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岡山フィルハーモニック管弦楽団『第九』演奏会 2018 秋山和慶指揮 [コンサート感想]

岡山フィルハーモニック管弦楽団『第九』演奏会 2018

ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調「合唱付」

指揮:秋山 和慶
ソプラノ:塚村 紫
メゾ・ソプラノ:岡村 彬子
テノール:征木 和敬
バリトン:山田 大智
合唱指揮:堀 俊輔
合唱:岡山第九を歌う市民の会
コンサートマスター:高畑壮平

2018年12月9日 岡山シンフォニーホール

 オーケストラは聴く度に良くなっていく。秋山さんの明晰なタクトに良く反応し、シェレンベルガーとはまた違ったベートーヴェンの音楽世界を堪能した。第4楽章最後のオーケストラだけの部分の追い込みは喜寿を迎えた指揮者とは思えない切れ味。ああ、これぞ秋山さんの音楽だと。
 特にホルン首席の梅島さん、彼は本当に凄い。ソロの箇所それぞれで違った音色で会場を魅了する。彼が岡山フィルの首席でいてくれる時間は、そんなに長くないのでは、と思う(必ず一流オケのポストに就くでしょう)。

 一方、合唱も含めた第4楽章は、ちょっとまだ戸惑っています。迫力は凄かったです。岡山フィルの第九史上一番声が出ていたかもしれない・・・。途中で「このペースで歌って、最後までもつのだろうか・・・」と、心配になったほど。文字通りホールが「震撼」するような迫力がありました。だから、合唱団の方々の鬼気迫るパフォーマンスには精一杯の拍手を送りました。
 でも、僕が思っていた秋山さんと今の岡山フィルのコンビが紡ぎだすであろうベートーヴェン、そしてシェレンベルガーが2回振って、本場ドイツのディクションを感じさせる、従来の「ザ・第九」とは一線を画した、新鮮なベートーヴェンの9番で積み上げてきたもの、その延長上の演奏ではなかった・・・ということで、どう捉えるべきか言葉が出てこない。
 会場はたいへんな盛り上がりでしたから、こうして戸惑っている私は少数派なのだと思います。
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コメント 4

南海 凡吉

ご来場いただき、ありがとうございました。
舞台の上で聞いていた3楽章までは、本当に素晴らしかったです。合唱はというと、練習中から堀俊輔氏(ホリヤン)のやり方も目指す方向も、小生には疑問符が付きっぱなし(本心は、反発しっぱなし)。本番は歌ったと言うより、叫んだ、と言った方が近い状況でした。こういう第9もたまにはありかもしれませんが、毎年はご免です。
by 南海 凡吉 (2018-12-11 18:08) 

ヒロノミン

>南海 凡吉さん
 合唱の皆さんの奮闘は痛いほど伝わって来る演奏で、その点では心を動かされた演奏でした。
 ただ、僕はやはりシェレンベルガーが作り出す音楽世界が好きなんだと思います。3年前と去年でかなりいいところまで行っていたのに、それを壊されたような悲しさを感じながら聴いていました。
 南海さんの合唱練習のブログの記事、じっくり読み返していました。僕は、市民合唱団の第九の価値は、仕事や家庭や地域で職責を果たしながら、色々な人生を歩んできた人々が歌うことで滋味あふれる音に昇華されることに意味があると思っています。合唱団一人ひとりの(あるいは合唱指導やピアノ伴奏者の)人生に敬意を払えないのはどうかと思ってしまいますね。
by ヒロノミン (2018-12-12 21:06) 

とある合唱関係者

ヒロノミンさん。ありがとうございます
おっしゃる通りです
それぞれの生活、人生、またそこでの出会いによる新しい人間同士の繋がりなどの背景を考えながら、、、、これ以上は書けませんが
悲しかった。

by とある合唱関係者 (2018-12-12 23:26) 

ヒロノミン

>とある合唱関係者さん
 コメントありがとうございます。
 会場でのカーテンコールの熱気を見た限りだと、こんなことを感じていた私はかなりの少数派なんだろうな、と思っていましたが・・・皆さん、大人だった、ということでしょうか。
 本当に良質なものを創ろうとすると、結局は雨垂れ石を穿つような地道な積み重ねしかないのだと思います。
by ヒロノミン (2018-12-14 22:52) 

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