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ありがとう!初代岡フィル首席ホルン奏者、梅島さん [岡山フィル]

 すでに一部の岡フィルファンの間でも話題になっていますが、岡山フィルの首席ホルン奏者の梅島洸立さんが退団し、現在は山形交響楽団の首席ホルン奏者として活躍しています。

 彼が首席奏者の試用期間中に演奏したチャイコフスキーの交響曲第5番の演奏を聴いて、「こんなに腕がある人が岡山フィルに来てくれるんだ」と思い、また、同じ年の第九での多彩な音色を操りながらの安定した演奏に「これほどの達者な奏者、いずれ他の有力オーケストラに移籍するだろうな」と、別れが遠くないことを予感し、限られているであろう彼のホルンを聴く機会を大事に聴いてきました。

 岡山フィルはコンサートの都度、演奏報酬を支払う形態で、常勤雇用ではありません。芸大大学院を卒業したての若者が充分な自己投資の資金を確保しつつ生活していくには厳しい環境でしょうね。ましてや、彼ほどの若い実力のある音楽家は、それに見合う報酬(月給)と待遇のもとで実力を発揮するべき。だから、彼が国内有数の評価を得ている山形交響楽団へ常勤雇用で採用されたことは、寂しくはあるけれども、心から良かったと思っています。

 彼の演奏の一番の思い出は、岡山フィルが初めて演奏したブルックナーでの演奏。

 冒頭の安定したソロ、第1楽章終結部のホルン隊を率いての高らかに響き渡ったフォルテのホルンの合奏。あるいは第3楽章、第4楽章での熱演。
 30年近くこのオーケストラを聴いてきて、ようやくブルックナーが定期演奏会で取り上げられた。彼のホルン無しには、「岡フィル初めてのブルックナー」があれほど印象深い演奏になることはなかっただろう。

 梅島さん、本当にありがとう。出来ることならばコロナ禍がない状態で、彼のホルンの音をもう1回聴きたかったなあ。

 移籍先の山形交響楽団では、早速地域密着の活動を始められているようです。

 岡山の山陽放送でのドキュメンタリー番組でも、彼の愛嬌のある、でも音楽に真っ直ぐに向き合う姿が描かれていて、あの番組がきっかけで岡山にも彼のファンがたくさんいたんですよね。山形の人々に絶対可愛がられるでしょうねぇ。
 いつか、落ち着いた時期に岡山に演奏に来てください。

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