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岡山交響楽団第68回定期演奏会 指揮:中井章徳 [コンサート感想]

岡山交響楽団第68回定期演奏会
モーツァルト/「後宮からの誘拐」序曲
  〃   /協奏交響曲変ホ長調K.290b
  〜 休 憩 〜
ブルックナー/交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(ハース版)
(※後半のみの鑑賞)
指揮:中井章徳
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 岡山を代表するアマチュア・オーケストラである、岡山交響楽団の定期演奏会。事情により、今回は後半のみの鑑賞となった。客席は1〜2階席がほぼ満席となり3階席が開放され、その3階席での鑑賞。
 配置は1stVn13→2ndVn12→Va11→Vc9→Cb6。金管・打楽器の配置が特徴的で、ホルンを上手に配置し、ティンパニを下手奥に配置していた。ホルン上手の配置はドイツのオーケストラがよくやっている印象があり、バンベルク交響楽団を聴いたときも(確か)この配置だった。ティンパニの下手奥配置は、第2楽章などの弱音の時に遠くの方から鳴るような効果があった。強奏する場面では中央配置とあまり変わらない印象。
 以前のエントリーでも書いたが、今年は岡山でのブルックナー4番の当たり年で、僕自身は先月の岡山フィル定期に続いての鑑賞。エキストラ奏者に岡山フィルのメンバーの名前が見え(恐らくトレーナーも兼ねているのだろう)、なんと高畑首席コンマスも乗っていたのには驚いた。あまり目立たないように、あるいは音が浮き上がらずに溶け込むように弾いておられたが、強奏する場面では、そのプロ奏者が座るヴァイオリン隊の後方プルトからとても艶と輝きのある音が聴こえていた。
 とても聴き応えのある演奏だった。先月の岡山フィルが中央ヨーロッパの森のなかで躍動する伝説の神々たちの情景が浮かぶような、あるいはゲルマンの血が滾るような押しの強い、なおかつ美しい演奏だったが、今回の岡響の演奏は、悠久の大河が滔々と流れていくような演奏で、人間が歩む様々な人生に寄り添うような心を打つ演奏。とにかくその人間味溢れる音に感動した! 特に第2楽章と第4楽章が味わい深く、舞台に立つ80人の人生を乗せて奏でられた讃歌に陶然と耳を傾けていた。
 第3楽章のスケルツオでは快速テンポになる部分もあったが、総じてじっくりとした足取りの演奏で、各楽器間のバランスにはこだわっているように感じた。ソロや目立つ場面では非力な部分も垣間見えたが、アンサンブルが素晴らしく、また、第1・2楽章の管楽器のオルガンサウンド、ブルックナー特有の金管や木管だけが息の長いフレーズを続ける場面での安定感、弦の弱音部の処理や第4楽章冒頭に代表されるトレモロの輝くような弦の音など、要所要所の聴かせどころは見事の一言。
 指揮の中井さんとは初めての共演だったようだが、とても息があっていて、特に第3楽章〜第4楽章では、まさに人馬一体の演奏になった。
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 プログラムに来年度の演奏会の案内があった。なんとN響の福川さんが登場するという豪華プログラム。おまけにメインは僕が大好きなシベリウスの1番!これは聞き逃せない。

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ニューイヤーコンサートの概念を覆すプログラム [コンサート情報]

 先月の岡山フィルの定期演奏会でどっさり渡されたチラシの束を(今頃?)ゆっくり見返していたら、『おおっう!これは凄い』というコンサートを見つけた。
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 ニューイヤー・コンサートって、色々なパターンがあり、一番多いのはウィンナーワルツ・ポルカを演奏するウィーン・フィル型。次にNHKのオペラ・ニューイヤーコンサートのようにオペラをメインとしたもの(最近の岡山フィルのニューイヤー・コンサートはこのパターン)。ドヴォルザークの「新世界より」をメインとしたものもあるし、このゆるびニューイヤー・コンサートのような、色々なソリストが出演する協奏曲を売りにしたものもあり、岡山フィルも過去にこんなコンサートをやったこともある
 しかし、このゆるびニューイヤーコンサートは、プログラムが凄い!
 モーツァルトの交響曲第29番はとてもいい曲だけれど、岡山での演奏機会はほとんどない。
 モーツァルトの協奏交響曲は幸福感に満ち溢れた曲で、僕も過去に生演奏で聴いて(山田晃子、今井信子のソロ、あれは良かったなあ)魅了された曲。この曲も岡山ではなかなか演奏されない。
 次のショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番!これを岡山で聴ける日が来るとは!ソリストは梅村知世さんで、僕は彼女のリリース済みCDを2枚とも持っているほどのファンである(リサイタルには日程が合わず1度しか行けていないが)。彼女の強靭なピアノを聴くと「ショスタコのコンチェルトとか演奏したら凄い演奏になるだろうな」と思っていたところだった。高見さんは現在は大フィルの方だが、以前は岡山フィルの団員さんだったので馴染み深い。とても楽しみである。
 メインはバルトークの弦楽のためのディベルティメント。これも僕は10年ぐらい前に倉敷アカデミーアンサンブルで一度聴いたのみ。
 まさにニューイヤー・コンサートのイメージを覆す、ガチンコのプログラム。しかもチケット代が1500円とは映画より安いという。
 これは聴き逃せない。

