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ベイヌムの鮮やかな音楽 [NML]

 この週末はベイヌムの音源を色々と聴いています。

 きっかけは「指揮者の役割 ヨーロッパ三大オーケストラ物語」(中野雄 著)という本。



指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語 (新潮選書)

指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語 (新潮選書)

  • 作者: 中野 雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/09
  • メディア: 単行本



 本の感想は、また後日に譲るとして・・・。その中のベイヌムに関する記述を興味深く読んだ。壮年期の突然死、戦後のACOを救った救世主・・・色々と前知識はあったけれど、ベイヌムについて詳しく書かれた記述を読んだのは、これが初めてだったかもしれない。真面目で音楽的才能・センスに溢れ、人望も高い。カラヤンと並ぶ、いやそれを凌駕する逸材・・・こんな記述を読むと、一度聴いてみようと思わないほうがおかしい。

 困った時のNML(ナクオス)・ミュージック・ライブラリーということで、ベイヌムの音源を捜索。まずはACOとの幻想交響曲。これは録音があまりよろしくなかったが、非常に機動力の高い演奏で、現常任のヤンソンスを思わせるスピード感だった。
 次は、モーツァルトの『ポストホルン』セレナーデと交響曲29番。これを聴いて驚いた!なんという芳醇なハーモニー、スピード感もあって、しかも弦楽器がとてもたおやかで美しい。なるほど、これはカラヤンの対抗軸をはる演奏というのは頷ける。一方で流線型の音楽作りのカラヤンに対して、ベイヌムは楷書体の音楽作りといった、折り目正しさが印象に残る。
 もしかしたら、中高生の頃に名盤の誉れ高いブラームスの1番は聴いているのかもしれないが、ベイヌム=剛毅な演奏、というイメージを持っていた。いざこうして聴いてみると、結構僕の好きなタイプの演奏やん!という感じ。

 つぎはフィルハーモニア管とのベートーヴェンの交響曲第2番/第7番を聴く。いやあ、これは重厚なベートーヴェンです。そして、音色が明るくて鮮やか。いくら全盛期のフィルハーモニア管とはいえ、これほど鮮やかなベートーヴェンがこの時代の録音で聴けるとは・・・
 
 NMLで満足せずに、CDとして買ってしまいそうです。ステレオ録音だったら、買いなんだがなあ・・・
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