SSブログ

岡山フィルの第九は別プログラムに変更 [岡山フィル]

 やはりというか、仕方がないですが、岡山フィルから早々と今年の第九を中止し、別プログラムへの変更が発表されています。
 合唱については、国内でもクラスターが発生していますし、オランダではアムステルダム・コンセルトヘボウでのヨハネ受難曲のコンサートで合唱団130人中102人が発病し、4人が死亡するという巨大クラスターが発生しています。

 学生合唱団のような感染リスクが低く、均一性の高い集団の合唱団であれば、対策を講じれば開催は可能かもしれませんが、第九の合唱団は高年齢者も多そうだし、様々な職域の人々が集まった合唱団なので、感染リスクの管理は不可能でしょう。ワクチンや抗ウイルス薬が流通するようになるまで開催は難しいのではないでしょうか。
 第九の代替プログラムは、指揮者は当初予定されていた川瀬賢太郎氏で、ベートーヴェンの交響曲第5番と第7番ということで、これはこれで楽しみになってきました。

nice!(0)  コメント(0) 

特別首席ティンパニ奏者に近藤高顕さんー岡山フィルの体制整備進む [岡山フィル]

 岡山フィルの今年の賛助会費納入の案内資料(PDF)の楽団員紹介ページによると、新たに特別首席ティンパニ奏者に、日本を代表するティンパニ奏者(元新日本フィル)の近藤高顕さんが掲載されていました。
 これには驚愕しましたね。
 昨年10月の定期演奏会のブルックナーで「影の指揮者」ともいうべき活躍を見せてくれた近藤さん。

 「ドイツものをやるときは、また客演してほしいな」と淡い期待を抱いておりましたが、なんと岡山フィルの正規メンバーに加入という・・・。
 朝比奈隆&新日本フィルのブルックナーのDVDを見たとき、オーケストラの音楽をグイグイ主導しているティンパニに痺れました。ロールの場面でも、私のような素人にさえしっかりとした拍動が感じられて、オーケストラの他のパートが近藤さんの音を道標にしている様子が感じられます。
 そして最近出版された、近藤さんの著書を読んで、ベルリン・フィルのフォーグラーと師弟関係にあり、本格的なドイツの奏法に精通した方だと判り得心。
 近藤さんの著書を読むと、ベルリン・フィルの団員さんとの親密な交流があり、もしかするとシェレンベルガー氏とはベルリン・フィル時代からよく知る仲なのかも知れません。
 今年度の岡フィルのプログラムを見ると・・・
 お願いだから中止にならないでよ!
 そして、もう一つ注目なのが、コンサートマスターの増強。高畑首席コンマス、近藤コンミスの現体制に加えて、ベテランの入江さん、比較的若手の田中さんと長坂さんの3名がコンサートマスターに加わっています。
 岡山フィルの規模(10型2管編成)のオーケストラでコンサートマスターが5人も居る、というのはあまり聞いたことがなく、これをどう判断したらいいかは現時点では判りませんが。一つ予想されることは、コンサートマスターと言っても、定期演奏会では5人とも乗ってもらう事が予想されます。というのも新たにコンマスに加わるお三方は、欠かしてはならない岡山フィルの中核メンバーであり、定期演奏会でこのお三方の降り番をつくる余裕は無いはず。かといって全員が乗ったとして、そうすると3列目までコンマスが並ぶ・・・ということになるのだろうか?
 何にしても、コンサートが無事に開かれるようにならなければ、新体制の効果を聴くこともままならないわけで、Covid-19が収束することを祈るばかりです。  

nice!(0)  コメント(0) 

NHK中国 ラウンドちゅうごく「コロナでもつながりたい 注目!オンライン」

 NHKの中国地区で放送されているドキュメンタリー番組「ラウンドちゅうごく」。先週のテーマは「コロナでもつながりたい 注目!オンライン」でした。

==============================================

「コロナで大変なこんな時だからこそ元気を出そう!」そこで番組が注目したのがオンライン。自粛が求められる中、知恵と工夫で乗り切ろうとする中国地方の人々をリポート!

