ミュージアム通り・・・芸術の街、理想と現実 [旅行]
土曜日に、井原市立田中美術館に行った。岡山県の西の端まで行ったのは、これを鑑賞するためである
展覧会の感想は、また後日という事で、今日は小旅行の記録を・・・
井原市までは鉄道を使った。岡山から清音までJR、清音からは井原鉄道に乗車。岡山からだと1時間15分程度。一般道を使っていくのとあまり変わらない所要時間。
井原鉄道には初めて乗ったが、車内は近代的で、関西の新快速の車両のような雰囲気。トイレもちゃんとついている。乗客もそこそこいて、降りる人もあれば乗る人もあり、ということで、常に席が埋まる感じだった。岡山・倉敷側と福山側の両方の流動があるためだろう。
車窓はなかなか良かった。これは高梁川を渡るところ。思ったよりスピードを出して快速で走る。
井原鉄道は1999年に開業。国鉄時代からの計画路線だが、国鉄の経営難、バブル崩壊などを経て、地元の悲願がようやくかなった。
沿線は意外に、といったら失礼か・・・けっこう人家が建て込んでいる。これなら鉄道の需要はそこそこあるのかも知れない
井原駅。那須与一のゆかりの地という事で、弓矢のイメージがモチーフになっている。
これは『矢の中』
駅前から延びる道は、その名も「ミュージアム通り」。市立田中美術館を中心とした、芸術の街づくりをしているようだ
しかし、それにしても歩いている人が少なすぎる・・・、市街地は碁盤の目状に区画整理されているが、駅前の『一等地』にも空き地が目立つ。実際、駅は街のはずれ、というポジションなのか?実際、国道は車がひっきりなしに行き交い、駅前とは対照的だった。
ショッピングセンターは撤退したらしく、無残な姿をさらけだしている・・・
『駅前』で、ネズミ捕り!?クルマ社会の縮図のような、なんだかシュールな光景・・・
一方、市役所は立派な建物だった。
ただし、土曜日の5時を過ぎても部屋に明かりが灯り、ご苦労さんという感じだ。
近代的な鉄道が開通し、綺麗な街路と近代的な市役所庁舎が建った頃には、既に地域の地盤沈下は始まっていたのだろうが、地元ゆかりの芸術家、平櫛田中の業績を展示するために1969年に建てられ、街のシンボルとなっていた。その田中美術館を核に、芸術の町として再興を期したのかもしれない。
その成果か、美術館はなかなかお客さんが多かった。県立美術館のへたな企画展よりも客足はいいのでは?さすがに天下の「松方コレクション」。
ただし、多くの客の中で、井原鉄道に乗って、街の中を歩いてやってきたのは、僕らを含めて数人というところか?駐車場には車が溢れかえっていたが・・・
交通機関を使って、自分の足を使ってきたお陰で街の雰囲気が良く解ってよかった。『文化・芸術では食っていけぬ』とは、どこかの大都市の市長の弁だが、大阪では違和感のある、この言葉も、ここ地方都市では現実味を帯びて迫ってくる。良質な企画展で、お客さんの入りが良くても、館のそばの駐車場から行きも帰りも街にお金を落とす事もないのだろうな・・・
ただし・・・『銀座』は賑わっていた!
帰りの井原駅。ディーゼルカーが、満席の乗客を乗せて走り出したのが、救いといえば救いかな?
ネズミ捕り、駅前が狙い目の場所ですか…。
岡山県西部の井笠エリアは、広島県東部の備後経済圏ですね(地元誌Winkのエリアだったし)。
神辺からだと車で30分もかからないし、福山市街地でも結構近いですからね。
by としゆき (2012-11-18 16:39)
>としゆきさん
井原線に乗っていても、矢掛あたりから福山方面は乗客が増える感じで、完全に福山の経済圏ですね。
この総社から矢掛、井原、神辺は、昔の山陽道の宿場町で、笠岡や福山市街は明治維新後の街ということになるようです。
とはいえ、今の県の枠組みだと、「県境の町」ってことになってしまい、この辺も井原市の不幸な環境ではありますね。
by ヒロノミンV (2012-11-18 21:01)
いや、この記事を読んで寂しい気持ちになりました。
パ○ンコ屋の盛況は勘弁願いたいです・・。
by ムース (2012-11-20 00:36)
>ムースさん
こちらにもコメント感謝です。
悲しい気分にさせてすみません・・・
街の街路やアートがきちんと整備されているのに、あまりにも活気が無かったもので、ついつい取り上げてしまいました。
人さまの趣味道楽をとやかく言うつもりはないんですが・・・パ○ンコ屋さんは、どこへ行っても盛況ですねぇ・・・
by ヒロノミンV (2012-11-20 20:57)