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RSKメッセージ特別篇「新たなるシンフォニーへの招待」 [岡山フィル]

 放送から時間が経過してしまいましたが、岡山フィルの演奏が地上波TVで放送されるという機会もそうそうないと思うので、少しばかり感想を。
 
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・ショスタコーヴィチ/交響曲第5番から第1楽章ダイジェスト
・チャイコフスキー/交響曲第5番から第2、4楽章ダイジェスト
 
 今回の放送では、6月20日放送のドキュメンタリー「おらが街のオーケストラ 岡山フィルの新たな挑戦」の取材の際に収録されていた映像を使って、演奏の模様が1時間にまとめて放送された。楽章抜粋の上にダイジェスト版ということでしたが、音楽の切れ目をうまく繋げていて、普段クラシックを聞き込んでない方には全く違和感の無いものに仕上がっていたと思う。
 
 シェレンベルガー&岡山フィルの演奏は、ショスタコーヴィチとチャイコフスキーという、ロシアの音楽という共通項はあったものの、アプローチは全く異なっていた。
 私はショスタコーヴィチの交響曲第5番についてシェレンベルガーの指揮では関西フィルの演奏で聴いているが、その時と印象はほぼ同じ、この曲にまつわる様々な時代背景やエピソードを排し、純粋に音楽としての美しさを際立たせたものだった。
 第1楽章では、透明感のある響きと、大音量の場面でも決して濁らないアンサンブルを貫き、強引に押していくような場面は全くなかった。新首席奏者陣の奮闘もあって磨きに磨き抜いた美しさが光る演奏だった。チェロとヴィオラのユニゾンの作りだすピュアな世界は、まるでこの世のものとは思えない無機的な美しさで、出来れば第3楽章も聴いてみたかったなあ・・・と思わされた。
 一方で、生演奏でも聴くことが出来たチャイコフスキーの交響曲第2番の2・4楽章。第2楽での美しさは中高音のユニゾン多様によるピュアサウンドが特長だったショスタコーヴィチとは違い、和音のハーモニーの柔らかさが光る美しさだった。その一方で、第4楽章では、当日の感想でも書いたとおり、バーバリアニズムを感じさせる野性的な演奏。ボウイングを深く取り、油絵を何層にも塗り込めるような、ちょっと語弊はあるが、チャイコフスキーの音楽特有の一種『暑苦しさ』を見事に表現している。テンポの速い場面で弦楽器の音がもっと一本筋の通った統一感が欲しい、とは思う。
 岡山フィルは、以前、youtubeで定期演奏会の動画を配信していた時期もあったが、現在はケーブルテレビ(オニ・ビジョン)での放送に切り替えた。私のようにマンション住まいで容易にケーブルテレビに入れない者に取っては、こういう地上波の放送は本当にありがたいのです。深夜枠でもいいから、今後もこういう機会を作って欲しいと、切に願う次第です。

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山陽放送で岡山フィルの3,5月の定期演奏会がダイジェストで放送 [岡山フィル]

 先月、RSK山陽放送で地域ドキュメンタリー番組「メッセージ」で、岡山フィルの経営改革と、楽団史上初の首席奏者オーディションの模様が放送されました。
 貴重なリハーサルシーンなども収録された一方で、(3月定期演奏会に欠席した私などは)実際の演奏はどうだったのだろう?という不完全燃焼感が残ったのも事実。
 しかし、山陽放送がやってくれました。おそらく僕の記憶する限りは初めての、岡山フィル定期演奏会の地上波放送があります。
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2018年7月31日 深夜0:55~1:55
1992年に岡山初のプロオーケストラとして誕生した岡山フィルハーモニック管弦楽団。四半世紀を経た昨秋、結団以来初となる首席奏者のオーディションを行い、7つのパートに新メンバーを迎えた。新生岡山フィルのお披露目コンサートとなった3月と5月の定期公演の中から、「ショスタコーヴィチ交響曲5番 第1楽章」と「チャイコフスキー交響曲5番 第2楽章・4楽章」をダイジェストでお送りします。
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 チャイコフスキーの5番は「運命の動機」と言われるメロディーの変化の対比を愉しむ意味でも、第1楽章も放送してほしかったところですが、勢いと推進力に溢れる第4楽章の演奏をもう一度聴けるのは本当に楽しみです。放送を楽しみに待ちたいと思います。
 山陽放送は、今、岡山カルチャーゾーンのど真ん中(県立美術館とオリエント美術館の間)に新社屋を建設していて、岡山駅前・市役所筋の新興商業地域を拠点にするOHK岡山放送に対して、江戸時代以来の旧城下町と岡山カルチャーゾーンの放送局としてのアイデンティティを確立しようとしているのかな?と思います。

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岡山フィルの2019年の定期演奏会プログラム情報 [岡山フィル]

 少し気が早いですが、岡山フィル首席指揮者のシェレンベルガーのホームページに2019年の出演情報が掲載されていましたので、そこから岡山フィル関連情報をピックアップしてみました。
 その前に、まずは2018/19シーズンの確定情報を記載します。
岡山フィル第57回定期演奏会
2018年10月14日(日)15:00開演  会場/岡山シンフォニーホール
~シェレンベルガーのベートーヴェン交響曲シリーズ完結~
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー
ソリスト:中桐 望(ピアノ)
 
ベートーヴェン/レオノーレ序曲第3番 作品72b
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調
ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調 作品60

