ブロムシュテットとゲヴァントハウス管のブルックナー 4番 [クラシック音盤]
今週はブロムシュテットのブルックナー4番の録音を聴いている。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とのライブ録音。SACDハイブリッド盤。
ブロムシュテットのブルックナー4番の録音と言えば、やはりドレスデン・シュターツカペレ(SKD)との録音(DENON)が珠玉の名盤として高い評価を得ているが、SKDとのセッション録音は、4番と7番だけとなってしまった。
しかし2000代から満を持して、常任指揮者も務めた手兵、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と、SACDによる全集録音を進めていて、最近、そのラインナップが完成した。もちろん4番の録音もリリースされてる。
この全集録音、本当に名演奏ぞろいと思います。SACDのクオリティで聴く、中央ヨーロッパの古豪・ゲヴァントハウス管によるブルックナーはどれも素晴らしく、以前ブログで5番の演奏の素晴らしさについて書きました。
そして、ブロムシュテットのレパートリーの中核中の中核となる4番。この録音は凄い。SKDとのブルックナー録音を聴いて、なお、この録音を聴く必要があるか?と問われれば、断固としてある、と答えたいと思う。
SKDとの1981年の録音は、磨きに磨き抜かれたSKDのサウンドによる、繊細緻密にして重厚で、極めて完成度の高い演奏だった。
一方で、音楽に対して献身的であるあまり、指揮者の自己主張が希薄で、ズンズンと胸に迫ってくる迫力という点では、物足りない感じがあった事も事実だと思う。
ゲヴァントハウスとの4番は、冒頭などではペーター・ダムがソロを吹くSKDの録音に譲る部分があるものの、全体的に力強さが増していて、ズンズンと胸に迫って来るものがある。ブロムシュテットですから、決して強引な事はしない。音楽が威圧的であるとか、アグレッシヴであるとかではなく、音楽そのものの威容・偉大さに、聴き手が立ち尽くしてしまう・・・。何か聴いている人間が椅子から離れられないような迫力があるんです。それでいて、人間的な温かみがある。
特に第3楽章の迫力たるや、相当なもので、ゲヴァントハウス管の眩いばかりの輝かしい音色で迫って来るので、あと1楽章を残しているのに完全にノックアウトされてしまう。
先日のバンベルク響との公演でも、この第3楽章の迫力と音の輝きは、忘れえぬ記憶として自分の頭の中に刷り込まれている。
望みうるならば、ゲヴァントハウスとも一緒に来日して、ブルックナーの最高峰の演奏を再び聴かせてほしいけれども、現常任のシャイーの手前、それは難しかろうなあ・・・・
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(SACDハイブリッド)
- アーティスト: ブルックナー,ヘルベルト・ブロムシュテット,ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
- 出版社/メーカー: QUERSTAND
- 発売日: 2012/05/12
- メディア: CD
4年くらい前でしたか、シャイー+ライプチヒのブルックナー4番(+メンデルスゾーンの宗教改革)を聴きに行ったのを思い出しました。残念ながらあまり覚えていないのですが、宗教改革のほうが印象的でしたね。
by ムース (2012-11-20 00:33)
>ムースさん
シャイー&ゲヴァントハウス管のメンデルスゾーンは、NHKの放送で見ましたが(スコッチです)、さすがゆかりのオケだけあって、いい演奏でしたね。ブルックナーは・・・やはり僕だったらブロムシュテットで聴きたいかな(笑)
by ヒロノミンV (2012-11-20 20:53)