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山陽放送で岡山フィルの3,5月の定期演奏会がダイジェストで放送 [岡山フィル]

 先月、RSK山陽放送で地域ドキュメンタリー番組「メッセージ」で、岡山フィルの経営改革と、楽団史上初の首席奏者オーディションの模様が放送されました。
 貴重なリハーサルシーンなども収録された一方で、(3月定期演奏会に欠席した私などは)実際の演奏はどうだったのだろう?という不完全燃焼感が残ったのも事実。
 しかし、山陽放送がやってくれました。おそらく僕の記憶する限りは初めての、岡山フィル定期演奏会の地上波放送があります。
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2018年7月31日 深夜0:55~1:55
1992年に岡山初のプロオーケストラとして誕生した岡山フィルハーモニック管弦楽団。四半世紀を経た昨秋、結団以来初となる首席奏者のオーディションを行い、7つのパートに新メンバーを迎えた。新生岡山フィルのお披露目コンサートとなった3月と5月の定期公演の中から、「ショスタコーヴィチ交響曲5番 第1楽章」と「チャイコフスキー交響曲5番 第2楽章・4楽章」をダイジェストでお送りします。
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 チャイコフスキーの5番は「運命の動機」と言われるメロディーの変化の対比を愉しむ意味でも、第1楽章も放送してほしかったところですが、勢いと推進力に溢れる第4楽章の演奏をもう一度聴けるのは本当に楽しみです。放送を楽しみに待ちたいと思います。
 山陽放送は、今、岡山カルチャーゾーンのど真ん中(県立美術館とオリエント美術館の間)に新社屋を建設していて、岡山駅前・市役所筋の新興商業地域を拠点にするOHK岡山放送に対して、江戸時代以来の旧城下町と岡山カルチャーゾーンの放送局としてのアイデンティティを確立しようとしているのかな?と思います。

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プラド美術館展 ~ベラスケスと絵画の栄光~ 兵庫県立美術館 [展覧会・ミュージアム]

プラド美術館展 ~ベラスケスと絵画の栄光~
兵庫県立美術館
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 6月に行ったこの『プラド美術館展』の感想、まだまだ会期が続くし・・・と思っていたら、なかなか書く時間が取れませんでした。
 とりあえず、タイトルだけはアップして、書かねばならない状態に追い込んでおきます(笑)
後日更新予定です。

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ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル 岡山公演 指揮:高原守 Cl:橋本杏奈 [コンサート感想]

ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル 岡山公演
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調「軍隊」
ハイドン/交響曲第8番ト長調「夕べ、あらし」
 ~ 休 憩 ~
バッハ/管弦楽組曲第3番より アリア
モーツァルト/クラリネット協奏曲イ長調
指揮:高原 守
ヴァイオリン独奏&コンサートマスター:ギオルギー・ヴァルトチェフ
クラリネット独奏:橋本 杏奈
2018年7月20日 岡山シンフォニーホール
 
 会場は6割程度の入り。招待客が多いようで、ロビーで挨拶や会話をする人が多く見られたが、「家の方は大丈夫だった?」「〇〇さんのところは浸かったみたい」というような、安否確認の会話が多かったように感じた。
 開演に先立って、指揮者の高原さん(岡山出身)と楽団員たちの思いのこもった、 西日本豪雨の犠牲者追悼のための、バーバー/弦楽のためのアダージョが演奏された。
 
 このコンサートは、まずは橋本杏奈さんの見事なクラリネットに触れないわけにはいかない。まだ高校生といっても通用しそうな(失礼!)童顔の御姿からは想像できない、大人の演奏を聴かせてもらった。ホールをビリビリと震わせる低音から、天衣無縫の高音へと駆け抜けるグリッサンドの場面では鳥肌が立ちっぱなしだった。 
 
