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クァルテット・ベルリン=トウキョウ 岡山公演(1日目) [コンサート感想]

クァルテット・ベルリン=トウキョウ 2015来日ツアー 岡山公演(1日目)

シュルホフ/弦楽四重奏のための5つの小品
ラヴェル/弦楽四重奏曲ヘ長調
~Intermission~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第7番ヘ長調「ラズモフスキー第1番」

クァテット・ベルリン=トゥキョウ

 1stVn:守屋剛志
 2ndVn:モティ・バヴロフ
 Vc:松本瑠衣子
 Va:杉田恵理

 2015年3月3日 岡山県立美術館ホール

 詳しい感想はまた後日になりますが、いや~、これは聴き応えがありました。特にラヴェルの弦楽四重奏曲が出色で、過去に2回生演奏で聴いているのですが、これほど色彩豊かに、それも鮮やかにその色彩が移り変わっていく様を瑞々しく謳い上げる演奏は初めてです。

 今日の会場は7割ぐらいの入りで、これほどの演奏が聴ける(しかも格安の3,000円で!)のに大変に勿体ないです。明日は王道のプログラム(ドヴォルザークのアメリカに、シューベルトの死と乙女)ですから今日よりも入るでしょうが、もし仕事が早く上がれて当日券が出るようなら、行ってみようかと思います。

2015-03-03 21.01.57.jpg

(3月6日追記)

 やっぱり2日目も行ってしまいましたが、まずは1日目の感想・備忘録です。

 1曲目はシュルホフの弦楽四重奏のための5つの小品。小夜曲やチェコ民謡、タンゴ、タランテラなど、各地の民族音楽をまとめた作品。
 このシュルホフという作曲家、僕は初めて聴いたんですが、壮絶な人生を歩まれています。1894年生まれで時代的にはアルバン・ベルクとショスタコーヴィチの間の世代なんですが、反ナショナリズム・反全体主義を打ち出していたうえ、ユダヤ人ということで迫害を受け、1933年以降は作曲家としての活動を奪われたばかりか、1942年にはユダヤ人の強制収容所で亡くなっています。
 2ndVnのモティ・パブロフさんがユダヤ人ということもあって、このシュルホフがプログラムに挙げられたのかも知れません。この曲、傑作ですよ。ちょっとアイロニーが効き過ぎている部分はあれど、難解なところは少なく、聴き応えがありました。

 2曲目はラヴェルの弦楽四重奏曲。僕の大好きな曲で、この曲を聴くために1日目のチケットを買ったんです。この曲は1stVnとチェロが時折奏でる甘美なメロディーと、どんどん移り変わってため息が出るほど美しい和声進行が魅力的な曲。守屋さんと松本さんの甘美なソロも感情に流され過ぎず、非常に純度の高い音を披露。何よりも4人の合奏が眩いほどの色彩の移ろいを表現していて、頭がクラクラする。ラヴェルのカルテットを聴く悦楽を存分に感じさせてくれました。

 休憩を挟んでベートーヴェンのラズモフスキー第1番。こちらは前半とは表現方法が変わって、しっかりした土台の上に、ベートーヴェンの音楽が構築されている安心感があって、ゆったりとした気持ちで聴くことが出来ました。明るく力強い第2楽章は思わず体を動かしてしまいたい躍動にあふれ、第3楽章のベートーヴェン独特の内省的な世界もしみじみ聴かせ。第4楽章のプレストもかなり突っ込んだ演奏で、最後はベートーヴェンの崇高な和音を聴かせて終わる。充分に堪能しました。

 アンコールはシューベルトの若い時の作品。いや、ニクイです。この演奏を聴いて「こら、明日の死と乙女も聴かなあかんわ!」という気にさせられたんですから(笑)

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