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岡山大学交響楽団2016サマーコンサート [コンサート感想]

 会場は1・2階席はほぼ満席で3階席まで開放する盛況ぶり。演奏の方も、指導者の保科先生の持ち味でもあり、岡大オケの特長でもある「保科節」の効いた徹頭徹尾、表現主義の演奏に酔いしれました。

 土日に勤務日が割り振られる職場へ移動して以来、岡大オケを聴く機会も限られてきているのですが、久しぶりに聴いて、「こんなに呼吸を深くとるオーケストラやったんや」という再発見がありました。もちろん楽曲にもよるんでしょうが、プロのオーケストラでも「今日は窮屈だな、呼吸が浅いな」と思う事しばしばなので、学生オーケストラでそれが出来ていると言うのは素晴らしいことだと思います。

 1曲目のフィンランディアは、帝政ロシアの抑圧の場面ではひたすら重く、民族自決の場面では快活に、場面の描きわけが出来ていた。秋山さんのタクトも鮮やかで、強烈なクレッシェンドをかけて岡大オケの伝統を見事に継承していた。
 2曲目のペール・ギュント第1・2組曲。最後にサプライズが用意されていた。第2組曲第4曲の「ソルヴェイグの歌」でソルヴェイグに扮した、保科先生婦人:康子さんがソプラノで歌いながらステージの真ん中へ。ペール・ギュントの言葉を信じて、ずっと待っていたソルヴェイグの悲哀と、ペール・ギュントの帰郷を喜ぶ気持ち、色々な感情が表現されていて、これには涙を誘われずには居られなかった。前プロであれほどのカーテンコールが起こる事は珍しいのではないだろうか?オーケストラの方も、非常に難しい弱音部の処理も健闘していた好演だったと思う。

 メインはシェエラザード。保科先生の十八番の一つです。コンミスさんのソロがやはり素晴らしく、このソロを聞いてもらいたいがための選曲だと思いました。
 チェロ首席ののソロも見事。オーケストラの呼吸の深さは、この曲で前回となり、特に第4楽章ではダイナミクスの抑揚のスケールがだんだんと大きくなって、客席を高揚感で満たした。4つの楽章の場面の描きわけも見事。これなら、8月に予定されている京大オケとのジョイントコンサートでも、あの学生離れした京大オケに対しても充分に伍して対抗できるのではないでしょうか。

シベリウス/交響詩「フィンランディア」
グリーグ/ペール・ギュント第1組曲・第2組曲
 ~ 休 憩 ~
リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」 

・アンコールは雷鳴と電光

指揮:保科洋、秋山隆
ソプラノ:保科康子

2016年7月9日 岡山シンフォニーホール


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コメント 3

とお

youtubeでみました。
あまり詳しくはないのですが、トランペットが2人というのはよくあるのでしょうか?
2人とも女性奏者でホールにしっかり響くすばらしい演奏に涙がでてしまいましたよ。
by とお (2021-10-26 12:33) 

ヒロノミン

>とおさん
 コメントに今日、気づきました。返信が遅くなり申し訳ありません。
 シェエエラザードの動画、いい演奏ですよね。この曲のトランペットは2本だと思いますが。もしかしたら倍管で演奏することもあるかも知れません。
by ヒロノミン (2021-11-06 15:07) 

とお

この曲は2本なんですか。そういうものなんですね。
バイオリンのソロも、他のアマチュアの演奏と比べる違いがよくわかりました。すごいですね。
勉強になりました。

by とお (2021-11-11 00:35) 

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