 オーケストラの方は、基本編成が!stVn6→2ndVn3(本来は4人)→Va3→Vc3、上手奥にコントラバス1本の弦5部に、1本~2本の管楽器が入る。
 ニューヨークの少人数のアンサンブルといえば、オルフェウス室内管が挙げられるが、オルフェウス室内のような鋭く切れ込んでいくような場面は全くといっていいほど無くて、いい意味でも(悪い意味でも?)、おおらかで1930年代の青春のアメリカン・サウンドをパッケージして運んできたような音楽を聴かせてくれた。アンサンブル自体は詰めが甘くて、アインザッツが揃わない場面もしばしばみられるものの、それを補って余りある透明感と懐かしさが同居した、抗いがたい魅力あるサウンドがこのオーケストラの特色なのだろうと思う。
 今回は、ハイドンのシンフォニーが聴けたことが収穫。このホール、いや岡山でハイドンを聴く機会は本当に限られる。いわゆる「朝」「昼」「晩」三部作の最後の曲である第8番。コンチェルトグロッソの形式の楽器同士の対話を大いに楽しんだ。
 最後はアンコール3曲。アンダーソンをはじめとしたアメリカンなピース。こういう曲で客席を楽しませるのは流石にこなれていて、客席も大盛り上がりだった。最近、何かにつけ考え事が多く、オーバーヒート気味だった自分の頭の中が、不思議とスッキリするような演奏だった。No Music , No Life !
 

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豪雨災害から得た教訓 [雑感・出来事]

 今月の5日~7日にかけて、九州から愛媛・広島・岡山を通って京都・岐阜を結んだラインに前線が居座り、岡山でもバケツをひっくり返したような雨が2日以上続きました。
 その結果、岡山県内でも倉敷市真備町や高梁市、岡山市東区などで街が水没する深刻な被害が出ました。この災害によって亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、今なお避難生活を強いられている被災者の方々にはお見舞い申し上げます。
 岡山市内は外見上は平静を取り戻しJRを中心に交通網も徐々に回復しつつありますが、私の職場では浸水した事業所もあり、県北部や広島への交通は鉄道・高速交通網ともに遮断されているので、まだまだ平常運転に戻るには時間がかかりそうです。
 岡山市街地は、周囲の地域の浸水被害に比べて、ほとんど無傷といっていい結果になりましたが、5日から6日にかけて夜中中、警報サイレンが鳴り響くとともに、スマホの避難情報も数十分おきに鳴りっぱなしの状態になり、ほとんど眠ることが出来ない状態でした。
 私の住む建物の上階からは旭川の水面が見えるのですが、6日の3時ごろには旭川の水位は氾濫危険水位をゆうに超過し、少し離れていても聞こえるぐらいの滝のような轟音を上げて、濁流の水面が土手上の道路の路面から1mにまで迫っていました。旭川の洪水調整として江戸時代に掘られた百間川も、氾濫危険水位に達し、まったく余裕がない状態に突入していたのです。
「こら・・あかん・・・」頭の中では岡山の街が茶色い濁流に飲まれる様子が浮かびました。
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 幸い、未明1時ごろから雨自体は小雨になっていたこともあって、旭川の水位は徐々に下がってくれましたが、あのバケツをひっくり返したような雨が、あと2、3時間続いていたら、岡山市街地が大規模な浸水被害を受けていただろうと思われます。
 7日の午前中に撮影された、旭川の様子を写した動画がYOUTUBEにもアップされていました。


