ばらのまち福山国際音楽祭2018 ユネスコ「世界の記憶」記念コンサート [コンサート感想]
ばらのまち福山国際音楽祭2018 開会セレモニー
ユネスコ「世界の記憶」記念コンサート
~ふくやま琴との共演~
2018年5月3日 福山リーデンローズ大ホール
今年から「ばらのまち福山国際音楽祭」が福山リーデンローズ(福山芸術文化ホール)を中心とする福山市内各所で行われている。
この音楽祭のフォーマットは明らかに「ラ・フォル・ジュルネ」であり、はたまた「威風堂々クラシック」だろうと思う。
有料公演を45分から1時間程度で1000円~3000円という安価で提供し、福山リーデンローズの大ホールと小ホールで時間差で開催、聴衆は1回のコンサートだけつまみ食いをしてもいいし、自分の気に入ったコンサートを何公演も梯子してもいい。市内各所(福山城、美術館、ショッピングセンターなど)ではアマチュアや音楽大学の学生さんらによるコンサートが各所でゲリラ的に行われ、聴衆はコンサートを求めてそぞろ歩く仕掛けになっている。
このオープニングコンサートのオーケストラはスーヨル・チョイ指揮、釜山フィルハーモニー交響楽団が務めた。韓国のオーケストラが進境著しいことは、FM放送で聴いたソウル・フィルやKBS響の演奏から知っていた。しかし、花のソウルを離れた地方都市のオーケストラの実力はいかに?という心配もあった。
ところが釜山フィルの演奏は驚くほどレベルの高かった。釜山フィルが招聘されたのは、朝鮮通信使の停泊場所だった鞆の浦港を観光地として抱える福山市が、その通信使の出発港の釜山のオーケストラを招聘して交流を深める意図があったようですが、このオーケストラ、僕が普段聴いている西日本のオーケストラと比べてもまったく遜色は無い素晴らしい演奏を披露押してくれた。京響やセンチュリーなどの一線級の実力のあるオーケストラと比べると、緻密さや洗練さでは聴き劣るものの、彼らの全身で音楽を表現する様子は、関西フィルや広響といった躍動感を前面に出した西日本のオーケストラを聴いている自分にとっては親近感がわく。
12型(協奏曲は8型)での演奏だったこともあって、弦楽器がやや非力な感じはあったが、金管は極めてパワフル、そして木管楽器のよく歌う事歌う事(笑)楽器の歌いっぷりはイタリアやスペインのオーケストラのようだ。
(会場では朝鮮通信使にちなんだパネル展や衣装展示が開催されていた)
現在、韓国ナンバーワンといってよい女流ヴァイオリニストのシン・ヒョンスさんがソロの小曲を2曲。特にツィゴイネルワイゼンの超絶技巧が、このヴィルトゥオーゾの手にかかれば、いとも簡単に弾けてしまうように感じてしまう。それほど圧倒的なテクニックを披露してくれた。釜山フィルのメンバーも足をドンドンさせてソリストを称えていた。「どうだ、我らが韓国が誇るヴィルトゥオーゾは凄いだろ?」と、彼らまでもが誇らしげだった。シン・ヒョンスさんの凄さはこのあと、小ホールで行われたソロ・コンサートで存分に堪能した(感想はのちほど)。
最後の行進曲「威風堂々」は、市民合唱団も参加してのステージ。スーヨル・チョイさんのタクトに導かれ、なんとも歯切れのいい、胸のすくような演奏になった。隣国の音楽祭の御座敷公演でここまでの演奏ができるのだから、本拠地での演奏はさぞかし凄かろうな・・・。
韓国のオーケストラの演奏会に一度も行ったことがありません...
by サンフランシスコ人 (2018-05-04 01:36)
>サンフランシスコ人さん
韓国のオーケストラのレベルの高さ、パワフルさを実感しました。日本のオーケストラの中にはすでに凌駕されているところもありそうです。
by ヒロノミン (2018-05-04 14:37)
中国のオーケストラの演奏会には一度行ったことがあります.....