岡山フィル『第九』演奏会2018
2018年12月9日(日)15:00開演 会場/岡山シンフォニーホール
~巨匠 秋山 和慶 岡山フィル第九再登場~
指揮:秋山 和慶
ソリスト:未定

ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調作品125
岡山フィル第58回定期演奏会
2019年1月20日(日)15:00開演  会場/岡山シンフォニーホール
~新年の幕開けはモーツァルトの傑作オペラと交響曲で~
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー
ソリスト:岡山にゆかりのある声楽家の方々
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」ハイライト
モーツァルト/交響曲 第41番「ジュピター」ハ長調 K 551
岡山フィル第59回定期演奏会
2019年3月10日(日)15:00開演  会場/岡山シンフォニーホール
~シェレンベルガーのブラームス交響曲シリーズ進行中~
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー
ソリスト:グスターボ・ヌニェス
 
ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲
ウェーバー/ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75
ブラームス/交響曲第4番ホ短調作品98
 さあ、いよいよ2019年の未確定情報です。
岡山フィル第60回定期演奏会
2019年5月11日(土) 岡山シンフォニーホール
R.シュトラウス/オーボエ協奏曲
  〃    /交響詩「ドン・ファン」
ブラームス/交響曲第3番
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー
オーボエ独奏:吹き振り?
岡山フィル第?回定期演奏会
2019年10月20日(日) 岡山シンフォニーホール
ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」
ほか
岡山フィル『第九』演奏会2019
2019年12月15日(日) 岡山シンフォニーホール
ハイドン/交響曲第?番
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調「合唱付き」
 このほか、2020年の1月にはカメラータ・ザルツブルグとの日本ツアーが予定されているようです。
 まだ正式発表されていないので、このままのプログラムが採用されるかどうかは何とも言えないのですが、来年10月の定期で、ついに岡山フィル史上初めてのブルックナーが演奏されることになります。新首席奏者陣にとっては、就任後最大の関門となりそうですね。特にホルンの梅島さんによる第1楽章冒頭のソロには注目です。あと、このころには選考中のファゴット・第2ヴァイオリン・チェロ首席も新しい体制になっていることしょう。
 5月の定期演奏会は、前半に「ドン・ファン」を持ってきていることから、弦5部は12型か14型の大規模編成になりそうですね。

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おらが町のオーケストラ ~岡山フィルの新たな挑戦~ RSK地域スペシャル [岡山フィル]

RSK地域スペシャル「メッセージ」
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2018年6月20日放送  山陽放送テレビ 
 
 たいへん見応えのある番組でした。
==番組HPから================
1992年に岡山初のプロオーケストラとして産声を上げた岡山フィルハーモニック管弦楽団。演奏者は、学校の先生や音楽教室などを掛け持ちしながら代わる代わる出演する「登録団員」。それに関東・関西の大手オーケストラから助っ人に駆けつけた「エキストラ」で構成されている。岡山フィルの魅力は、登録団員の堅実な演奏とエキストラが持ち込む都会的な香りの融合とされてきたが、一方でこんな指摘もあった。「楽団員の顔が見えない」「独自の音を持たないオーケストラ」。
そこで岡山フィルは結成以来初めてのプロジェクトに踏み切った。
各楽器の首席奏者をオーディションで選んで専属契約を結び、楽団の顔を作るのだ。
専属で楽団員を抱えるには新たな予算を組む必要がある上、楽団の顔として登録団員に溶け込めるのか、一つ間違えばオケの運営に亀裂が入るリスクも伴う。しかし、岡山フィルには賭けに出なければならない背景があった。
クラシック音楽業界は、昭和20~30年代初頭に、戦後復興で国民が西洋文化に傾倒し黄金期を迎えたが、その後、ポップス、フォーク、ジャズ、あらゆるジャンルの西洋音楽が登場したために音楽ファンが分散化。その結果、現在のクラシックコンサートの観客は、昭和20~30年代に青春時代を過ごした高齢者が目立ち、このままでは興行、すなわちオーケストラの運営は先細る一方との危機感がある。加えて、地方オーケストラの経営は企業や自治体の支援に負うところが大きいが、世の中の合理化が進む中、費用対効果が説明にくい文化活動への協賛は、最も予算カットの対象になりやすい。岡山フィルのオーディションには、新たなファン層の開拓と協賛各社に岡山フィルが地元になくてはならない「おらが街のオーケストラ」に生まれ変わることをアピールする狙いがあった。
オーディションには全国から200人以上が応募。去年10月、実技試験と面接を経て7つのパートで候補者が絞りこまれた。最終審査は今年3月と5月の定期演奏会。実際に首席奏者を任せて適性を試し、正式採用するか否かが決まる。7人の演奏家たちのサバイバル。岡山フィルの新たな挑戦が始まった。
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 番組冒頭のシーンは、シェレンベルガーが「日課」としているジョギングをするシーン。
 『おお~~!ウチの近所の河原をシェレンベルガーさまが走っとうやないか』とすでに興奮。それはさておき。
 オーディションに受かった7人の首席奏者候補の、3月と5月の2度の定期演奏会での最終選考の様子を追ったドキュメンタリーで、クラシック音楽ファンだけでなく、一般の視聴者も惹き込まれる内容だったのではないかと思います。同時に、岡山フィルの運営面での課題や将来展望についても詳しく解説されていて、取材班が山形にまで飛んで山形交響楽団の運営について取り上げられているのには驚きました。
まず、7人の首席奏者候補の顔ぶれです
ビオラ首席:七沢達哉(東京都在住)
コントラバス首席:谷口拓史(神奈川県在住)
フルート首席:畠山奏子(茨城県在住)
オーボエ首席:工藤亜紀子(東京都在住)
クラリネット首席:西崎智子(東京都在住)
ホルン首席:梅島洸立(東京都在住)
トランペット首席:小林鴻(東京都在住)
 
