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ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会 第10回 カルテットVION [コンサート感想]


 昨日は冬の晴れ間が広がりました。川の中流までウォーキングしてきました。IMAG0227.jpg

 

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IMAG0228.jpg  この辺の中洲は水鳥たちの楽園となっており、自然にあふれる隠れウォーキングスポットだ。奥に見えるのが岡山市街地の北部。岡山は少し郊外へ出るとこのように自然がいっぱい。改めて本当に住みやすい街だと思う。

 さて、コンサートの感想を。

ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会 第10回

シューマン/弦楽四重奏曲第3番
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第15番

カルテットVION
1stVn:阿曽沼和代
2ndVn:三上泰志
Va:山下徳美
Vc:西田毅弘

2013年1月19日 天神山文化プラザ第1展示室

 アマチュアの弦楽四重奏団のコンサートです。アマチュアとはいえ、小学校に入る前からの楽器歴の方や、地元アマオケの首席奏者、あるいは地元新聞社の音楽コンクールに入賞歴のあるような、実力の高い方ばかり。本当に弦楽四重奏の楽しさの神髄を感じられるコンサートでした。
 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲演奏会に取り組まれていて、今回が10回目とのこと。以前からずっと気になっていたのだが、なぜかことごとく日程が合わず(花火大会や、クリスマス、岡フィル定期と重なったり・・・『なぜにこの日程!?』ということが多かった・・・)、今回初めて聞いたのだが、これほど充実した演奏会とは!今まで聴かなかったことをひどく後悔した。

 シューマンの第3番は、第2楽章・第4楽章の演奏が印象に残った。次々と移り変わる表情を時に激しく、時に母性的に表現、この楽章って、交響曲第2番の第2楽章にビート感というかリズム感が似ていることを発見。第4楽章は自分が結構好きな楽章。躍動感に漲る演奏に心が躍った。

 ベートーヴェンの演奏も、集中力の高い演奏。5楽章、演奏時間50分からなる大曲で、家で鑑賞しているときは幾度となく途中で挫折する曲(笑)
 第1楽章の深い悲しみを湛えつつも高潔で毅然とした曲想に打ち震えた。この楽章の終結部は本当に壮大。宇宙的な世界が広がる感じがするのは第九の第一楽章の終結部と共通するものを感じ、弦楽器四丁でこんな世界を表現できたベートーヴェンのすごさを改めて感じた。
 第2楽章のスケルツォ的な楽章も、本当によくできた曲だなあと感嘆し、途中、バグパイプのような響きのところがあって、この部分の美しさを感じられたのは生演奏ならではだったと思う。
 第4~第5楽章の集中力の高い演奏も素晴らしかったが、一番心に残ったのは第3楽章。何か心が清められていくような、そんな白い世界が出現した。白い世界といっても純白ではなく、演奏会場がギャラリーで、実際に絵をバックにして演奏されたからそう感じたのかもしれないが、何度も何度も書き直されたキャンバスを、白く塗りつぶしていくような、そんな白い世界。人生の酸いも甘いも、喜びも悲しみも、すべてが洗い流されて純粋なものへ昇華していくような音楽。やっぱりベートーヴェンは凄い!それを感じさせてくれたカルテットVIONの皆様に感謝。

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 アンコールは、ベートーヴェンの若い時に書かれた小品。非常にかわいらしい作品で、VIONの皆さんのベートーヴェン愛を感じることができました。次回もぜひ行かせていただきます。


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