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岡山フィル定期演奏会マイシートのチケット差し替え [岡山フィル]

 かなり時間が経過してしまいましたが、今回のコロナ禍と岡山フィルの対策の記録として書き残しておこうと思います。
 先月の下旬頃に電話にて定期演奏会マイシートの座席振替について打診があり、もちろん事情は理解しているので快諾。7月2日に振替後のチケットが送られてきました。
 振替後の座席は1席横に移動しただけとなり、自分としては全く異存のない変更でしたが、1階席の中央部分の人気のあるエリアは、おそらく振替に苦労したのでは?と思います。
 旧チケットは青色基調のデザインだったが、振替後はピンク色のデザインのものに差し替えられ、聴衆も主催者もわかりやすい配慮がされていました。旧チケットは返信用封筒に入れて事務局に返却します。この手続は事務局にもたいへんな手数がかかっているだろうと思う。
 京響やセンチュリー響などでは座席変更券を別途配布して、旧チケットと一緒に会場で提示する方式(京響では券面にQRコードを刷って、入場時にかざしてチェックインする方式らしい)が採られているようですが、全く違うデザインのチケットに交換するほうが間違いは無いと思います。
 同封物の中に、「来場のお客様へご協力のお願い」と書かれたものがあり(ホールのHPにも記載あり)、「発熱の場合は来場見合わせ」「マスクの着用と咳エチケットの徹底」「客席内やロビーでの会話を控える」「ブラボー禁止」などなど、一般的な対策について注意喚起がなされていましたが、一つ注目する記述がありました。
 それは、入場時のチェックで「37.5度以上の発熱」があった場合には払い戻しをする旨の記述があること。コンサートのチケットは主催者側の都合ではない限りは払い戻しは行わないのが通例であり、ベルリン・フィルやオペラ公演など数万円以上の公演には事故や病気などの場合に備えた払い戻し保険が存在します。感染が疑われる人を入場させないための、この時期だけの特例措置だと思われます。
 そして「分散退場」についての記述もあった。他のホールでもブロックごとやの退場を促して、密集を避けるための措置が採られていますが、岡山フィルの場合も定期演奏会は定員の50%以下だとしても900人以上の入場者がおり、岡山シンフォニーホールは間口の狭い出入り口が一箇所しか無く、分散退場の方式が導入されるものと思います。私自身はコンサート後は余韻をゆっくり味わいたいタイプなので、退場まで少々待つのは気になりません。
 なお、この分散退場については、すでに東京や関西のコンサートでは定着しているようで、退場待ちをする聴衆と演奏終了後のオーケストラ楽団員との間で余韻を共有する(拍手や会釈を交換するなど)ような場面もあるようですね。
 この他にも注目されるのは、「休憩時間」の取り扱い。「休憩のとり方」をめぐっては、2通りの考え方があって、短めの演目を並べてこまめに休憩を入れるパターンと、休憩時間を設けず、トイレ等以外の用事を除いてホール入場から退場まで自席で過ごしてもらうパターンがあるようです。
 こまめな休憩パターンは、ホール内やステージ上の換気や消毒が行えるメリットがありますが、休憩時間中の客同士の接触により感染の可能性が発生する。休憩なしパターンは、入退場も分散入場・退場を徹底すれば、客同士の接触を極力減られられるが、客側としては窮屈な思いをしなければならない。
 私自身は、クラシック音楽のコンサートは自席で黙って耳を傾けて聴くスタイルのため、音楽・舞台・スポーツなど数あるイベント興行の中でも、最も感染リスクの低い興行だと思っています。感染リスクが上がるのは、入退場時と休憩時間だけだろうと思います。
 とすればより安全性を追求すれば、休憩時間中の接触までコントロールする休憩時間なしパターンの方が利点があるのでしょうが、分別のある大人が集まるコンサートで、そこまでコントロールすべきかというのは議論の余地がありますね。
 
 休憩なしパターンを進めている代表格の京響は、本拠地の京都コンサートホールがトイレが集中型配置になっており、1階席の裏の半地下のトイレに聴衆が集中しやすいという構造上の問題がありそうです。岡山シンフォニーホールは各階のL側R側それぞれにトイレがあり、クロークや喫茶、物販も閉鎖しているとなれば無用な密集は起こりにくい気もします。休憩時間の取り扱いはこうしたホールの特性も考慮に入れる必要がありそう。
 次回のエントリーでは、岡山フィルのプログラムや日程について整理しておきたいと思います。