 全員が関東圏に在住している方で、7人中6人が東京芸大の出身。年齢も芸大大学院在学中の方から、30代半ばの中堅世代で豊富なキャリアの持ち主の方まで多士済々。コンサートで聞く限り、皆さんかなりの腕前の持ち主で、5月の定期演奏会でのチャイコフスキー/交響曲第5番のソロパートを聴いた手ごたえは「これはもう全員合格で決まりだろう」と思わせられたほど。
 しかし、これほどの腕前の持ち主でも、例えば梅島さん(ホルン)が「芸大に入ったから、プロの奏者なれると、ちょっと甘く考えていたけれど、甘くないですね。この業界は」と語り、自ら出場する室内楽のコンサート会場の椅子を並べたり、釣銭を用意したり、と、まさに手弁当で運営しているシーンが取り上げられます。
 谷口さん(コントラバス)は、その経歴を見ると、PACオーケストラにも居られたんですね。コントラバスの講師をしながら、オーケストラのエキストラ奏者などで演奏活動を続けてこられた苦労人。若い頃には学歴コンプレクスがあった(でも彼だって、洗足音大の出身の音楽エリート)が、東京芸大出身でもこの世界から去って行く仲間が多い中で、自分が生き残れたのは「何か他の人には無いものがあるから生き残って来れた」と自信を持てるようになったと語っています。
 クラシック音楽の1ファンとして、本当に厳しい世界だということはわかっていたつもりでしたが、我々ファンがスポットライトを浴びるステージで見る・聴く奏者たちは、いわばエリート中のエリート、その中の圧倒的な勝ち組なんだ、という事実。オーケストラの専属プレイヤーになるというのは、おそらくプロ野球選手になるよりも狭き門かもしれない。
 岡山フィルだけではなく、素質のある音楽家に安定した活躍の場がもっと増えてもいいのに、と思います。
 定期演奏会のリハーサルのシーンも興味深かった。ホルン首席候補の梅島さんが、3月の定期演奏会では日本一のブラスセクションとの評価も高い読響のホルン奏者:久永重明さん、国内オーケストラ初の女性金管奏者の東響の曽根敦子さん、東京シティ・フィルの小林祐治さんなど、サイトウキネン・オーケストラ級の錚々たるメンバーのホルンセクションの中で首席奏者としての能力を試されます。そして、周囲の先輩たちの、暖かくも的確なアドバイスを受けながら成長していく様子が描かれていきます(いや、ホンマ皆さん、暖かくも優しい・・・)。
 他にも興味深いシーン(三度の飯よりゲームが好きなフルートの畠山さん、自転車が趣味で旭川沿いのサイクリングロードを水を得た魚のように疾走するヴィオラの七澤さん、岡山フィルの創立時から聴衆として聴いてきて、「岡フィルで演奏するのが目標だった」と語っていた西崎さん(倉敷出身)、など)が沢山ありましたが、ブログではとてもすべてを取り上げることは出来ません。
 岡山フィル創立時からの団員へのインタビューも印象に残りました。創立時からコンサートマスターを務められた上月さんの「責任感に押しつぶされそうな日々だった」という懐想と、大都市のオーケストラからの助っ人エキストラ奏者との演奏について「いろいろなものを吸収させてもらった」と語っておられました。
 シェレンベルガー体制後の「おらが街のオーケストラ」として地域に根差し自立したオーケストラを目指す方向性は、絶対に正しいと僕は思っていますし、このブログなどでも『オーケストラの顔が見えない』『独自の音がない』さらには『素晴らしい演奏をしても、奏者が変わるので次への蓄積が感じられない』と、コメントしてきましたが、この番組でエキストラ奏者時代の岡山フィルについて、楽団員さんの声が記録されたことは今後、岡山フィルの歴史を語るうえで貴重な証言だと思います。
 
 番組のラストシーンは、首席候補最終選考の最後のコンサート(5月の定期演奏会)後の7人の表情や言葉。
梅島さん(ホルン):「やれるだけのことは、やり切りました」
小林さん(トランペット)「楽しみに(結果を)待ちたい」
畠山さん(フルート)「どうなっても、まあ・・・、(力は)出しきったかな、っていう感じです」
工藤さん(オーボエ)「うまくいけばラッキー」
七澤さん(ヴィオラ)「これからも、ご縁があったらぜひ(来たい)」
谷口さん(コントラバス)(10月の定期演奏会に)「来たいです、すごく来たいです」 
 
