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【ラジオ放送】NHK交響楽団4月公演 指揮 大植英次 [ストリーミング]

 N響の4月21日サントリーホール公演の模様が5月6日にNHK-FMで放送された。

ベストオブクラシック サントリーホール4月21日公演▽N響演奏会 指揮 大植英次

グリーグ/2つの悲しい旋律
ショスタコーヴィチ/ピアノ協奏曲第1番ハ短調
(ピアノ独奏)阪田知樹、(トランペット)長谷川 智之
シベリウス/交響曲第2番ニ長調

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 リアルタイムの放送では聴くことができず(連休明けでクソ忙しかった!)、シベリウスの2番から翌日の通勤中に聴き始めた。
 当日のコンサートに行かれたブロガーさん達の感想から、カーテンコールが鳴り止まずに、指揮者の一般参賀まで見られるようなすごい演奏だったことは知っていた。
 それでも第4楽章の後半から、車を運転しながら涙が溢れ出てしまい、最後のコーダの部分で顔がクシャクシャになってしまった。心が打ち震えるような感動、というよりも、時間が止まったような世界に身をおいて、感受性のキャパシティで受け止めきれないものが瞼から勝手に溢れ出てくる感じだった。

 この土日はなんども、大植&N響のシベリウスを聴いているが、N響と大植さんは22年ぶりの共演ということで、ほとんどのメンバーが初顔合わせ、にも関わらず、これほど人馬一体の演奏を(恐らく)わずか3日のリハーサルで見事に表現したという点は、驚異的なレベルの対応力だと思う。

 テンポがゆっくり目でピアニッシモが続くような場面では、一つ一つのフレーズを慈しむようにゆっくり表現され、並のオーケストラなら演奏が止まるんじゃないかと思われるような極限の表現を求められても、余力を感じさせる危なげない、緊張感も途切れない驚異的な繊細さで持って表現されていた。

 テンポが早くなって音楽が高揚する場面では、指揮者の意図するところを深い共感をもって汲み取り、一つの生き物のように一体となって、まったく遺漏なく棒についていく。最後の後光がさすような弦のトレモロ(すごい音が出ていた、会場で聴いた人は凄かったろうな)の中から金管の息の深いコラールが聴こえてきた瞬間はまさに『魂の昇天』といえるような感覚になった。


 放送の解説に入ったロシア音楽学者の一柳富美子さんが、感動して声が震えながら「もう本当に体の震えが止まりません!本当に良かったです。途中、溜めて溜めて最後にピークを持っていくその道筋、そして到達した後の恍惚感も本当に素晴らしく、(涙声)はあ、感動しました」と言っていたのが印象的。

 今のN響は本当に超一流のオーケストラだと実感した放送でもあった。

 TV放送は6月13日(日) 午後11:20から、NHKーBSのBSプレミアムシアターで放送されるようです。気になる方はぜひ!
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 前半のグリーグとショスタコーヴィチの感想はTV放送後に追記します。後半のシベリウスもオケと指揮者とのコミュニケーションがどのように展開されていたのかを見るのが本当に楽しみ!!

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