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若手演奏家の情熱 「浄夜を岡山教会で聴く」 守屋剛志ほか [コンサート感想]

若手演奏家の情熱 「浄夜を岡山教会で聴く」

テレマン/4つのヴァイオリンのための協奏曲第1番
ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲第8番ハ短調
 〜 休 憩 〜
シェーンベルク/浄夜
グリーグ/組曲「ホルベアの時代から」

ヴァイオリン:守屋剛志
  〃   :仁熊美鈴
  〃   :赤迫智奈
  〃   :三宅恵
  〃   :小西果林
ヴィオラ:影山奏
  〃 :島田玲
チェロ:佐古健一
  〃:山田健史
コントラバス:河本直樹

2019年10月31日 日本キリスト教団岡山教会

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チェロの山田さんや、ヴィオラの景山さんら、京に拠点がある方も来られていて、このためだけに帰省されたのだろうか?他にもコンサートがあって、僕のリサーチ不足かも。』
 と書いたが、やはりそうだった(笑)。今回の出演メンバーは、カルテット・ベルリン=トウキョウの第一ヴァイオリン奏者の守屋剛志さんを迎え、カメラータオカヤマ(岡山城東高校卒業生の室内アンサンブル)のメンバーが中心になっていた。おそらくそのプローベなどのための帰省だったのだろう。

 プログラムも演奏内容も、凄い・・・の一言のコンサートだった。聴く前は、メンバーの実力は守屋さんと他のメンバーでかなり差があると思っていたし、たしかに浄夜やショスタコの8番での弱音部での表現の深みに、差を感じる場面はあったが、それ以外の音楽の中身の部分では物足りなさを感じるところは全く無く、守屋さんもQBTで見せるような極限のパフォーマンスを見せてくれた。

 ショスタコーヴィチの弦楽四重奏の8番は、中学時代にショスタコーヴィチの交響曲、特に10番にあまっていたことを音楽の先生(クラシック愛好家が周囲に居なかった自分の貴重な話し相手になってくださっていた)に言ったときに薦めてくれた曲だ。しかし、中学の時はこの曲に全く馴染めなかった(というか、室内楽の良さ自体がわからなかった)。大学時代に卒論を書くにあたって、ロシア人の先生からソ連共産主義化下の話を取材した時にショスタコーヴィチの話が出て、その大学3年の時にじっくり聴くようになった曲。
 なるほど10番交響曲で使われるモチーフが随所に出てきて、特にショスタコーヴィチのイニシャルD・Es・C・H=自らを表すモチーフが頭にこびり付いて離れないような、深い印象を刻み込まれる。
 交響曲第10番はヤケクソ気味の乱痴気騒ぎで終わるが、この弦四8番は息絶えるようにして終わる。

 今回の演奏は、平和で豊かで民主的な国に住んでいると、決して経験することにない、狂気が支配する冷たい世界を眼前に見せられた感じ。守屋さんのソロの場面もすごかったが、何かに憑依されたような守屋さんの思い入れが他のメンバーにも感染したかのような濃密で濃厚なアンサンブルを聴かせてくれた。ショスタコーヴィチ特有の痙攣的とも言える表現、特に弱音・無音から強奏する場面ではストロボが光って、視界が一時真っ白になような強烈なパンチを繰り出していた。
 QBTのコンサートでも思うのだけれど、守屋さんは内観的というか、人間の内面に深く沈んでいく世界、そういう音楽を表現することに使命を感じているように思える。今年の2月に、同じ会場で演奏されたQBTとのシューベルトの弦四15番も、「死」という日常の世界の壁の向こう側を見せてくれたし、シューベルトの死と乙女、ベートーヴェンの大フーガなど、守屋さんが関わった演奏は「死」や「苦悩」とそれを飛び越える人間の根源的な力、あるいは越えられないときの魂の救済、それを説得力のある表現が聴かせてくれる。

 浄夜は「背徳」と、これも「救済」の音楽。楽曲の内容的に、これがカソリック教会の礼拝堂の十字架を背にして演奏されるというギャップが凄い。だからタイトルが「岡山教会で浄夜を聴く」というアンビバレントな要素を強調していたのか(鑑賞中に気づいた)。守屋さんのヴァイオリンはやはり圧倒的だったが、他のメンバーもよく弾き込まれていて、これを恐らく岡山シンフォニーホールで演奏しても不足なく鳴らしきったであろうと思われるほどの重厚で濃厚、かつ瞬間の色彩・肌触りの変化が見事で美しくもあり、心も体も揺さぶられた。

 ショスタコーヴィチも浄夜も、最後の一音が鳴ったあとの静寂が素晴らしいかった。情熱を持ったいい演奏家と、いい聴き手が宗教空間の中で清絶な時間を持てたことは僥倖だったと思う。