 そして番組最後に7人の候補者全員が、岡山フィル初代首席奏者として採用が決定したことが発表されました。昨日の山陽新聞でも記事になっています。
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 彼らがこれほど岡山フィルで演奏したい!という熱意を持ってくれていることに、こちらまで熱くなります。在東京や関西のオーケストラからの助っ人エキストラさんには経験も実績もありますが、やっぱり今の岡山フィルや岡山の街には、この7人の「サムライ」たちの熱い思いのこもった音楽が必要なのです。
 10月の定期演奏会を楽しみにしたいと思います。
 この番組のもう一つのメインテーマであった、岡山フィルの楽団運営改革の部分については、拙ブログの連載「国内オーケストラ業界と岡山フィル発展への研究」の新たな記事(7月中に更新予定)の中で改めて触れてみたいと思います。
 

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山陽放送テレビのドキュメンタリー番組で岡山フィルが取り上げられるようです [岡山フィル]

 近年の岡山フィルの躍進は、クラシック音楽ファンの間にとどまらず、この街のホットな話題の一つになった・・・ということでしょうね。
 6月20日(水) 19:00~19:55
 平日のゴールデンタイムど真ん中の放送です。
 詳細な内容は明かされていませんが、おそらくシェレンベルガーの首席指揮者就任後の楽団改革・演奏能力の向上の軌跡、そして好調な観客動員とそれに伴って行政・財界を中心に「中心市街地活性化の起爆剤」としての期待が高まっている、そんな内容のドキュメンタリーになるのではないでしょうか。
 このブログにコンスタントに訪問いただいている方の6割が岡山県外からのアクセス(アクセス解析による)で、RSK山陽放送の放送エリアは岡山県・香川県ということで、それ以外の地方の方は見ることが出来ないのが残念です。山形交響楽団のドキュメンタリーのように、何らかの賞を受賞したりすれば全国放送されるかもしれません。そのためには、まずは視聴率と反響が高いことが条件になるでしょうね。
 このドキュメンタリーの放送に伴って、
 RSK「4時なま」特集(6月15日(金) 16:00~)と、
 RSK「イブニングニュース」特集(6月20日(水) 18:15~)でも取り上げられるようです。
 これらの放送予定については、岡山フィルから会員あてに郵便で送られてきました。
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 楽団の意気込みを感じますね。これがきっかけに、もっと話題になっていけばいいですね。
※6月13日 追記
 山陽放送の番組HPに内容予告が掲載されました。なるほど、オーケストラの運営を含みつつ、今回は首席奏者オーディションでの人間模様にスポットを当てていく内容のようですね。そうであれば、オーケストラに馴染みが無い視聴者も惹き込まれる番組になると思います。さすがですね。

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行けなかった岡山フィルの第55回定期のプログラムを貰う [岡山フィル]

 3月11日~12日にかけて、普段の5倍ほどのアクセスを頂きましたが、岡山フィルの第55回定期演奏会には、わたくし、仕事で行っておりません。。。
 この日は私と同業者もかなりの割合で欠席したみたいで(この3月2週目の週末っていうのが、私の居る業界では特異な日・・・なんですよね。私は別種の仕事で欠席でしたが)、ホールの入りが気になりますが・・・
 ネット上での感想を拝見すると、演奏は非常に良かったそうです。
 今日、お彼岸のお供え物を買いに某百貨店(岡山フィル企業会員になったら名前をクレジットするようにします(爆))に行くついでに、シンフォニーホールによって、さらぴんのチケットを見せて当日のプログラムを貰ってきました。
 気になっていたのは、今回の定期演奏会から首席奏者の試用期間が開始されていること。メンバー表を拝見すると、やはり今まで登場なさっていた在東京・関西のオーケストラの助っ人主席の名前が無く、フリーの奏者の名前が多かったです。
 ただし、チェロの首席の松岡さん(都響)、ホルンの久永さん(読響)の名前があるなど、これらのパートはまだ決まっていないか、もしくは首席以外のポジションで参加していた可能性もありますね。
 メンバーの中には、若手の方も居れば、「うそやろ!?」っていうぐらい実績のある方(N響元首席の方や、著名室内楽団体の所属の方)もいらっしゃって、これらの方が岡山フィルの首席として正式に就任すると、これまでと同等の演奏水準は保証されるばかりか、楽団としての一体感が増すことを考えると、もっと良くなっていくのではないか?と期待してしまいますね。

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岡山フィルハーモニック管弦楽団2018/19シーズンプログラム [岡山フィル]

 ようやく今年初めてのエントリーです。今更ですが・・・今年もよろしくお願いします。

 12月25日に「岡山フィルの2018/19シーズンプログラムの発表は?マイシートの発売は?」という記事をエントリーした翌週に、岡山フィル公式から来シーズンのプログラムが発表されていました。
 来シーズンもマイシートが発売され、今日が発売日。今回も、次年度引継制(次のシーズンも同じ席が自動的に予約される制度)の導入は無く、一から選びなおしになりました。来シーズンはこれまで確保してきたエリアから離れ、別の場所へ移動しました。
2018年5月27日(日)15:00開演  岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第56回定期演奏会  ~心・踊る・ロシアの魂~
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調
指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー
ヴァイオリン独奏/福田 廉之介
 
2018年10月14日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第57回定期演奏会 ~シェレンベルガーのベートーヴェン交響曲シリーズ完結~
ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調
指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー
ピアノ独奏/中桐 望
 
2018年12月9日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
ベートーヴェン『第九』演奏会2018 ~巨匠 秋山 和慶 岡山フィル第九再登場~
ベートーヴェン交響曲第9番 ニ短調
指揮/秋山 和慶
ソリスト/オーディションにより選出(予定)
 
