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輝かしい未来へのエール ~八重の桜から~ [クラシック雑感]

 あまちゃんの快進撃とは対照的に、今年の大河ドラマ『八重の桜』が、視聴率では低迷しているようです。

 去年の『平清盛』もそうでしたが、自分が気に入っているドラマは得てして視聴率が悪いというのは、残念ではありますが、ネット上での感想などを拝見すると、ドラマ作品としての評価は決して低くないようなので、時が経ても残っていく作品ではないかと思います。製作者の立場の方は数字が欲しいんでしょうけど。
 ちなみにあまちゃんは毎回欠かさず見ています(笑)。大河のあとの時間帯になる半沢直樹は・・・役者が揃ってて面白いことは面白いですが(愛之助さん、最高!)、善悪が分かりやすすぎて、個人的にはう~ん、としか言いようがないですね(笑)

 『八重の桜』を見る前も、白虎隊の話や、それこそ「竜馬がゆく」、「翔ぶが如く」「最後の将軍」「新選組血風録」をはじめとした幕末歴史小説も、そこそこ読んできたので、この時代の会津の置かれた運命の過酷さは頭では分かっていたはずですが、この「八重の桜」を見て、歴史というのは視点を変えてみるとこれほどまでに見え方が違うのか・・・、と目からうろこが落ちる思いで見ていました。

 敗戦の屈辱と亡国の苦難にまみれた会津人たちが心に葛藤を抱えながら、やがて明治という国家の一員として新たな人生を歩んでいく姿というのも、毎回見ごたえがありますし、文字通り天皇が居なくなり、もぬけの殻になった京都再生に尽くした、山本覚馬・八重をはじめ、新選組で人斬りの限りを尽くした斉藤一が、佐川官兵衛らとともに西南の役で、西郷率いる『武士の残党』と戦う、今後も見せ場が多い。

 歴史は、見方を変えると全く景色も変わるし、ある一つの時点で勝者・敗者になっても、一方が勝ちっぱなし・負けっぱなしというわけではない。維新の元勲、大久保利通も暗殺されてしまうわけですし、逆に、いわゆる『賊軍』として薩長と敵対して戦った藩の中からは、福島からは野口英世が出たり、のちに登場する原敬や新渡戸稲造などは南部藩。坂の上の雲、の秋山兄弟や正岡子規も伊予久松藩、といったように明治の日本を支える人材を輩出したわけです。

 まあ、とにかく個人的には今年の大河は面白い!ということで・・・

 ここから本題。この八重の桜の音楽は、坂本龍一が手掛けているわけですが、その劇中の挿入音楽が素晴らしい!調べてみるとyoutubeにありました。「輝かしい未来へのエール」という題名のようです。

 

 新島襄が登場してからは、パイプオルガンの演奏にアレンジされた曲に変化したんですが、いや~そのパイプオルガン・バージョンがこれまた素晴らしいんですね。この曲を聴くたびに涙腺が緩んでしまいます。

 youtubeにオルガン奏者さんが演奏したものがありました。ドラマで流れているのはオーケストラが伴奏していますが、雰囲気は出ています。


 襄と八重は、これから四面楚歌の中、キリスト教の教えを中核とした同志社英学校を創っていくわけですが、オルガンで聴くと、その二人の想いと重なっていく感じがします。幕末・明治と二つの時代を包み込んでしまう楽曲を作曲した、坂本龍一の鬼才っぷりをあらためて実感しました。 

※追記:この「輝かしい未来へのエール」の作曲者は中島ノブユキさん、ということでした。訂正いたします。


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謎のお局

八重が地面に手を触れながら亡くなった人たちを思い出すシーンで
パイプオルガンの音色が流れた時にはジーンときました。
胸にしみますね。

by 謎のお局 (2013-09-10 19:24) 

ヒロノミンV

>謎のお局さま
 三郎の戦死の地を、襄と八重が訪ねたシーンですね。あの時の音楽はほんとうに奇跡のような響きでした。本当に胸にしみる曲だと思います。
by ヒロノミンV (2013-09-10 22:07) 

キチジロー

はじめまして。
パイプオルガンにアレンジされた「輝かしい未来へのエール」は
本当に感動的です。そう思いながら、itunesで探してみたのですが、
パイプオルガンバージョンはまだ出ていないようです。
それで、ネット検索していたら、こちらのページにたどり着きました。
ちなみに、この曲は中島ノブユキさんによるものだと思いますよ。
by キチジロー (2013-09-16 20:14) 

ヒロノミンV

>キチジローさん
 コメントいただき、ありがとうございます。
 「輝かしい未来へのエール」のオルガンバージョン、ドラマの挿入曲でこれほど心が洗われるような感動を味わったことはありません。素晴らしい楽曲です。
 作曲者の件、ご指摘ありがとうございました。テーマ音楽とのマッチングも抜群だったもので、勘違いをしてしまいました。
by ヒロノミンV (2013-09-16 23:31) 

カトナーク

久しぶりに聴いて心地よい涙を流しました。この大河をやってた3年前は体調を崩して長い休職を余儀なくされていたときで、転げ落ちていく会津藩に自分の様を重ねて地を這うような気分を味わっていました。でもそれはもう遠い思い出になり、これからの人生でこの曲を折々にかみしめて聴いていきたいな~と思います。CDも買っちゃいました。
by カトナーク (2016-08-12 04:34) 

ヒロノミンV

>カナトークさん
 コメントありがとうございます。
 最近のエントリーでも書きましたが、私も病気療養で苦しんだ時期がありました。過ぎ去ってしまえば、苦しい時に耳に馴染んだ曲も、いとおしい気持ちで聴くことが出来るようになるのですね。この曲は、私にとっても色あせない名曲だと思っています。
by ヒロノミンV (2016-08-15 21:52) 

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