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THE MOST music festival 街角コンサート [コンサート感想]

 1月に新型コロナ感染症に罹患し、最初に発症した子供の濃厚接触者待機から数えて丸々2週間の隔離になってしまった。

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 よって1月の岡山フィルの1月定期は欠席、THE MOST music festival のオープニング公演の森野美咲さんと木口雄人さんのデュオは、咳・倦怠感の症状が強く、チケットを譲りました。譲った相手はクラシックのコンサートは始めてだったらしく、プログラムに色々な工夫があったようでとても楽しかったようだ。また一人、クラシックのファンを開拓したと思えばこれもまた良し。

 とまあ、こんな感じで生音楽に飢えに飢えていた状態で、街角コンサート2つに足を運ぶ。

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◆2/10 1830〜岡山コンベンションセンター アトリウム 1曲目(曲名失念)。福田廉之介のソロ。まさに松ヤニが飛んでくるような距離で聴く美音。弓を自在に操り、聴き手の心の琴線を直接揺り動かしてくる。
 2曲目はルクレール/2台のヴァイオリンのためのソナタ(福田廉之介、春名夏歩)、3曲目はタイスの瞑想曲(西江春花)。二人の若きヴァイオリニストはTHE MOSTの岡山の本公演に登場した方。二人とも音を確実に捉えて表現していた。福田さん曰く、若い修行中の音楽家が市井の聴衆の前で演奏する機会は本当に少ない。自分は色々なチャンスを貰ったので、これからは若い人たちにチャンスを与えていきたい、とのこと。
 お客さんは100人近く集まっており、小さい子供も聴きに来ていて、子供がどんどん福田さんに惹き込まれるように近づいて聴いていた。

◆2/11 1030〜ホテルグランヴィア岡山 敢えて「プロデューサー」と呼ぼう=福田さんも会場で進行役を務める。

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 昨日に続いて春名夏歩さんによるサン=サーンス/序奏とロンドカプリチオーソ。スケールの大きい良く歌う演奏。昨日よりいっそう素晴らしかった。
 2曲目の中村さんによるパガニーニ/24のカプリス第1番。これはもはやプロの演奏。既に高校生離れしている。中村さんはTHE MOSTの東京公演に登場した方のようだ。
 3曲目のバッハ無伴奏ソナタのフーガも圧巻。彼の描き出す世界観を堪能。5年後、いや3年後には名前が知られる存在になりそう。
 最後は春名さん、中村さんがピアノ伴奏でショスタコーヴィチ/5つのソナタ。30分ほどのコンサートとは思えない充実した時間だった。

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 昨日の盛況とは対照的に、お客さんは20人程度。最後は吹き抜け2階に何人かお客さんが集まって、それでも30人ぐらい?福田さんが演奏しない回は集客に苦戦している印象。
 THE MOSTの本公演にオーディションをくぐり抜けて登場した若き音楽家の卵たち。彼らを1回のコンサートのソリストだけでなく、こうしたロビーコンサートのユニットに組み込んで経験を積ませる・・・福田さんの構想力には脱帽だ。

 彼らは恐らく今後も一流の教育者の元で研鑽を積み、コンクールなどにも出ていくのだろう。しかし、「音楽家として生きる」ということは、私のような素人聴衆の心を捉え、惹きつける能力が必要。一般の聴衆が音楽に感動する理由はそれぞれ、「もう一度身銭を切ってでも聴きたいか」を決めるのは、そんな掴みどころの無いもの。コンクールの審査員や音楽家の能力を見抜く目を持った専門家に評価されることと、一般の聴衆の心をつかむことの間にはかなりの開きがあり、おそらくその事を福田さんは分かっているからこそ、こういった舞台やチャンスを作っているのだと思う。


 残念ながら、2月19日の前橋汀子&松本和将のリサイタルと、THE MOSTのメンバーと岡フィルの夢の共演には、先の予定が動かすことが出来ず、聴きにに行けないのが悔やまれる。

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コメント 2

サンフランシスコ人

「新型コロナ感染症に罹患し....」

大変でしたね...

「1月の岡山フィルの1月定期は欠席....」

残念でしたね...

「前橋汀子....のリサイタル...」

サンフランシスコ交響楽団と共演したことがある思います....指揮は秋山和慶.....
by サンフランシスコ人 (2023-02-16 07:42) 

ヒロノミン

>サンフランシスコ人さん
 指揮は秋山さんですか・・・お二人共、大御所にしてパワフルにご活躍中です。
by ヒロノミン (2023-02-22 22:53) 

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