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岡山フィル ゲスト・ソロ・コンマスに藤原浜雄さん [岡山フィル]

 今年の4月からのシェレンベルガー体制から秋山体制へ移行する岡山フィルだが、高畑首席コンマスの後任が発表されていなかった。

 1月21日の山陽新聞で「ゲスト・ソロ・コンサートマスター」として藤原浜雄さんを招聘することが報道された。

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 藤原浜雄さんは、去年10月の定期演奏会でゲストコンサートマスターを務めており、シェレンベルガーの1年半ぶりの気迫のこもったタクトを、見事に音楽に昇華させるリードを見せた。今から思えば岡山フィルと藤原さんとの顔合わせの意味もあったのだろう。そして、岡山フィルメンバーとシェレンベルガーが作り上げてきた音楽性や、聴衆との親密な関係を藤原さんに見てもらう事が出来たことも重要だった。

 藤原浜雄さんは、読響コンマスのイメージが強いが、私にはアメリカからの帰国直後に就任した大フィルのソロ・コンマス時代の印象も強い。就任間もない定期演奏会で、いきなりパガニーニのコンチェルトを演奏し、アメリカ仕込のヴィルテゥオーゾの華々しい凱旋演奏は話題になったことを覚えている。今では国内のオーケストラのコンサートマスターがパガニーニの超絶技巧を駆使するコンチェルトを弾くことは珍しくないが、当時は滅多にないことだった。
 今にして思えば、藤原さんを大フィルに呼んだのは当時大フィルの首席指揮者だった秋山さんだったのだろう。秋山さんと藤原さんが北米で活躍した時代はほぼ重なっており、この盟友とも言えるコンビが再びこの岡山で見られることに興奮を覚える。

 藤原さんは小澤征爾よりも少し下の世代て、それこそ指揮者の秋山和慶、演奏家ではこの藤原浜雄や今井信子、原田幸一郎率いる東京カルテットなど、腕一本で世界の檜舞台で活躍する姿に、当時の働き盛りの世代(私の父母もその世代)は多いに勇気づけられたそうだ。世界に通用したヴィルトゥオーゾの第一世代で、日本のクラシック演奏家の『レジェンド』。野球で言えば野茂英雄のような存在といっていいだろう。

 あと、藤原さんといえば、読響での勇退となるコンサートが東日本大震災で中止になり、その演目であった「英雄の生涯」を有志で実現させたこのコンサートの事も印象に残っている。



 この動画を見るだけで彼の人望の厚さがわかる。

 トラディショナルなスタイルのN響とは対照的な、読響が持つ開かれた明るいイメージも藤原さんのキャラクターに負うところも大きかったのではないか?

※余談だが、このコンサートのメンバーに岡山フィルクラリネット首席の西崎さんの名前が見えますね。

 動画では「藤原浜雄、最後の英雄の生涯」と歌われているが、もし岡山フィルが実現できれば話題になるだろう。編成的にも莫大なカネが必要だが東京公演なんかも企画したらかなり集客できそうだ。


 藤原さんは、実は岡山と縁が無いわけではない。特別編成の倉敷音楽祭管弦楽団のメンバーになっていたはず、と思っていたら、アルテゾーロ・クラシカの店長さんが当時の録音のCDに掲載されているメンバー表を調べてくださり、やはりメンバーだったことが解った。もう一度、岡山の地で新しい波を起こしてくれることを期待したいます。

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