2019年1月20日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第58回定期演奏会ニューイヤーコンサート ~新年の幕開けはロッシーニの名曲の数々とモーツァルトの傑作交響曲で~
ロッシーニ:歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
ロッシーニ:名曲アリア集
ロッシーニ:「絹のはしご」序曲
モーツァルト:交響曲 第41番「ジュピター」ハ長調
指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー
ソリスト/岡山にゆかりのある声楽家の方々
 
2019年3月10日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第59回定期演奏会 ~シェレンベルガーのブラームス交響曲シリーズ進行中~
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
ウェーバー:ファゴット協奏曲ヘ長調
ブラームス:交響曲第4番ホ短調
指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー
ソリスト/グスターボ・ヌニェス(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団首席ファゴット奏者)
 
 以前のエントリーでも触れた通り、来シーズンから主要10パートの首席奏者が就任するということで、岡山フィル本来の10型2管編成の楽曲で固めてきましたね。ソリストは4回の定期のうち3回が地元出身のソリスト・声楽を起用し、地域密着の姿勢を打ち出しています。
 あと、隠された狙いの一つに、「楽団とともに聴衆も育っていくように」との願いもこめられているように思います。
 今の聴衆層は、ベートーヴェンやドヴォルザークやチャイコフスキーなど、超メジャーな楽曲だと客足は安定していますが、超メジャーな曲を外すと(マーラーやR.シュトラウスといった後期ロマン派の人気演目でさえ)一気に客の入りが悪くなります。
 オーケストラの定期会員(マイシート)の醍醐味は、「自分は聴いた(食べた)ことが無いけれど、最高の素材(隠れた名曲)をシェフが腕によりをかけて料理したものを頂く」ことにある。
 オムライスやハンバーグ(超名曲)は確かに美味しいし、安心の選択肢ではあるけれど、せっかく地元に腕のいいコック集団(オーケストラ)が居るのだから、自分の知らないメニューに挑戦して、自分の知らなかった圧倒的な世界を味わってみたい!
 そう思う人が増えて、はじめて岡山のオーケストラ文化が育つ、ということになろうかと思います。
 来年度のプログラムは「岡フィルというお店のシェフと料理人の腕は確かですよ」という認知を拡大するための年になりそうです。店に対する信頼が出来てくると、毎回オムライスやハンバーグを頼むより、「シェフのおススメを頂こうか」という大人の楽しみ方もできるようになる。そのための仕込みの1年になりそうです。
 また、地元の風土が生んだ最高のワインたち(福田廉太郎さんや中桐望さん)が、ソムリエ(シェレンベルガー)のエスコートでどんな味わいを見せてくれるか、も楽しみです。
 1月定期は、今年と同じく地元声楽家による「オペラ・ニュー・イヤー。プログラム」を前半において、後半はモーツァルトの「ジュピター」交響曲。モーツァルトの後期交響曲は、シェレンベルガー氏の十八番でありながら、岡山フィルの首席指揮者就任後6年間封印されてきました。岡山フィルのアンサンブルが成熟するのを待って、ようやくその封印が解かれます。
  3月定期では前半にハイドン・ヴァリエーション、後半は交響曲第4番で、ブラームスの名曲を並べてきました。どちらもプロのオーケストラならば頻繁に弾かれるレパートリーですが、アンサンブル能力の高さが要求されます。新首席奏者陣のもと、どこまで成熟した演奏を聴かせられるか、シェレンベルガーの手腕に期待ですね。

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岡山フィルの2018/19シーズンプログラムの発表は?マイシートの発売は? [岡山フィル]

 全国のオーケストラの来シーズンのプログラムが出揃い、気になるのは岡山フィルの来季のプログラムですが、5月定期演奏会の発売日(会員先行)が1月14日になることが、すでに発表されいるにも関わらず、未だに年間プログラムが発表されておりません。
 
 ということで、シェレンベルガーさんのホームページ掲載情報から、来季のプログラムを予想してみたいと思います。正確なプログラムと公演日時は、後日の主催者発表を確認してくださいね。
 
岡山フィルの2018/19シーズンのプログラム(見込み)
 
2018年5月27日(日)※発表済
岡山フィル第56回定期演奏会
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー
グリンカ/「ルスランとリュドミラ」序曲
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
        Vn独奏:福田廉之介
  〃   /交響曲第5番
2018年7月?
(定期演奏会開催?)
 
2018年10月14日(日)
岡山フィル定期演奏会
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー
ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲
  〃   /ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
  〃   /交響曲第4番
2019年1月20日(日)
岡山フィル特別演奏会「ニュー・イヤーコンサート」
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー
ロッシーニ/オペラ・アリア集
モーツァルト/交響曲第41番「ジュピター」
 
2019年3月10日
岡山フィル定期演奏会
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー
ハイドンの作品
ウェーバー/ファゴット協奏曲
 Fg独奏:グスターボ・ヌニェス(ロイヤル・コンセルトヘボウ管・首席奏者)
ブラームス/交響曲第4番
 
 こんな感じになっています。
 
 以前、このブログでも触れた、シェレンベルガーさんのHPに掲載されていた5月定期の予定プログラム「大地の歌」は差し変わりました。う~ん、これは残念ですが、オーケストラも首席奏者が就任したばかりだし、一昨年のマーラー1番の客の入りだと(1000人しか入らなかったそうだ)集客が心配。新日本フィルの倉敷公演でも、マーラー1番で客が入らなかったですからねぇ。まだまだそこまでの聴衆は育っていないという判断でしょう。
 
