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コロナ禍の中でのコンサート参加自粛の自己基準 [コンサート準備]

 岡山県に、8月27日〜9月12日まで3度目の緊急事態宣言が発出された。期間中のコンサートのチケットを、既に2回分購入している。直近では8月29日にNHK交響楽団中国地方ツアーの一環である岡山公演がある。一方で、 私の職場ルールとして、イベント等への参加自粛が言い渡されているが、岡山シンフォニーホールは緊急事態宣言中は臨時休館しつつも、この公演は実施するということで、当然、岡山市の承認も得ての開催だろう。自治体も承認するイベントなのだから、自粛対象のイベントではないという(少々詭弁ではあるが)考え方も可能。


 仮に隣席に無症状感染者が座ったとしても、マスク・消毒や声を出さない等の対策を講じていれば感染の可能性はかなり低いだろうが、現在言われているデルタ株への感染対策は3蜜では足らず、1蜜も避けるようにとの話もある。チケットは2000席満席完売しており、少なくとも「密集」状態になることは間違いなく、リスクは「ゼロ」ではない。

 有り難いことに主催者のNHKは、チケット払い戻し条件の中に「緊急事態宣言の発出に伴い、鑑賞を見合わせられる方」を加えており、チケット購入者の判断で自粛するかどうかを自己決定する環境は整えてくれている。

 もしここで感染した場合、未就学の子供も含む家族への感染。それに伴う社会的・経済的損失は甚大だ。地方都市ではまだまだ感染者に対する風当たりは厳しい。


 などなど、色々と考えを巡らして、闇雲に恐れるだけでは、気疲れして精神衛生上も悪く悩む時間も勿体ない(笑)コンサートを自粛しても「行きたかったなあ」との思いが残るし、コンサートに行っても心から楽しめないだろう。


 こういう場合は自分の決断を助ける基準を決めてしまうのが、もっとも楽な方法だ。

 私は、岡山県の感染者数の人口比の%を算出し、その%から岡山シンフォニーホールへの来場者の中に、感染者が何人紛れ込む可能性があるかを算出。その値が1.0以上になったら自粛する、という基準を設定した。


 例えば、岡山県の1週間平均の陽性者数が200人の場合、そのうち無症状の陽性者が2割と言われている。また厚生労働省のガイドラインによると、発症3日前あたりからウイルスの放出が始まり、発症後は7日〜10日間ウイルスを放出するそうだ。
 参考:https://corona.go.jp/proposal/pdf/chishiki_20210813.pdf
 これらの事例から無症状でコンサートに来てしまう可能性のある人数を次のように算出した。

200人✕0.2(無症状感染者割合)✕10(日数)=400人
200人✕3日(発症前でウイルス放出状態)=600人

(400+600)/1,900,000(岡山県の人口)=0.052%

2000人✕0.052%=1.04(人)

 ということは、岡山市での1週間平均の新規陽性者数が200人の場合は、無症状でコンサートに来てしまう人は2000席満席の場合では1.04人というリスクになる。


 もちろん、陽性者数の数は、2週間前の感染の状況を反映しているため、コンサート開催時点の感染者数を予測するためには、感染者の増加率も同時に見る必要がある。


 市中にはもっと多くの無症状感染者が居るだろう、という説もあるし、クラシックのコンサートに来る年齢層を考えると、無症状感染者が紛れ込む確率は低くなるという可能性もある。喉の痛みや倦怠感などの疑わしい症状があっても来場する人はするだろう。今回のようなN響の場合だと岡山よりも感染者数の多い地域からの遠征組もいる。などなど変数が多すぎるため、現状において量的データで把握できているもので判断をするしかない。そもそも、この基準は自分の気持が楽になり、考えるムダな時間を無くすためのもの。



 ちなみに、8月29日のN響コンサート(2000席完売)について、8月27日(金)時点の感染者数データから予測する、岡山シンフォニーホールに来場の可能性がある感染者数は


226人(直近1週間の平均新規感染者数)✕0.2(無症状感染者割合)✕10(日数)=452人
226人✕3日(発症前でウイルス放出状態の人数)=678人

(452+678)/1,900,000(岡山県の人口)=0.059%

2000人✕0.059%=1.18(人)


直近1週間の感染者増加率:1.15倍


 という訳で、来場者に無症状感染者が紛れ込むリスクは1.0人を超え、感染者増加率も1.15倍で現時点での感染者数はさらに増加していると見込まれるため、自粛したほうが良い、という判断になった。


 当面は、この基準で判断していこうと思う。

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伊閣蝶

これは合理的な判断基準と思います。
今の政府や行政機関のやり方をみていると、やはり最後には自分の身は自分で守るより仕方がないのか、とため息をついてしまいます。
とにかく、人との接触を極力減らすことが、現時点では一番の予防となりそうですね。

by 伊閣蝶 (2021-08-28 17:53) 

ヒロノミン

>伊閣蝶さん
 現在の状態が1年半以上続いて解ったことは、感染症対策は疫学上の問題以上に、社会心理学上の問題のほうが重要だということでした。
 オリンピックは開催の基準値を設定して、それを上回れば中止にする、という事を事前に決めておけば、人々の心理的な分断も少なかったと思います。もっとも中止するつもりなんてさらさら無かったから基準を設けなかったのでしょうが。
 自分で基準を作ってみて、かなり心理的な負担は減りました。5月の岡山フィルも、今回のN響も、払い戻しに応じるという損失覚悟の英断をしてくれたおかげでもあります。

by ヒロノミン (2021-08-28 21:34) 

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