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マグノリア・サロンコンサート Ob:大森悠 Tp:秋月孝之 Pf岡純子 [コンサート感想]

マグノリア・サロンコンサート
オーボエ:大森 悠
トランペット:秋月 孝之
ピアノ:岡 純子

ヴィヴァルディ/2つのトランペットのための協奏曲ニ長調(Tp&Ob)
ハイドン/トランペット協奏曲(Ob)
サン=サーンス/歌劇『サムソンとデリラ』より「あなたの声で心は開く」(Tp&Ob)
モリコーネ/ミッション-ガブリエルのオーボエ(Tp)
コープランド/静かな都会(Tp&Ob) 

2016年12月10日 逸翁美術館マグノリアホール
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   昨日のセンチュリーの演奏が気持ち良すぎて昨晩は熟睡。目覚まし時計にも気づかず、ホテルのチェックアウト直前の11時まで寝てしまいました(笑)

 大編成の大フィルの翌日に、小編成のセンチュリーを聴き、最後は「室内楽なんかがあればなあ」と思ってアンテナを広げると、ありました!しかも、大フィルの秋月さんのトランペットと大森さんのオーボエが聴ける!ということで3連休の締めは、オーボエとトランペットとピアノという珍しい3重奏です。
 しかし、このお二人、昨日まで2日連続でショスタコーヴィチの10番を演奏していたんですよ(当然、トランペットもオーボエもハンパ無い出番の数々・・・)、オーケストラの奏者って本当にタフですよねぇ。
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 会場は阪急宝塚線池田駅から徒歩15分のところにある、絵に描いたような『閑静な住宅街』にありました。近くには阪急創業者の小林一三の邸宅もあることから、大正時代、大阪都心の煤煙と公害の都心部から、いわゆる田園都市を求めて逃れて来た裕福な人々のために作られた、高級住宅街開発の嚆矢となったところ。この、都心部と鉄道でつながった高級住宅街の開発ビジネスモデルは東急(田園調布)などに模倣されていく。

 コンサートは1時間程度の気軽な内容。しかし、演奏者は大フィルや関西フィルの首席級の奏者と、関西で名の知られた実力者ばかりで、どの回に行っても聴き応えのある内容。ホール内部は80席程度で、この出演者でこの人数では採算が合うはずも無く、阪急傘下の財団の持ち出しの事業なのでしょう。そして、それは阪急沿線の上品で落ち着いたイメージの維持に一役買っており、長い目で見ればペイできている。

 演奏の方は、このこじんまりとしたホールに響くトランペットとオーボエの音量はかなり強烈です。しかし、まったく耳障りで無く、お二人の吹く音色(ねいろ)に包まれる感じは本当に楽しい。
  秋月さんの音色は、秋空の抜けるような青空を思わせるような音。金管楽器なのに耳に障るような音が無く、木質感のある暖かい音がするんですよ。朝比奈晩年から現在までの録音を聴くと、特にブラームスやはりブルックナーの録音に、大フィルの音に溶け合いつつもあの暖かい音が聞こえてきます。
   大森さんが大フィルに入ったときは、その豊潤な音が衝撃的で(当時の大フィルにはいないタイプの音色)したが、一昨日の演奏でも、大フィルの木管のアンサンブルの中核といえます。今日のコンサートも、高音の抜けのいい素晴らしい音にため息しか出ません。

 今回のコンサートでは、通常オーボエが吹く曲をトランペットが、またはその逆を試みています。トークでは、オーボエとトランペットは倍音の構造や、息を送り込む管の狭さ、オーケストラの中では突き抜けた音を発する楽器で、よく似ているのでは無いか?ということで一つの実験を披露してくださいました。
 ベルリオーズの幻想交響曲の第3楽章冒頭、イングリッシュホルンとバンダのオーボエの掛け合い。このバンダの役を秋月さんがトランペットで演奏します。
 結果は、トランペットはやはりトランペットの音でしたが(笑)楽曲としての違和感は無く、音域や音の伸びはよく似ていました。
  演奏以外にも、話し出すと止まらなくなる大森さんのトークが面白く、こういう濃いキャラの方だったのか、という発見有り。
 アンコールはガブリエルのオーボエを、オーボエ&トランペットが交代で演奏。たいへん盛り上がりました。


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