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ライヴ配信:ノット&東響の「リモート指揮」東京オペラシティシリーズ第116回 [ストリーミング]

 コロナ禍の中での演奏活動を進めていく中で、世界各地のオーケストラは様々な課題に挑んでるが、今回のジョナサン・ノット指揮東京交響楽団のニコ生での配信を見て、「ついにここまでやったか!」ととても驚いた。
 指揮者の位置に置かれた4台のモニター。それを見ながら楽団員たちが演奏する・・・。指揮台に立つはずだったジョナサン・ノットは東京にも日本にも居ない。
 経緯については、東京交響楽団のホームページに書かれていますが、音楽監督のジョナサン・ノットが来日出来るよう手を尽くしたが、それが叶わず、代役を立てるか指揮者無しで演奏するかなど様々な可能性を検討した結果、前半のブリテン/ブリッジの主題による変奏曲は指揮者なしで演奏、後半のドヴォルザーク/交響曲第8番は、ノットのスイスの自宅で滞在中された指揮映像を見ながら演奏する、という前代未聞・空前の方法で挙行することになった。
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 これはオーケストラ側にとっては、全く割に合わない。指揮者の大きな仕事は2つあって、1つ目は演奏のディレクションを決めて、オーケストラから最高のパフォーマンスを引き出すこと。これはある程度はリハーサルなどで徹底できるだろう。もう一つは演奏上の危機管理。何か起こったときに事態を収拾し軌道修正する役目、場合によっては最終的に責任を被る対象として存在する。今回の録画映像による霜ーと演奏では2つめの役割は期待できない。当然、危機管理はオーケストラが自分たちで行わなければならず、とりわけコンサートマスターには想像を超える負担となる。
 指揮者側も無人の空間を前にして、頭の中でオーケストラの音を鳴らしながら40分近い指揮を続けるのは、相当な集中力と熱意が必要だ。
 ネット上では驚きの声があがるとともに、概ね好意的な意見が多かったが、クラシック音楽ファンの間ではこのやり方に批判的な声が上がっていた。それはる当然の意見でもある。しかし、自分の動画を見ての感想は、とてもエキサイティングで叙情的な心揺さぶられる素晴らしい演奏だった、ということ。
 確かに、オーケストラが熱が入って走って行きそうになるのを、ノットの指揮に合わせてセーブするような場面はあった。もし生身のノットが指揮していたら、そのままの勢いに任せたかも知れないとも思った。
 しかし、指揮をメトロノームにとどまらせず、動画上のノットが見せる仕掛けに的確に反応し、ノットの設計図に沿いつつも、よく歌い・躍動する。最終的にはオーケストラが主体的に音楽を作っていっている様子がよく判り、オーケストラ側にとっても非常に収穫のある演奏になったことがよく判った。
 これはどこのオーケストラでも出来ることじゃなくて、ジョナサン・ノットと東響が6年間の時間をかけて作り上げてきた関係、それも信頼関係なんていう言葉では内包しきれない、ある種の反駁や軋轢も含んだ共同作業のなかで培われた緊張的信頼関係の成果なのだろうと思う。終演後にスイスで演奏を聴いていたノットの会心の笑みに対して、「俺たちはここまでやった!」という楽団員の表情が印象的だった。
 ジョナサン・ノットは世界の指揮者の中でもトップ20に入る実力派指揮者であり、バンベルク交響楽団とのマーラー演奏などは今世紀最高のマーラーとの評価も髙い。そんなノットの日本のオーケストラとの試みは、世界のクラシック演奏の歴史の中で、確実にマイルストーンとなる演奏になったと思う。

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山陽放送ラジオの新番組「ブラヴォー!!岡フィル!! もっとクラシック」 [岡山でクラシックを楽しむ]