この動画が撮影されたのは、午前7時とのことなので、氾濫危険水位の7.6mを下回り7.4mぐらいでしょう。夜中に達した最大水位は、これより50cmほど高く、土手上の道路を川の水が洗うような感じでした。
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 さて、今回の豪雨で得た教訓です。
1.「避難準備」は非難する服装に着替え、持ち出す物資・貴重品などを準備するだけでは足りない。
 避難準備の間に、家族と連絡を取り、避難する場合はその場所などを打ち合わせておく必要がある。
 自宅がマンションの中層階ということもあり、「避難をしない」という選択をしましたが、真備町の様子を見ると水も電気も無い建物に孤立する状況というのは想像以上に過酷なことだと思いました。そこへ水が引かない状態で連日39度の猛暑がやってきたら、生命の危険が迫ってきます。
 避難所へ行く場合でも、家族や親族に連絡が取れるうちに打ち合わせておく必要があると思います。今回、生存しているのに「行方不明」とされた方が何十人もいらっしゃったようで、こうした事態も避難準備時間帯での連絡を密にすることで防げることでしょう。
2.校区内の小中学校が、洪水時に避難所として開設されるかどうかを知っておく。
 今回は、休止状態だったツイッターのアカウントを復活させて情報収集に努めていましたが、豪雨の中近くの小学校へ向かったご家族が、避難所が開設されていないのを見て引き返した、というようなツイートを多く見かけ、かなり混乱している様子でした。避難所を管理する市の職員の到着が遅れたりしたところもあったようですが、それ以前に、そもそも洪水時には避難所として開設されない施設もあったようです。僕もハザードマップは見ていたつもりでしたが、今回、初めて土砂災害、洪水、津波など、どの場合にどの避難所が開設されるのかを確認した次第です。
3.「災害が少ない岡山」の概念を捨てる
 東日本大震災以来、地震が少なく、台風の際も逸れていくことが多い岡山について、行政側が「災害が少ない岡山」をPRして、積極的に工場誘致や移住者の受け入れに力を入れている様子が見られました。
 じっさい、岡山県の移住PRサイトや倉敷市の移住ポータルサイトには、現在(2018/7/20)でも「災害が少ない」と明記されています。
 私は学生時代に岡山平野の水害の歴史についての講義を受けたこともあり、ずっと違和感がありました。
 以前のエントリー:岡山県が2年連続転入超過
 今回の豪雨でも、岡山市内で避難所へ避難した人は少なかったようですし、じっさい戸建て住宅に住んでいる周囲の人に聞いても避難した人は皆無でした。外に向けて「岡山は災害が少ない」と言い続けることによって、「岡山は大丈夫」という根拠のない自信のようなものが蔓延していたのではないでしょうか?
 今回の豪雨災害で、「災害が少ない岡山」という神話は崩壊しました。この日本に住んでいる以上、安全な場所などない、という意識が必要なんでしょうね。

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ポーラ美術館コレクション モネ、ルノワールからピカソまで 岡山県立美術館 [展覧会・ミュージアム]

ポーラ美術館コレクション 「モネ、ルノワールからピカソまで」
岡山県立美術館
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 関係者の間で『絶対に!何としても呼びたい!』と言われてきた悲願の展覧会。岡山県立美術館開館30周年、山陽放送テレビ60周年、山陽新聞社140周年という記念の年にいよいよやってきました。
 関東圏の方々にはなじみのコレクションだと思いますが、岡山に居たらなかなか目にすることは無い珠玉の作品群。仮に箱根まで行ったとしても、これほどのラインナップを一度だけで見ることが出来るかどうかわかりません。
 展示は、非常にメリハリが効いていて、シニャックやモディリアーニや青の時代のピカソなどは来なかったものの、モネ8点、ルノワール8点、セザンヌ5点、ピカソ8点など主要作品を惜しげもなく出してくれています。家に帰って来てもまだ、興奮冷めやらず、という感じです。
 会期中、できるだけ何度も足を運ぼうと思っていますので、感想は後日にします。岡山近隣在住の皆さんは(東京に住んでるときに、飽きるほど行った、みたいな人は除いて)、絶対に行った方がいい展覧会です。
 あと、もう一つ大事なことが。2階展示室で常設展「岡山の美術展」という常設展をやっていますが、赤松麟作の「沐浴する女」をはじめ、日本の画家による印象派模写作品が並べられていて、模写作品がこれだけ見れる機会もなかなかないかも?と思います。原田直次郎の「風景」も展示中、印象派傑作群にも負けない、見事な作品との思いを新たにしました。
 余談ですが、今日はもう一つ目的があって、館内のホールで岡山フィル奏者による印象派作品を演奏する弦楽四重奏を聴く予定で、整理券配布開始時間に行ってみたら、なんと長蛇の列!結局聴くことはかないませんでした・・・。
 なんと、レセプショニストの方に聞くと、朝から並んでいた人が居たそうな。メンバーは岡山フィルの中でも実力者ぞろいなのでたくさん集まるとは思っていましたが、オリエント美術館などでのコンサートの時もこれほどのフィーバーは記憶にありません。岡山フィル、来てますねぇ。
 8月14日にも足を運びました。