by サンフランシスコ人 (2018-05-06 05:45)
ソウル大学交響楽団のYouTubeに上がったブラームスに驚嘆したことがあります。早稲田大学交響楽団にも負けないレベル。アマチュアのレベルは、プロのレベルとパラレル。韓国、おそるべしですね。
by ぐすたふ (2018-05-12 16:28)
>ぐすたふさん
この釜山フィル、ストレートに音楽を表現してくださって、爽快な演奏でした。おそらく本拠地での定期演奏会を聴いたなら、京響・センチュリーに次ぐ実力なんじゃないだろうか、と思います。細部に拘泥せずに音楽表現そのものを楽しむ姿勢は、関東圏のオーケストラより西日本のオーケストラに近い感じがしますね。
by ヒロノミン (2018-05-12 20:23)
ヒロノミンさん
ご無沙汰しております。音楽祭の詳しい内容とご感想、拝読いたしました。私にとっての地元の音楽祭でありながら、聴けずじまいでしたので、改めて惜しいことをしたと思っております。
特に筝協奏曲を聞き逃したのは残念。10年余り尺八を習っており、春の海は大学生時代の邦楽部での定演も含め、数度ステージで吹いたことがある、本当に思いで深い曲です。
by あーと屋 (2018-05-14 00:18)
>あーと屋さん
いやいや、私の方こそウィーンでのコンサート三昧の日記を指をくわえて拝見しておりました。
日記本文で、筝協奏曲について触れておらず、失礼しました。学生時代は邦楽部だったのですね。
私が座った3階席からは琴の繊細な音を聴くには残響が豊富過ぎ、また距離も遠すぎたため、様子が把握できなかったため省略させていただいた次第です。福山は和琴の産地で、春の海が「鞆の浦」に着想を得た曲、ということを初めて知ることが出来ました。
by ヒロノミン (2018-05-14 21:54)
ヒロノミンさん
そうなんですよ。鞆の浦といえば、ポニョ…も、ですが、やはり宮城道雄の春の海。ちなみに、私、邦楽も結構オタクが入っていて、お琴の生田と山田、尺八の都山と琴古(どちらも流派です)による奏法や記譜の違いなら結構語れます。
それにしても、なかなかお会いする機会が得られず残念です。もし、金曜の夜に大阪にお泊まりなら行きつけのクラシック音楽Barにお連れしますのに…。
by あーと屋 (2018-05-14 23:32)
>あーと屋さん
そうですねぇ。意外に同じコンサートになることが無いですね・・・
来月は6月14日のセンチュリーの定期演奏会に行きたい!とは思っています。例によって、直前までどうなるかわからない感じではありますが・・・・。
by ヒロノミン (2018-05-17 22:09)
6月14日のセンチュリー、私も週頭に東京出張ですが意地でも大阪に戻って来て聴きに行く予定です。では、前日13日に再度、ここに書き込みいたしますね。お会い出来ること願っております。
by あーと屋 (2018-05-20 10:07)
>あーと屋さん
了解しました。よろしくお願いします!
by ヒロノミン (2018-05-20 23:05)
ヒロノミンさん
明日のセンチュリーはお聴きにいらっしゃいますか?私も先ほど大阪に戻ってきましたので、予定どおりザ・シンフォニーにまいります。是非、ご一緒できるとよいのですが。。。
あーと屋
by あーと屋 (2018-06-13 12:03)
>あーと屋さん
いつもありがとうございます。センチュリーの生ブルックナー、行く気は満々なのですが、またまた今回も行けるかどうか分からない状況で、チケットも未購入なんです。明日の夕方5時30分までに、ここに書き込みますので、ご確認いただますでしょうか?
いつもいつも、こんな感じで本当に恐縮です・・・
行くことが出来れば、以前のエントリーで決めておいた方法で、終演後(ブルックナーの後)に待ち合わせさせていただければと思います。
by ヒロノミン (2018-06-13 18:39)
了解です。是非ご都合がつくことを願っております。
by あーと屋 (2018-06-13 20:44)
>あーと屋さん
本日、行けることになりました。色々とお騒がせしました。
実は、終演後、別の方とも会う約束をしています。私が尊敬申し上げているセンチュリーの会員の方で、あーと屋さんとも一度お会いしたいと仰っておられました。ご一緒いただいてもよろしいでしょうか?
終演後の待ち合わせ場所は私の方から、休憩時間中にここに記入させていただきます?
by ヒロノミン (2018-06-14 15:58)
おおっ、それは是非とも。では、私からはちょっとした特徴を記しますね。楽しみにしております。私も意地でも仕事のかたをつけて会場に参ります。
by あーと屋 (2018-06-14 16:05)
了解しました、コメント削除しますね
by ヒロノミン (2018-06-14 19:29)