 我が地元の岡山フィルもコロナ禍の影響をモロに受けて、定期・特別演奏会は3月~7月まですべて中止・延期となり、おそらく依頼公演も壊滅状態になっているのではないかと思います。そんな中で岡山フィルも、逆境を打開すべく過去の定期演奏会の動画配信やtwitteのアカウント開始(と同時にバズるww)。加えて地方紙の山陽新聞とのコラボ企画(これについては、また稿を改めまして・・・)など、オーケストラの存在感を高めるために頑張っているようです。

 そんな中で明日から山陽放送ラジオでの新番組「ブラヴォー!!岡フィル!! もっとクラシック」が放送開始されます。(毎週日曜日15:30~16:00)。
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 第1回目の放送は音楽主幹の野村俊一さんが出演され、岡山フィルの秋以降の活動復帰に向けてた情報もあるのではないかと期待して聞きたいと思います。

 オーケストラの冠ラジオ番組って、たぶんあまりなくて、90年代にKBS京都でやっていた「京の響(みやこのひびき)」ぐらいしか記憶にないですね。あと、広島の中国放送が日曜日の情報番組の中で「広響アワー」というコーナをやっていたぐらいで、これも今は無くなっている(と思う)。
 AMラジオの主要リスナーは仕事や農作業、家事などをしながらつけっぱなしで聴いているリスナーでしょうか。そういったリスナーがセレンディピティとしてクラシック音楽や岡山フィルに出会う可能性が広がります。
 また、私も自分の出身地の関西のラジオ局をよく聴きますが、山陽放送の番組でも東京や関西在住の岡山県人のリスナーのメールが多く紹介されていて、郷土を懐かしんで聴いている岡山出身のリスナーに『岡山のプロ・オーケストラの音』を聴く機会を提供できるのは大きなメリット。
 番組紹介を見る限りでは楽団員や関係者と奥富さんとのトーク主体で作っていく番組になるようですが、私としては演奏音源をどんどん取り上げていって欲しいなあと思う。
 この20年でAMラジオは大きく変化しました。ステレオ放送の開始とAM/FM放送のダブルトラック化、極めつけは全国(全世界)どこでも聴くことが出来るネットストリーミングサービス「radikoプレミアム」(有料)の導入で、かつてのAMラジオの弱点は完全に克服され、岡フィルの演奏を高音質で聴かせることも可能な環境にあります。
 私自身もAMラジオ局のFM波放送をミニコンポで聴いたり、radikoの音源をネットワーク・オーディオ・プレーヤーでスピーカーに繋いで聴いたりしていて、かつてのAMラジオの音とは様変わりしました。私が「ブラヴォー・岡フィル」に目指して欲しいのは、朝日放送の「ザ・シンフォニーホール・アワー」。この番組は音楽をかける時間も充分に採られていて、AM/FM地域ラジオのクラシック番組の理想形と思います。自分の母はクラシックを好んでは聴きませんが、この番組と夕方のメモリーズ・オブ・ユーをよく聴いています。有名な楽曲や映画音楽・スタンダードナンバーをオーケストラで聴きたい、という需要は確実にある。そんなライトなクラシックファンが楽しめる演奏音源を作るためにも、岡フィルには定期演奏会に加えてスクリーン・ミュージックやクロスオーバーのコンサートを増やさないといけませんな(笑)

 一つ悩ましいのは、全く同じ時間帯に、NHKのクラシック音楽バラエティ番組「✕(かける)クラシック」日曜14:00~15:50)や、同じく地元岡山の音楽家を紹介するレディオMOMOのクラシック音楽番組「ルネスホール 夢は世界へ」(日曜15:30~16:00)と放送時間がかぶっているということ。

 でもまあ、これは今の時代はさほど問題でもなくて、「ブラヴォー!岡フィル!」はradikoもしくはラジオ録音アプリ、「✕(かける)クラシック」はradikoのタイムシフト再生非対応なのでミニコンポで録音。「ルネスホール 夢は世界へ」もradiko非対応のため、ラジオ録音アプリで録音して楽しもうと思っています。
 日曜日には、朝はABCの「ザ・シンフォニーホール・アワー」、深夜にはFM大阪の「おしゃべりマガジン くらコレ」など関西の放送局の番組もあり、ラジオを聴く楽しみがどんどん拡がっていきます。

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