 来年は10型2管編成という岡山フィルの標準サイズで、古典派~前期ロマン派を徹底的にやる、ということで、シェレンベルガーさんらしいプログラムにはなったかと思います。しかしチャイコフスキーをやるのは意外でした。ちょっと一味違うかっちりとしたチャイコフスキーを聴かせてくれそうですね。地元期待の天才少年、福田廉之介君(スイス留学中、17歳)を定期演奏会のソリストに迎えてのチャイコフスキーのVnコンは聞き逃せないです!
 あと、弦4パートと管6パートの新首席奏者の契約がH30年7月からとなっているので、7月にその披露定期演奏会が開催されるのではないでしょうか。
 
 
マイシートの発売は!?
 
 せっかく固定客がつきはじめているのですから、発売される筈ですよね。でも、5月定期の会員先行発売日である1月14日まで、あと1か月を切っています。友の会会員にはDMで送られてくるんでしょうが、新規のお客さんの開拓の絶好のチャンスだった第九には、何のアナウンスもありません・・・。なんだかねえ、この辺が相変わらず・・・という感じやねんなあ。
 
ホームページも更新されていない?
 
 苦言ついでにもう一つ、12月15日現在で、楽団ホームページに首席コンサートマスターの高畑さんのお名前が掲載されていないんですよ。
 事務局さん・・・仕事がいっぱいいっぱいで、回っていないんじゃないかしら?
 
 
動画配信も停止?
 
 これは苦言ではないですが、毎回、楽しみにしていたyoutubeでの動画配信が、3月の定期演奏会以降、配信をストップしています。う~ん、楽しみにしてたんだけどなあ。ただ、今後のことを考えるとyoutubeでの収入なんて雀の涙みたいなものでしょうから、低コストでファンに有料で買ってもらえるような方法を探った方がいいかもしれませんね。
 
テレビの収録があった?
 先週の第九の時に、2階後方の客席にテレビカメラが入っていました。相方がロビーでテレビクルーがお客さんにインタビューをしている様子を目撃しています。もしかしたら、地元のテレビ局(RSKかOHK)がドキュメンタリー番組でも作っているのかもしれません。
 
市長の本気度は!?
 先月の「GIKAI STYILE」(いわゆる議会だより)に岡山フィルの支援策について書かれていたので、市役所のホームページで市議会の議事を詳しく見てみました。
 
質問者:林敏宏市議(公明党)
「(2)オーケストラ支援について。
 公明党主導で文化芸術振興基本法が2001年11月に成立してから15年余り。関連予算の拡充などが進む中,国を挙げた取り組みを拡充させ,名称を文化芸術基本法に改める法改正がことし6月,全会一致で成立し,施行されました。今回の法改正の内容は,公明党など超党派の議員連盟で取りまとめられました。文化芸術立国実現へ,文化芸術の振興にとどまらず,観光やまちづくり,国際交流,福祉,教育,産業など関連する分野の施策も法律の範囲に取り込み,施策のウイングを広げていく取り組みをさらに強化することが主な狙いです。名称も文化芸術基本法と改められました。政府でもこの基本法の施行を受けて,文部科学省のほか内閣府,総務,外務,厚生労働,農林水産,経済産業,国土交通の各府省などによる文化芸術推進会議も新設され,体制の強化が図られました。基本理念には,年齢,障害の有無または経済的な状況にかかわらず等しく文化芸術の鑑賞ができる環境整備や児童・生徒らに対する文化芸術に関する教育の重要性が盛り込まれています。今後,子どもたちの心の豊かさを育むための体験事業などがさらに進んでいくものと期待しています。
 本市では現在,岡山フィルハーモニック管弦楽団が我がまちのオーケストラとして活躍しています。子ども連れで演奏会に参加できる親子deクラシックや学校へ赴き演奏するスクールコンサートを通して子どもたちの心の豊かさ,感性を育むための一翼を担ってくれています。また,岡山市ジュニアオーケストラも結成されています。これからの岡山市の都市格を向上させていくためにも,また今後展開されてくる基本法においても,文化芸術におけるトップチーム,そのまちのオーケストラの果たす役割はますます大きくなるものと考えます。
 先ほど述べました岡山市を世界に向けて発信し得る魅力ある都市にしていくための資産として育てていく必要があると考えます。その支援について当局のお考えをお聞かせください。
 あわせて,教育の側面からオーケストラの果たしている役割についてお聞かせください。」
 
大森岡山市長の回答
「 次に,トップチーム支援について,私はオーケストラの話をさせていただきたいと思います。
 就任してしばらくたってからでありますけども,指揮者のシェレンベルガーさんが何回かお越しになりました。シェレンベルガーさんのおっしゃりたいことは,岡山フィルハーモニー──岡フィルというものはもちろん存在するんですが,その中で演奏している人たちが毎回変わってしまう。岡フィルという弁当箱の具材は1回1回まるっきり変わってしまう。そうなると,音をつくっていくというのはなかなか難しいんだと。これは岡フィルがあって岡フィルがないようなものなんだというようなことを強く主張されておられました。ただ,一挙にこの具材を確定するというわけにいかないんで,お互いステップ・バイ・ステップで考えていこうというところになったわけであります。
 したがって,今年度予算を承認していただき,首席コンサートマスター,また各パートの首席奏者を固定していくことで,この具材の一部固定というか主要部分の固定ができることになって,音のつくりやすさ,一体感というものができていくということになるんだろうと思います。このように市は今積極的に支援しているところでありますが,今後は県や経済界とも連携しながら,今のステップ・バイ・ステップを実行していくことができればと考えているところであります。」
 