 最後はホルベルグ組曲。プレトークで「ショスタコーヴィチ、浄夜の後は、グリーグでちゃんと楽しい音楽に帰ってきますので」と仰っていたが、愉悦に満ちた時間となった。しかし、決して軽い演奏ではなく、前のめり、と言っていいほどの活気にあふれる演奏だった。どこから聴いても北欧の空気を感じさせる弦の音、ピチカートが冷涼な空気に華を添える。
 これほど幸福そうに、時間がすぎるのを惜しそうに演奏者たちの演奏を見る・聴くと、こちらも切なくなってくる。アイコンタクトで仕掛け合いながらその場でしか生まれ得ない音楽を、聴衆も存分に堪能した。

 音は一瞬で消え、ここに集った人々も、日常に戻っていく。そんな当たり前と思っていたことがかけがえの時間なのだとしみじみと感じられる、そんなコンサートだった。
 アンケートに「演奏して欲しい作品」というのがあったが、このホルベルグ組曲を聴いて、ぜひシベリウスの「恋人」(op.14)をお願いしたい。ちょっと曲調は違うが、キラルの「オラヴァ」も凄い演奏になりそう(ちょっと人数が足りないか?)。

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竹中大工道具館 [展覧会・ミュージアム]

  先月の連休に実家の用事で関西に帰省。その帰りに、新神戸にある「竹中大工道具館」に行って来ました。以前、日曜美術館で紹介されて、展示もさることながら、建物が見事で日本庭園もあるというので行ってみたかったんです。
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竹中大工道具館HPから
 
大工道具は、品質のよいものほど摩耗するまで使われ、消滅するという厳しい宿命をもっています。また、戦後の高度成長を経て機械製材と電動工具が広まり、今日ではテクノロジーの発達とともに、手道具を使う職人は急激に少なくなってきました。
消えてゆく大工道具を民族遺産として収集・保存し、さらに研究・展示を通じて後世に伝えていくことを目的に、1984年、神戸市中山手に設立されたのが日本で唯一の大工道具の博物館「竹中大工道具館」です。
今日までに収集した資料は35,000 余点に上ります。古い時代の優れた道具を保存することはさることながら、「道具」を使いこなす「人」の技と知恵や心、そこから生まれる「建築」とそれを取り巻く木の文化について、様々な企画展や講演会、セミナー、出張授業、体験教室などのイベントを定期的に開催してきました。
そして2014年秋。新神戸駅近くの竹中工務店ゆかりの地へと移転して、新たな一歩を踏み出しました。
日本はものづくりの国です。大工道具には、日本人ならではの美意識や心遣いが秘められています。ものづくりの国に生きる楽しさ、素晴らしさ。新しい気づきに満ちた道具との出会いの場となり、伝統のものづくりに新たな刺激を与えるような存在でありたいと考えます。
 
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  この博物館、新神戸駅から本当に近い。
  新神戸駅1階のタクシー乗り場を駅の高架沿いに行くと館への近道になるスロープがあり、
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 駅からものの3分で到着します。
 しかし、館の門をくぐると静かで落ち着いた空間が広がります。かすかに新神戸駅の「銀河鉄道999」の発車ベルが聴こえてくる。
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 建物は一見、平屋のモダンな和建築ですが、展示空間は地下2階まであり、じっくり見ていくと2時間ぐらいかかります。
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シンプルな庭も見事
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館内は撮影OK
この時期は「木組 分解してみました」と題して、木材同士の継手、仕口などの実物展示がありました。
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目を奪われたのは組子細工、凄いの一言!
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 日本建築の歴史に関する展示。最古の大工仕事と言える法隆寺。その建立に使われた大工道具も見られます。
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 室町〜安土桃山時代の茶室の実物大スケルトン(?)構造模型。中にも入れます。人が多くて一番少ない時間を狙ったのですが。
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 地下1階〜2階の吹き抜け空間を占拠する、唐招提寺金堂組物の実物大模型。その巨大さに目を奪われるが、構造はとても精巧。奈良時代にこんなものを作ったなんて。。。
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「展示」だけでなく、大工仕事の「継承」の展示も。棟梁の言葉とともに。
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大工さんの技術についての動画も見ることが出来る。
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まるで古代出雲歴史博物館の荒神谷出土の鉄器のような展示。道具としてだけでなく、機能性を追求すると美しくなるんだなあ。
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かんなで削った杉やヒノキ、栗や楢の木などを触って見ることが出来ます。匂いや感触など、それぞれのきの特徴がよく分かる。
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木工の体験コーナーも。子供が大きくなったら連れてきたいですね。
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展示棟の奥には庭が会って、祠が祀ってあります。奥に休憩所もある。「本当に、ここ、新神戸?」と思うようなロケーション。
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でも振り返ってみると、やはり神戸の都心部の景色が広がる。
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この休憩所も素晴らしかった。木の香りがする落ち着く空間。
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もし、新幹線待ちなどの時間つぶしが必要になっても、入館料500円を払って、ここでほっこりする、という使い方も出来る。
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 1時間ちょっとぐらいで回る予定が、展示のボリュームがあり、動画なんかをじっくり見ていたら、2時間半も長居してしまいました。

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