新型コロナウイルスにより外出自粛が求められる日々。そんな中で人と人とのつながりを求める人々が注目するのが「オンライン」。リモートラジオ体操やオンライン運動会、オンラインスナックなど、コロナの中、知恵と工夫でつながりを保とうとする中国地方の今をリポート。さらに活躍の場を失っているアーティストたちのメッセージを広島交響楽団の演奏に乗せて紹介。「こんな時だからこそ元気を出そう」というメッセージを送る。

==============================================
 番組後半に自粛要請の中で仕事の停止を余儀なくされている、文化芸術の担い手の人たちの現状とメッセージが放送され、その中心的な題材に広響が出ていました。

DSC_0231.JPG
 YOUTUBEの広響ちゃんねるの楽団員が演奏する様々な企画(板谷さん(ob)、森川さん(fl)&インコのさくらこちゃんも出演!?)が紹介され、その後にチェロのマーティンさんのバッハ/無伴奏チェロ組曲第1番の第1楽章をの演奏をバックに、石見神楽、広島市に拠点を置く劇団、ライヴハウスで活動するロックバンド、真備の人形劇団などの状況とメッセージが流れ、見ていて結構、心にグッと来るものがありました。
 COVID-19を克服したら、僕もクラシックだけじゃなくて、色々な舞台芸術にでかけたいなあ、と思いますね。

nice!(0)  コメント(0) 

岡山フィル動画:2019年10月定期のブルックナー4番 [ストリーミング]

 『数ある交響曲の中で、最高の交響曲とは何か』という問いに対しての答えは、例えばベートーヴェンと答える者、いやマーラーだ、ブラームスだ、様々おられると思いますが、ブルックナーの交響曲こそ、最高の交響曲だと答える人はかなりいるだろうと思います。ブルックナーの交響曲が描き出すスケールの大きさは古今東西の交響曲の中でも比類ないもので、それだけに指揮者やオーケストラの能力、それも技術力だけではなくて造形力・構築力を試される楽曲であることも誰もが認めるところだと思います。
 昨年、岡山フィルがついにブルックナーの交響曲第4番を定期演奏会において取り上げ、非常に感動的な演奏を披露してくれました。私だけではなく、拙ブログでのコメントやSNS等においても、その熱演について好意的な意見表明がなされたことは記憶に新しいところです。
 当日の私の感想はコチラです。

 その岡山フィルからこのブルックナー/交響曲第4番の動画が配信されています。
 YOUTUBEの音源は、オーディオ装置よりもヘッドホンやイヤホンのほうが聴き取りやすいですね。私はもっぱらヘッドホン(SONY MDR-7506)で聴いています。

 こうして動画で聴いてみると、当日会場では気づかなかった演奏の傷が結構みられて、やはり岡山フィルは技術面ではまだまだ発展途上のオーケストラだなあ、と思った一方で、そんな演奏の傷をものともしないようなアポロン的な造形の見事さ、一つ一つ丁寧に紡ぎ出されていく丁寧な仕事から「ハットする美しさ」「しみじみと味わいたくなる美しい響き」に溢れていて、やはりふたたび感動を覚えてしまう。
 この演奏の何が自分を感動せしめるのか。それはこのオーケストラが発する、何のために演奏し、どこに向かっていくのか・・・。そのメッセージに強さなのではないかと思います。私の答えは「歴史を造るため」「この街の未来に財産を遺すため」なのですが、一人ひとりの演奏者や聴衆の答えは微妙に違うかも知れませんが、昨日から今日、明日へと続いていく日常の中で、ただ1回のコンサートという偶然性の奇跡に、一歩一歩あゆみを止めずに前に進んでいくことで、より良い明日が開ける必然性の軌跡も、この演奏の中に見てしまうからだと思います。
 コンサートに行けない日々の中で、ちょっと感傷的になってしまっているのかも知れませんが。

nice!(1)  コメント(2) 

海外在住日本人アーティストの今(森野美咲さんのYouTubeチャンネル) [ストリーミング]

 クラシック音楽関係のストリーミングを色々見て回っていますが、岡山県出身の森野美咲さんのYouTubeチャンネルで「海外在住日本人アーティストの今」というシリーズが、生ライブで配信されています。リアルタイムではなくてもYouTubeで動画は見られます。
 この第1回の動画では岡山県出身の木村善明さんも登場していますね。ドイツ、オーストリア、イタリア、アメリカなどなど、音楽家の活動状況や支援、音楽業界にとどまらない各国の国民性や雰囲気もわかる動画になっています。非常に面白いです。
 日本でも報道されているとおり、ヨーロッパでは8月まで舞台芸術やコンサートはほぼ活動休止で、そのための芸術家のための生活支援は行われているようですね。
 あと、印象に残ったのは、フリーランスと劇場専属の歌手・奏者ではやっぱり温度差があるということ。特に指揮者に関しては、完全にノーギャラになってしまって、収入の道が絶たれてしまうようで、確かにYoutubeでの「テレワーク」配信なども、指揮者は配信するネタが無いもんなあ。
 森野さん自身もフリーランスの立場で、生活面での困難さやモチベーションの維持などへの苦労を語っておられますが、こうして動画配信に取り組まれたり、地元岡山のラジオにもご出演されていましたし、前向きにパワフルに出来ることをどんどんなさっている姿には、こちらも「泣き言を言ってられへんな」と勇気づけられますね。