 ここまで岡山市長が踏み込んだ発言をしているとは思いませんでした。先週の第九にも大森市長が聴きに来られていました(ついでに言うと、津村代議士の顔も見えました)ので、「ステップ・バイ・ステップ」の先にある目標は、岡山フィルの常設プロ・オーケストラ化なのでは?と期待してしまいます。
以上、岡山フィルに関する小ネタ集でした

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音楽の友9月号の『来日演奏会情報2018』から来季の岡山フィルを予想する [岡山フィル]

 もう10月号がでているので「今更」な感じですが、毎年買っている音楽の友9月号、来日演奏家情報ネタ。



 といっても(初めに書いときますが)シェレンベルガーさん以外の来日演奏家情報はここでは触れません。最近は、来日オーケストラなどへの興味も沸かなくなってきています。唯一、サイモン・ラトルがロンドン響と来日するので、「ようやく3万円以下でラトルを聴ける機会があるなあ(爆)」と思ったぐらい。


 興味があるのはなんといっても、われらが岡山フィル首席指揮者のシェレンベルガー氏の情報。


 2018年1月と3月の岡山来訪については、すでにプログラムも発表済み。


2018年1月18日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール

岡山フィルハーモニック管弦楽団特別演奏会「ニュー・イヤー・コンサート」

 モーツァルト/歌劇「魔笛」ハイライト
       第1幕より「私は鳥刺し」
             「なんと美しい絵姿」
        第2幕より「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」
              パパパの二重唱  ほか
 リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェヘラザード

独唱/ザラストロ:渡邉寛智  タミーノ:柾木和敬  夜の女王:阪本清香

   パミーナ:池田尚子  パパゲーナ:川崎泰子  パパゲーノ:鳥山浩詩   
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー


2018年3月11日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第55回定期演奏会

 ベートーヴェン/交響曲第8番ヘ長調
 ショスタコーヴィチ/交響曲第5番ニ短調

指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー


 1月は京響と名フィルにも吹き振りで登場するそうですが、徐々にシェレンベルガーさんの指揮者としての音楽性の高さに気付く人が増えてきているようで、財政厳しい岡山フィルのファンとしては気が気じゃありません。少し前に兵庫PACを振ったとき、エキストラで参加していたN響の茂木大輔さんがシェレンベルガーの指揮を高く評価していたり、最近、東京のオーケストラによく登場するのも(10月は読響、新日本フィル)、岡山フィルにエキストラで来ていた奏者が推薦してるんじゃないかと疑ってます。


 年度が替わって5月にも来日する予定になっています。シェレンベルガーさんの公式ホームページにもあるように・・・

モーツァルト/交響曲第40番ト短調

マーラー/交響曲「大地の歌」

 が有力です。日程はシェレンベルガー氏のHPには「5月20日」とありますが、どうやら「5月27日」が正しいようです。


 音友では5月以降の来日は2018年3月のみ掲載されていますが、シェレンベルガー氏のHPでは10月に来日する予定になっているので、この時期にも登場するとみて間違いないでしょう。岡山フィルとの契約は、年に3回の定期的な演奏会を振るようになっているらしい(地元新聞社情報)ので、第九とニューイヤーコンサートは別の指揮者に任せる可能性が高そうですね。


 10月と3月の定期演奏会のプログラムを予想してみると、まず挙げられるのはシリーズで取り上げているベートーヴェンとブラームス。ともに第4交響曲がまだ残っています。

 シェレンベルガー氏のインタビューではハイドン、シューマン、メンデルスゾーン、それからマーラーの交響曲第5番なども取り上げると述べています。


 過去のコンサートを振り返ってみると、オーケストラの実力向上と聴衆の「経験値」を上げ、良質な聴衆を育てていくためには、やはり古典派~ドイツロマン派を網羅的に取り上げることは確実。そこに、飽きが来ないようにいい塩梅でR.シュトラウスやマーラー、オネゲルのような演奏効果の高い楽曲を入れてきています。


 楽団専属の首席奏者を一気に11人も入れる来年度は、色々な意味で勝負の年であり、飛躍の年でもあります。今から年間プログラムの発表が楽しみです。

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岡山フィルが日本オーケストラ連盟に加盟! [岡山フィル]

 今日の山陽新聞朝刊の記事。岡山フィルが、ついに日本オーケストラ連盟への加盟が承認されました!準会員としての加盟ということです。

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 それに先駆けて、6月10日(土)の山陽新聞にも異例に大幅な紙面を割いて、シェレンベルガー氏を中心としたオーケストラ改革について記事が組まれていました。

 記事の中身は会員限定公開になっているので写真アップは控えますが、要約すると・・・


 シェレンベルガー氏が首席指揮者に就任して以降、地元ファンの間で「音が変わった!」と話題になり、オーケストラの演奏力の向上とともに魅力的なプログラムをそろえ、観客動員も(実数を把握している09年度以降)過去最高を記録するなど好調。今が改革の好機ということで

