まさに『有ることが難しい』、だからこそ有り難い時間 [クラシック全般]
自宅へ帰ってきました。私の道中(神戸~岡山)は交通機関のダイヤ乱れも無く、スムーズに帰って来れましたが、新神戸駅や岡山駅では、帰る手段を無くした人々でごった返していました。台風による豪雨・洪水・突風の影響もすさまじいものがありました。皆様のところは大丈夫だったでしょうか。
話は変わります。
非常に楽しみにしていた大阪クラシック、最終日の4公演のみの参加となりましたが、本当に楽しく素晴らしい一日でした。今年は8年目ということで、8年前と言えば2006年。橋下徹はバラエティー番組の寵児で、過激な発言でお茶の間をにぎわせる、ただそれだけの存在でしかなかったし、日本の国内に居住不可能な区域なんてどこにもなかった。景気も少しづつ回復し、「プライマリー・バランス」達成に向けて歩み始めたことによって、国家財政危機も回避される見通しも立ち始めた。色々な意味で不安を感じることが、今よりもはるかに少なかったと思います。
大植プロデューサーは、最終公演で仰いました。『この大阪クラシックだけは、絶対に終わらせない!』
あの会場に来ていた何割かの人は、心の奥に「星空コンサートも無くなったし、もしかしたら大阪クラシックもこれで最後かも・・・」との思いを持っていたかもしれず、しかし、この大植さんの一言で大阪クラシックだけでなく、色々な事に思いを強く持つことによって、前に進んでいこう!そんな勇気を与えられたように思います。
また、最終公演も含めて感想を更新したいと思います。今回も黄色い服を着たボランティアの皆様が走り回り、譜面台や機材を大急ぎでセッティングするスタッフも見かけ、時折チラリと覗く舞台裏には大変な手間がかかっているイベントであることを伺わせました。
今回、会場の一つになった大阪証券取引所は、東証と合併し、北浜・淀屋橋界隈を歩いても、東洋の経済の中心地であった往時の建物は、今や観光名所でしかなくなった感があります。
人口も減り、日本の経済的地位も世界3位どころか、二ケタになる日もそう遠くないでしょう、でもそれは衰退を現しているわけではないし、自分たちの乗った船は沈んでいくわけでも無い。
会場を街のあらゆる場所に広がる、そこに52,800人もの人が列をなしてあちこち移動して音楽に耳を傾ける、この非効率極まりないイベントだからこそ、面白い。そこで繰り広げられた演奏は、まさに宝石の数々のように輝いていました。まさに『有ることが難しい』、だから有り難い時間・・・。また来年以降も歴史が受け継がれていきますように・・・
東京よろも大阪のほうが元気が
ある気がしています。
『大阪クラシック』というネーミングも秀逸!!
例年の記事も楽しみにしています。
by MU (2013-09-18 21:37)
>MUさん
大阪のクラシック界の実情は厳しいです。大フィルも補助金削減で団員さんの給料も100万円以上下がっているとか・・・。優秀な奏者も相次いで東京の楽団に移籍しています。
しかし、この大阪クラシックのようなイベントをやっていく力がある。そこが凄い街だと僕も思います。
とりあえずは、こういう「おもろいこと」からお金を引き揚げ、幻想でしかないグローバル成長神話にお金をつぎ込む政治家さんに退場願う・・・それしかないですね(笑)そこからあらたな何かが始まると思います。
by ヒロノミンV (2013-09-18 23:11)