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ルネスクラシックシリーズvol.3 ~室内楽のつどい~ [コンサート感想]

ルネスクラシックシリーズvol.3 ~室内楽のつどい~
「あの鱒から一年 挑戦は続く」
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ヴァイオリン:守屋剛志
ヴィオラ:景山奏
チェロ:山田健史
コントラバス:河本直樹
ピアノ:中山恵

ブルッフ/コル・ニドライ(ヴィオラ)
川上哲夫/ソナタより第1楽章(コントラバス)
シューマン/トロイメライ(〃)
モンティ/チャールダッシュ(ヴァイオリン)
ショパン/24の前奏曲から第15番「雨だれ」(ピアノ独奏)
フォーレ/夢のあとに(チェロ)
  〃  /エレジー(〃)
ショーソン/詩曲(ヴァイオリン)
上岡洋一/ピアノ五重奏曲(委嘱初演)
ヴォーン=ウィリアムズ/ピアノ五重奏曲

2013年6月29日 ルネスホール

 副題の「あの鱒から一年・・・」というのは、昨年にこのメンバーでルネスホールでシューベルトの『鱒』を演奏し、その後メンバー全員が研鑽を重ね、今回のプログラムを披露する、という趣旨だったようです。

 前半はそれぞれのがソロの曲を披露。後半2曲はピアノ五重奏で上岡さんの委嘱作品の初演のあと、ヴォーン=ウィリアムズのピアノ五重奏という構成。

 前半の皆さんのソロを聴いていて思ったことを正直に申し上げると、守屋さんのヴァイオリンはやはり突き抜けているなあと・・・。いや、僕のようにド素人じゃなくて、楽器や音楽について造詣の深い方なら「皆さん、心技体の揃ったすばらしい演奏」という答えになるのでしょうが、ド素人目では、守屋さんの音が突き抜けて感じたのです。ホールの空間を隅々にまで満たす響き。喜びも悲しみもさみしさも、形にならない人間の感情をすべて音に変えてしまう表現力。この舞台に立っている人は皆、特別な能力があり研鑽を重ねて高みに上り続けている音楽家なのですが、ソリストとして空間を支配し聴衆を魅了する力というのは、もはや神が与えたまう特別な能力なのかもしれないと・・・
 しかし、チェロの山田さんの音も素晴らしかったです。この機会にお名前をしっかり覚えておいて、もしソロコンサートがあれば必ず聴きに行きたいと思わせる魅力がありました。
 そしてピアノの中山さんも、伴奏でずっと出ずっぱりで、自分のソロもあって、と本当に大変だったと思いますが、どの曲も力の籠った演奏でした。4人のソロの伴奏に五重奏に・・・と、ソロを2時間演奏するよりも集中力と精神力を要することは容易に想像できます。殊勲賞は中山さんのピアノだったでしょうね。

 後半の五重奏2曲。1曲目は作曲者の上岡さんを目の前にしての委嘱初演ということで、本当に集中力の高い密度の濃いい演奏でした。第1楽章の無調の世界は、幽玄な雰囲気。つかみどころのない旋律・・・というよりは音の断片が空間を満たしますが、決して難解ではない。第2楽章は調性を重んじたメロディー豊かな歌が奏でられ、コントラバスやヴィオラにも見せ場が多かったです。
 2曲目はヴォーン=ウィリアムズのピアノ五重奏曲。自分はこの曲が生演奏で聴きたくて会場に入った、といっても過言ではないぐらい。好きな曲、というわけではなくて、NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)で探しても出てこなかった曲なんです(幻想的五重奏曲ならありましたけど)。

 そんな珍しい曲が生演奏で聴けるなら・・・という、元来のマニアック指向、天邪鬼的な性格から聴きに来て正解!これは本当に名曲でした!第2楽章が特に魅力的で、「タリスの主題による変奏曲」なんかで聴こえて来る、RVW独特のハーモニーが心地よい。そして何より、この「あの鱒、五重奏団」の演奏も素晴らしいハーモニーで、終始ウットリしながら堪能しました。この曲はかならずCDを探し出してライブラリーに加えたい!と思いましたね。
 

  アンコールは、やはりというか、シューベルトの『鱒』から第4楽章。演奏会のプレッシャーから解放され、遊び心満点の演奏でした。先日のカルミナ四重奏団の演奏と言い、今月は『鱒』の当たり月でした(笑)


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ルネスホール、今回は裏側からのショット。というかこちらが表という気もする。。。


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