 コロナ禍のせいで物理的な移動と集会を制限せざるを得ないわけですが、過去のパンデミックのときと違うのはIT技術を駆使してコミュニケーション自体は可能ということ。ボッカチオが現代に生きていたら、ZOOMなどのミーティングアプリを使った「デカメロン」を書いたかも知れない。今の制限された状況で知恵を出し合うことで、21世紀のルネッサンスが起こることはあるだろうか。

 森野さんの演奏は、岡山フィルの動画でも見れます。
 2019年のニュ・イヤーコンサートでのモーツァルト/フィガロの結婚(演奏会形式)でのスザンナ役。彼女が舞台に登場して歌い始めると、空気がパアッと明るくなったんですよね。そして驚いたのは、こちらを背にして歌う場面でしっかり声が届いてくること。ホール全体に響かせる歌唱能力があって、間接音でもハリのある声が届いてくるんですね。また森野さんの舞台が見れる日を楽しみにしています。

nice!(0)  コメント(0) 

観客のいない音楽会「Live from Muza!」 東京交響楽団名曲全集第155回 [ハイレゾ音源]

 ニコニコ生放送で配信された、東京交響楽団の無観客ライヴ、愛してやまないサン=サーンスの交響曲第3番のコレクションの中でも、愛聴音源になりそうな素晴らしい演奏だった。
観客のいない音楽会「Live From Muza !」 東京交響楽団名曲全集第155回 
ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調(ソリスト:黒沼香恋)
サン=サーンス/交響曲第3番「オルガン付き」(オルガン:大木麻理)
指揮:大友直人
20200506 toukyou.png
 メインの「オルガン付き」から。「こんなに超高速だったっけ!?」と驚いた。ライヴ配信当日も「速いな〜」とは思っていたが、あのときは自分の気分も高揚していたからそこまで感じなかった。自分が持ってる同曲の演奏な中でも最速の部類に入る。今から聴いても、この演奏は「何か大事なもの」を賭けて演奏しているような鬼気迫るものを感じる。
 決して「整った」演奏ではない。しかし、東響は上手い。弦がやや走り気味になる場面があるのだが、すぐに他のパートがカバーして音楽の大きなうねりの中に取り込んでしまう。無尽蔵に湧いてくる情熱を音楽に昇華させる高度な技術がある。彼ら演奏は、過小評価されがちだったこの曲を、ベートーヴェンの5番やブラームスの1番に並ぶ傑作であることを証明している。収録日が「3月6日・8日」とクレジットされているが、あのニコ生で聴いた疾走する(というよりも爆走するような)情熱的な演奏という印象はいっそう強くなり、この熱量は大部分を生配信当日の演奏の音源を使っていることを表しているように思う。ただし、オルガンの音は当日よりバランス大きめになっていて、ここは手が加わっているだろう。
 牧神の午後への前奏曲も、あの日のどんどん視聴者数が増やしていった魅力的な演奏を再度感じられた。ラベルのピアノ協奏曲のソリストも、あらためて音源で冷静に聴いても素晴らしい演奏。第2楽章をここまで聴かせる演奏は相当な実力の持ち主。ソリストのお名前は存じ上げなかったのだが、それもそのはず、まだ世に出ていない期待の若手をオーディションで発掘する趣旨のプログラムでだったようで、黒沼さんは東京芸大に在学中の方だそう。通常モードの「観客が埋まったコンサート」でも、晴れ舞台を踏めただろうが、自分のソロ演奏が20万人以上に視聴され、加えてハイレゾ音源が発売されてしまうなんて・・・このコンサートで彼女の人生が一番変わったかも知れないな。
 ニコ生で聴いた時に「ニコ生は音がいいなあ」と思っていたが、オクタヴィアのスタッフが録音していたということで、当日の高音質の謎が解けました。EXTONレーベルの高品質ハイレゾ音源のおかげで映像がなくても当日の東響メンバーの情熱や息遣いが感じられる。特に管楽器の音は生の音そのものだ。数ある「オルガン付き」の音源の中でも『今日はガツン!とした演奏を聴きたい』という日には第一選択肢に入る演奏になりそう。

nice!(0)  コメント(0) 

岡山フィル動画:2018年1月の特別演奏会でのシェエラザード [ストリーミング]

