激しい記述は「あ~コイツ、バカな事書いとうな~」と、華麗にスルーするのが正しい楽しみ方ってもんですよ(笑)

by ヒロノミンV (2014-09-18 23:14) 

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