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アンサンブル・レ・ペッシュ [コンサート感想]

アンサンブル・レ・ペッシュ 郷土岡山が生んだ4人のオーボエ奏者による珠玉のアンサンブル


ヘンデル/オラトリオ『ソロモン』より「シバの女王の入城」
ヴラニツキ/2本のオーボエとイングリッシュホルンのための三重奏曲ハ長調
ヴィラ=ロボス/オーボエとファゴットのための二重奏曲
 ~ 休 憩 ~
モーツァルト/ディベルティメント第8番
ムソルグスキー/組曲『展覧会の絵』

板谷 由起子(広島交響楽団首席)
津上 順子(瀬戸フィルハーモニー交響楽団)
沼 佳名子(岡山フィルハーモニック管弦楽団)
近藤那々子(フランクフルト歌劇場管弦楽団首席)
児玉 光生(ファゴット、南西ドイツフィルハーモニー)

2017年7月21日 ルネスホール


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 会場は満員でした。勉強のために聴きに来た高校生たちが座る座席が無く、地べたに座らされているほどの満員。
先日の岡山フィルと言い、岡山のクラシック音楽界、盛り上がって来てます。

 それもこれも、このオーボエ4本+ファゴトット1本のアンサンブルのハイレベルなのを皆さんご存知だからだろう。


  1曲目のハイドンから、この5名の抜群のアンサンブルに夢見心地にさせられます。2曲目のヴィラニツキはモーツァルトの親友とのこと、作風はバロックの雰囲気を残しつつも典型的な古典派の作風で、聴きやすいうえになかなかの佳曲。この曲は板谷さん、津上さん、沼さんの瀬戸内海を挟んだ3つのオーケストラの奏者の共演となりましたが、長く仕事を一緒にしている仲間のように息がぴったり合っていて、特に和音の響きに魅了されました。
 3曲目のヴィラ=ロボスは、ドイツで活躍する2名による二重奏。2つの楽器が独立して動く場面が多く、丁々発止の掛け合いあり、超絶技巧ありの難曲の筈ですが、この2人にかかれば軽々と演奏してしまう。


 後半に入って会場はびっしり満員。モーツァルトのディベルティメントの和音も本当に心地よい、モーツァルト独特のメロディー末尾の洒落たトリルをサラッと演奏してしまうところがカッコイイ。
 そして最後は木管の室内楽としては大曲の「展覧会の絵」。ムソルグスキーのピアノ曲というよりも、ラベルのオーケストラ編曲版をベースにしているように思いますが、オーボエ、オーボエ・ダ・モーレ、イングリシュホルン、ファゴットだけで、これほどの色彩を生み出せるのか!と驚愕することしきり。
 印象に残ったのは、オーボエ・ダ・モーレ、イングリッシュホルン、ファゴットだけで演奏された「古城」のメランコリックな空気、そして近藤さんの技巧が光った「殻付きのひなの踊り」や「リモージュの市場」、あのラベルの編曲版の色彩がオーボエ属だけで見事に表現。コンサートとして大変満足度が高いばかりか、希少な経験をさせていただきました。
 次回も管弦楽曲ベースの曲を、敢えてのオーボエ属・ファゴットのみの演奏で聴きたいですね。

 アンコールに、津上さんのご子息の真音さんの編曲によるリベルタンゴ、次回は真音さん作曲の楽曲もプログラムに載せるそうで、これも楽しみです。

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