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【ニコ生】京都市交響楽団第656回定期演奏会 鈴木優人指揮 チェロ:上村文乃 [ストリーミング]

京都市交響楽団第656回定期演奏会【ニコニコ生放送】

ヘンデル/歌劇「忠実な羊飼い」序曲
ラモー(鈴木優人 編)/歌劇「みやびなインドの国々」組曲
ヴィヴァルディ/チェロ協奏曲ト長調
 チェロ独奏:上村文乃
ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調

指揮:鈴木優人
2021-05-15_kyokyo_suzuki_kamimura.jpg
 緊急事態宣言の発令によって無観客ライブ配信となったコンサート。宣言に関係なく京都までは聴きに行けない身にとっては、京響の音楽を聴ける機会としてありがたい配信ではありました。リアルタイムではじっくり聞く時間が取れず、とりあえずわずかながらの投げ銭だけして、タイムシフト配信でじっくり視聴した。

 プログラムを見て、「THE MOST」のメンバーの上村さんが登場する、というのも注目点だった。プレトーク、アフタートークで上村さんが仰っていたが、スイスを拠点に(廉之助くんと同じスイスなんやね)古楽を中心に研鑽されているとのこと。ガット弦・バロック弓を使用。上村さんのソロはスピード感があって切れ味は鋭いのに、気品にあふれている。そして、小編成の京響がこれまた素晴らしい!ヴィヴァルディの協奏曲の基本形は合奏協奏曲なので、楽器間の対話も見どころなのだが、ニコ生のカメラワークの良さもあって、上村さん・鈴木さんのチェンバロとオーケストラの間の緊密な対話が、聴いていて本当に幸せにさせてくれた。これ、京都コンサートホールのバルコニー席あたりで聴いたら、気持ちいいだろうなあ。
 10月のTHE MOSTの岡山公演では上村さんの楽器や演奏も注目して聴きたいと思う。京都公演もあるので、京都の皆さんもぜひ聴きに行って欲しいと思う。
 
 後半のベートーヴェン、これまた京響が素晴らしい!ニコ生の音質が最高に良いので、京響の音のバレットの多彩さをよく拾ってくれて、もちろん生演奏を聴くに越したことはないのだけれど、こうしたストリーミングでも十分に堪能できた
 弦楽器が音色の変化を主導し、管楽器が絶妙のバランスで付けていく。 瞬間瞬間で音色がどんどん変化していて、その音の変化を耳に感じていくのが本当に楽しく、多幸感に包まれるような時間だった。コロナ禍の中で国内の色々なオーケストラを聴く機会が多いけれど、僕の中では東響と並んでこの京響の音が群を抜いていると思う。35分程の曲があっという間に過ぎ去った感じ。
 鈴木雅人さんは、意外にモダンなアプローチを採用していて、ヴィヴラートは抑えめな場面はあるが、基本はモダン演奏。第1楽章の弦がリズムに乗って刻むような場面でも、しっとりとした京響の音の美点を引き出すなど、自己主張やヴィヴィッドな表現を採らず、このオーケストラが持つもっとも美しい音で紡いでいくという方向性が明確だった。N響はじめ、このコロナ禍の中で客演指揮に引っ張りだこなのがよく解るタクトだった。

 話は変わりますが、京響はクラシック専門ライブ配信サービスのカーテンコールからニコニコ生放送に乗り換えたのでしょうね。音質面や通信の安定性、そして何よりも奏者と聴衆が共有するインタラクティブな『場』としての機能など、現状では圧倒的にニコ生の方が優勢。ベンチャー企業で、プロ・アマ関係なく音楽を配信できるプラットフォームを目指しているカーテンコールには頑張って欲しいが、このままでは業界ガリバーのYoutubeやニコ生に埋没してしまうのではないだろうか。

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