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岡山マラソンって必要? [岡山]

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『総社市長、岡山のマラソン中止要望   吉備路マラソンとの競合指摘』

この件に関する総社市長のブログ 

 東京マラソンに端を発する都市型マラソンブーム。大阪・神戸の大成功を目の当たりにして、3匹目・4匹目のどじょうを目論んで、岡山マラソンは計画されているのだろうと思う。大会規模は15000人程度とのこと。
 それにしても2014年というと今から2年後だ・・・。なんだか悠長な話だな~

 一方、1981年以来の歴史がある「そうじゃ吉備路マラソン」。総社のマラソンと岡山のマラソン、別にそれぞれで開催すればええやん、と思われそうだが、そもそも吉備路マラソンは、岡山県の財政難による支援の大幅削減が一因となって2003年に一度中止された経緯がある。その後、総社市や関係者の努力が実り、2009年に再開された。総社市としては、「県庁はカネが無い無い、といって梯子を外したのに、都市型マラソンがブームになるや否や、ポンとお金を積んで岡山でマラソンをするなど、あまりにも調子がよすぎるのではないか?」という、納得のいかない部分があったのだと推察する。

 岡山市街地での都市型マラソンには様々な課題があるようだが、一番の問題は、開催日の交通が完全にマヒしてしまうことだろう。東京や大阪、神戸であれば、地下鉄などの鉄道網での移動手段が担保されているが、クルマ社会・バス社会の岡山での開催となれば、完全に交通網はマヒしてしまうだろう。

 それから岡山で都市型マラソンとしての『風景』に、全国のランナー達が魅力を感じるのか?という疑問もある。東京・大阪・神戸は普段の道路はクルマと人であふれ、人々の日常の足は縦横無尽に走る地下鉄などの鉄道網である。そんな大都市の道路を交通規制し、当日はランナー達で溢れ、普段はスーツを着て満員の地下鉄で移動していた人たちが、自分の足で街の風景を見ながら走る。日常の舞台が究極の非日常舞台 になる、そのギャップにこそ魅力があるのだろうと思う。
 東京マラソン、大阪マラソンは、語弊はあるかも知れないが、大都市の日常生活に吹きだまったストレスを発散するところに、イベントの原動力があるのだと思う。東京や大阪の平日ラッシュ時の道路や歩道を歩こうものなら、地方暮らしの自分なんかはヘトヘトになってしまう。岡山に帰ってると、抜けるような空と目に入る街路樹、程ほどの人どおりにホッとするものだ。
 岡山は道路も広いしビルの背丈も低い。別に交通規制などしなくても走ろうと思えれば走れなくはないし(信号には引っかかったりするだろうが)、普段から「晴れの国」と言われる真っ青な広い空が堪能できる。
 そんな岡山市内でマラソンを開催するとなると、西川緑道公園沿いや旭川・後楽園沿いを走れば、なかなか魅力的なコースが設定できそうだが、どうも現状の計画ではビルや大通りを通り、県庁や市役所、地元新聞社・放送局の目の前の通りを通したがっているフシが見受けられる。 

 さらに言うと、2014年に現在のような都市型マラソンブームが続いているだろうか?そのブームは長期間持続する、ものなのだろうか?現在は東京マラソンは定員の10倍の競争率を誇っており、それに溢れたランナーたちが各都市のマラソンに分散エントリーしているようだ。しかし、このブームがいつまで続くかは全く未知数。

 以上の問題に加え、私が一番気になるのは、成功されたフォーマットをそのまま移植すれば、地域の活性化が出来るという役所の、かなり安易とも思える発想だ。

 そうじゃ吉備路マラソンのコースを見てみると、桃太郎と温羅伝説の舞台の鬼の城を眺めつつ、国内最大級の作山古墳や造山古墳などの古墳群、備中国分寺の五重塔など、岡山県南の古代の歴史舞台のど真ん中にコースが設定されている。県外(兵庫県)出身の自分からすると、岡山市街地を走るより、こちらの方がマラソンの舞台としては、よほど魅力的だと思う(過去に10kmコースで出場経験あり(笑))
 じっさい2012年の大会では14400人ものランナーが吉備路を堪能した。

 何年ブームが続くか分からない都市型マラソンに巨費とエネルギーを投入するよりも、ブームを横目に10年先20年先を見据えながら、まさに岡山の歴史の舞台で開催され、そのイベント自体にも歴史がある大会を根気良く育てていく方が、長期的に見れば地域活性化につながるのではないか?
 「えっ!都市型マラソン!?あー古い古い。これからの時代は歴史マラソンだ」と、東京や関西の流行を余裕で否定するような気概が持てないだろうか。

 都会のアイデアを地方が真似しても、言葉は悪いが田舎くさい二番煎じになるだけで、決して一目置かれるイベントにはならない。東京をキャッチアップしようとしている(その裏返しの劣等意識を持っている)限りは、オリジナルの魅力は備わらない。その地方にしかない特色を生かして、汗水垂らして、頭を捻って作りあげ、守り育てていくことこそ重要なのだと思う。

 


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としゆき

私は5キロ走るだけでも、すごいと思いますが…。
福山~今治間で、福山城から今治城まで、しまなみ海道を走る、100キロマラソンってのがあるのを思い出しました。マラソンが趣味の職場の先輩がわざわざ遠征に来てましたから、マラソン好きな人は全国各地を巡ってるんですね。
あと、実家の和歌山市でもジャズマラソンってのがあります。地方では、むしろ自然や歴史文化こそ見るべき(走るべき)と思います。
by としゆき (2012-12-13 23:37) 

ヒロノミンV

>としゆきさん
 コメント感謝します!たぶん誰も反応してくれないやろうなあ・・・と思っていたもので、大変うれしいです。
 しまなみ海道の100キロマラソンはうっと続いているんですね。風がある時は大変だとききますが、しまなみでないと味わえない解放感ですよね。

>むしろ自然や歴史文化こそ見るべき(走るべき)と思います。
 そこのところ、地元の関係者はあまり解っていないのではないか?と感じる事が多いです。地元で生まれ育ち、働いていると足元にある魅力には、あまり目が向かないようです。
by ヒロノミンV (2012-12-14 21:13) 

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