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岡山県立美術館開館30周年記念展『県美コネクション』 [展覧会・ミュージアム]

岡山県立美術館開館30周年記念展『県美コネクション』Ⅰ期のみ
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 岡山県立美術館は昭和63(1988)年、瀬戸大橋、岡山空港とともに岡山県の大型プロジェクトの一つとして開館しました。アクセスのよい市街地に位置し、本県のみならず中・四国そして世界の人や物が行き交う文化の拠点として、さまざまな事業に取り組んでいます。県立であることの意味を鑑み、常に“岡山ゆかり”を念頭に活動してきました。このたび開館30年の節目を迎えるにあたり【ゆかり=つながり=コネクト】をキーワードに、全館を使用してこれまで培ってきた「ひと・もの・こと」を収蔵作品とともにさまざまな関連事業を行うことでご紹介します。“岡山ゆかり”であることがいかに豊かな文化を内包するものであるか、改めてお気づきいただけることでしょう。
当館の収蔵作品(寄託作品を含む)は、大きく“岡山ゆかり”であることを前提としています。古書画、日本画、洋画、版画、写真、工芸、彫刻、現代美術など多岐にわたる作品は約4500点に及び、「岡山の美術」展と題し、年10回程度の展示替えを行いながら順次公開しています。このたびの記念展では、収蔵作品をいくつかのテーマに分け、“岡山ゆかり”から広がる「ひと・もの・こと」を全館を使って展示します。【1期】は春、家族や地域とのつながりを中心に、【2 期】は夏、作家や作品がここにあることからさらに広がっていく豊かな美術の世界を他館の作品も交えながらご紹介します。
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 岡山県立美術館では、特別展展示のある時期でも常設展『岡山の美術展』として、岡山ゆかりの作品の常設展示につとめていて、おそらく3年ぐらい通い詰めれば「県美コレ’ク’ション」の全貌を見ることはできるのだろうけれど、今回、主要作品を一堂に見ることが出来るのは本当にありがたい。
 
 そう書いておいて、なんなんですが第Ⅰ期に足を運んだものの、第Ⅱ期には結局行くことが出来ませんでした(汗)
 
 墨画の雪舟、浦上玉堂・春琴親子、名工たちによる備前焼の逸品に河井寛次郎に棟方志功と、そこに国吉康雄や原田直次郎の西洋画の鮮やかな色彩、これらが同じ特別展に並んでいて、「これは見せ方に、相当なご苦労があったのだろうな」と推察します。
 
 印象に残ったのは、まずは原田直次郎の「風景」(1886年)、一昨年のNHK「日曜美術館」の特別企画『ゆく美くる美』でも取り上げられられた作品。何度見ても、その鮮やかな色彩に心を奪われます。西洋画では鹿子木孟郎の「杖を持つ男」も強く印象に残りました。
 墨画では、浦上玉堂の一度見たら忘れられないごつごつした山水図もひと際オーラを放っていた。春琴・秋琴ら親子で一堂に作品が見られるように展示の工夫がありました。
 惜しむらくはⅡ期に登場した小野竹喬の作品群を、今回は見逃したこと。竹喬作品がまとまって出るときには足を運びたいと思う。
 
 余談ですが、墨画や工芸品はガラスの展示ケース越しに見ることが多いのですが、もう少し明るい照明でもっと間近に見ることができないのか?という疑問は素人の我儘でしょうか?
 昨年の京博の平成知新館で見た「国宝展」では、等伯や応挙、光琳の作品がガラスの展示ケース越しだったけれど、もっと奥行きが短く間近に見えたうえ照明も明るく、作品が持つ力がストレートに伝わってきたのを思い出します。開館30周年記念展でいくらかメンテナンスの手が入ったとは思いますが、展示室のリニュアルも必要な気がしますね。

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