・ 新コンサートマスターの招聘
・ 10パートの首席奏者の募集

 などの大規模な改革に着手。これまでは大編成の楽曲になると、大量のエキストラと在東京オーケストラなどから首席奏者をごっそり連れてくることから、「エキストラ楽団」などと揶揄されてきたが、名実ともにプロの楽団を目指す方向に大きな舵を切った。岡山市も「中心市街地活性化の起爆剤」としての役割を期待しており、補助金額の増額などで支援を強化しているとのことです。


 日本オーケストラ連盟に加盟するためには、他のオーケストラに所属していない自前の首席奏者をそろえる事が必須条件になっていますが、早くも加盟が認められたということは異例のスピード承認という印象があります。国内のオーケストラは大都市圏に偏在している傾向があり、東京では世界トップレベルに肩を並べつつあるとの評価のオーケストラがいくつもある一方で、地方、特に西日本の層の薄さが指摘されていました。岡山フィルの加盟は連盟としても歓迎されることだったのかもしれません。
  しかし、同記事では「この大胆な改革はリスクが伴う」とも指摘、これまでは在東京オケなどで実績のある首席奏者を連れて来ていたことで、演奏のクオリティが保てていた面もあった。しかし、岡山フィルは他の常設オーケストラのような条件は提示できないし、全国的には実績や知名度は無いに等しいことから、これまでの助っ人首席のようなレベルの奏者の確保が難しいかもしれない。
 そうなると、演奏のクオリティが低下し、聴衆が離れて行ってしまう恐れもある。


 聴衆も「これまでの演奏よりもクオリティが落ちるかも知れない」ことを受け入れる覚悟を持って、「それでも、おらが街のオーケストラのために応援しよう」という覚悟が必要になって来ると思います。


 しかし、僕はこの首席奏者の人材確保に関しては楽観的な見方をしていて、上手い一流の奏者をその時だけ集めたら必ずいい演奏になる、とは限らないと思っています。エキストラ奏者さんの中には素晴らしい情熱で演奏してくださる方も居ました。都響のクラリネットの小林さん、OEKのティンパニストの渡辺さん、最近では元都響のホルン奏者の笠松さんや京響のフルート奏者の中川さんら、最高のパフォーマンスと、終演後は素晴らしいステージマナーを見せて・聴かせてくれました。た。

 一方で、エキストラ奏者の中には、カーテンコールが最高潮に盛り上がっているときに「早く東京に帰りたい」と思っているのかどうかは分かりませんが(笑)、観客と余韻に浸りたい岡フィルプロパーの奏者との温度差を見せられることもあったことは事実です。無理もない、彼らは自分の所属するオーケストラで最善を尽くすことが本来の仕事なのだから。。。


 しかし、これからは「自分は岡山フィルの首席奏者なんだ!」という帰属意識と、「岡山フィルの首席奏者として、最高の演奏を聴衆に聞かせたい」という責任感を持った奏者が演奏するようになる。楽団に一体感が生まれ、本当の「岡山フィルの音」を作っていけるようになる。

 オーディションはシェレンベルガー氏も審査員として立ち会うとのことなので、全く懸念はないと思いますが。求めるレベル以上の奏者が居ないパートがあれば、もうしばらくはエキストラ首席で代行してもいいと思う。我々ファンは、じっくりと待ちます。


 いやしかし、考えてみたらベルリン・フィルは奏者だけでなく指揮者やソリストまでも楽団員が選考するわけですから、その修羅場を経験したシェレンベルガー、その人がオーディションをして、コンサートの出演者やプログラムを組んでいる岡フィル、そりゃーいいコンサートが増えるわけですよ。

 これまで岡山フィルのステージにエキストラとして立っていただいた奏者の方々に感謝するとともに、彼らも含めて25年間の演奏の蓄積の基盤のうえに「岡フィルの」音が生まれる現場に立ち会いたいとおもいます。


 以下は余談です。


余談1)ある人たちと、この岡フィルのニュースについて話をしていたら、「専務理事のTさんはやり手だからなあ」という話を聞き、調べてみると、なんと楽団の専務理事(常勤で一番偉い人)は、いつもシンフォニーホールの入り口の外で、来場者に向かって笑顔で頭を下げて迎えて下さっている方でした。

 まさかあの方が専務理事とは・・・。率先垂範とはよく言われることですが、大阪や京都のホールでも、入り口の外で挨拶をされているのは見たことがありません。聞けば岡山市の経済局長まで勤められた市役所の重鎮だという・・・。世の人々は「天下り」かも知れませんが、ここ数年の改革のスピード感と成果、あるいは率先垂範を示す、その姿勢とおもてなしの心。
 拙ブログにコメントを下さるブロガーさんから、オーケストラの発展には優れた音楽監督と、情熱を持った事務局員が必要、とのコメントを頂いたことがあるが、岡フィルもそういう人を得てこその、ここ数年の改革なのかもしれない。


余談2)細かいことかもしれませんが、あえて山陽新聞へ苦言を。岡フィルはオーケストラ連盟に「準加盟」したのではなく、準会員として加盟した、ということです。「準加盟」って、なんかちゃんと加盟が認められていない感が漂ってるじゃないですか。紙面の関係で端折ったのかもしれませんが、ここは正確に表記して頂きたいと思います。

 でも、土曜日の特集記事は非常に読みごたえのある記事でした。

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