 ここ数日はコロナ騒動に振り回された3〜4月の疲れを取るべく、気に入ったYOUTUBE動画を寝室のコンポ(SONY CMT-SX7)で本を読みながらまったりと聴いています。その中で「これは、やっぱりすごい演奏なんとちゃうやろか!?」と思うのが、岡山フィルの2018年のニュー・イヤーコンサートのR=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」の演奏。
 前半の「魔笛ハイライト」もいい演奏だけれど、それに輪をかけて燃焼した演奏を聴かせてくれるのがシェエラザード。その迫力と熱気に、本を読む手が止まり聴き入ってしまうのは。
 その当時のブログの感想には、こう書きました。
 細かいダイナミクスをごく自然に表現されていることと(息が合う、というのはこういうことかと思う)、弱音部でも一つ一つの音がしっかりと演奏されていて、この曲に関してはffは近景を、ppは遠景を表していることが多く、全体を通して立体的かつパースペクティヴな音楽が、岡山シンフォニーホールの空間に響き渡った。その瞬間のなんという至福の時間であったことだろう。
 天吊の記録用マイクでの録音によるYOUTUBEの配信音声では、当日の宝石箱をひっくり返したような華やかな音がすべては再現できていないのだけれど、あの日の岡フィルの「火の玉」のような演奏と、アンサンブルの状態の良さは充分に感じられます。特に第4楽章は圧巻!(動画は該当箇所に飛びます)
 シェレンベルガーの鋭いアーティキュレーションがオーケストラに浸透していて、これほどビートの効いた切れ味の鋭いシェエラザードを僕は他には知りません。
 このコンサートには、僕の知り合いも結構聴きに来ていて、これがきっかけで岡山フィルのコンサートに足を運ぶようになった人も多いんですよね。このコンサート以降は客の入が8割を下回ったコンサートはないんじゃないかしら。今の岡フィル人気への転換点になったコンサート。
 惜しむらくは、動画のタイトルや概要情報が無くて、せっかくアップしている素晴らしい演奏が埋もれてしまっている感があること。前半と後半も別動画にしたほうがいいですね。こんな事をこんな個人ブログに書いていても仕方がないので、もちろん岡山フィルさんには伝えてありますが・・・。せっかく公開されているのに、この演奏が埋もれてしまうのは本当にもったいないわ。

nice!(0)  コメント(0) 

新日本フィルの「テレワーク部」 [ストリーミング]

 コロナ禍でのオーケストラ奏者のストリーミング配信で忘れてはいけないのは新日本フィルの番組です。
 この動画の再生回数はなんと138万回(5月3日時点)ということで、クラシック音楽愛好家の枠を超えたブームになっています。
 クラシックの演奏は本来、最高の技術・表現を追求して、音源を出すときも最高の音質のものを求めるので、ストリーミング配信とはあまり相性が良くないかも知れませんが、テレワークという音質面やアンサンブルの構築という面では不利な条件の中で、ここまで人を楽しませる演奏が出来るというのは、プロ・オーケストラの「心に届く音楽を作り出す力」が認識された瞬間なのではないだろうか。
 新日本フィルとしての公式youtubeチャンネルは別にあって、この動画の発信者は団の奏者の方のチャンネルなんですね。有志でココまでのことがやれるというのは、団員さん同士の雰囲気や結束力が伺えます。
 
 新日本フィルは世界的に見ても一流の演奏をするオーケストラですが、N響・読響・都響のような強力な「パトロン」はなくて、チケット収入と民間の支援でやりくりしてきていたようで、今回のコロナ禍でオーケストラの経営はいっそう厳しさが増しているようです。
 私自身、今年のボーナスの減少は確実な情勢の中、地元のオーケストラへの応援に重点を置いており、少額寄付や音源の購入ぐらいしか出来ませんが、このコロナ禍を乗り越えてほしいと思います。

nice!(0)  コメント(0) 

日本センチュリー交響楽団の動画配信 [コンサート感想]

 前々回のエントリーで広響の奏者たちによる動画配信を取り上げましたが、日本センチュリー交響楽団も積極的な配信をやっています。
 服部緑地のオーケストラ練習場での収録で、音がいいんですよね。オーケストラ合奏以外にも、室内楽のユニットもあって結構楽しめます。これ、ほとんど3月中の収録で、オーケストラ側もこのコロナ禍の長期化をある程度予測されていたのだろうと思います。
 流石に奏者のレベルが高いですねぇ!特に木管合奏は本当に惚れ惚れする。この演奏を無料配信で聴くのは申し訳ないと思い、少額ではありますが3月末に寄付をさせていただきました。
 すると、今日、センチュリー響から、なんとお礼のお手紙が届きました。
Scan20200502123153_001.jpg
 私としては「こんなプロの仕事をタダで聴くのは申し訳ない」という、対価を払った感覚だったので、少々、恐縮しつつも、こうして気持ちを伝えてくださると素直に嬉しいです。
 封筒には理事長名での正式な礼状と、このカード。カードの反対側にはヴァイオリン奏者の西川さんのメッセージも添えられていました。
 センチュリー響の皆さん、また大阪に聴きに行きますし、ハイドン交響曲全集のSACDのコンプリートも続けますので、また素晴らしい演奏を聴かせてください。

nice!(0)  コメント(2)