SSブログ

大阪版「マエストロ、それはムリですよ」になるのか!? [クラシック雑感]

 大阪府立のオケから民営オケとして経営再建と自立の道を目指している日本センチュリ交響楽団の来季プログラムが発表されましたが・・・

 なかなかぶっ飛んでます。曲目的にはしごくオーソドックスなんですが

 なんと年8回のザ・シンフォニーホールでの定期を2日連続公演に!
 

 まさに各方面から「マエストロ、それは無理ですよ!」との声が殺到しているであろう、この一見無謀な方針。果たしてマエストロ飯森に勝算はあるのでしょうか?

 実はこれには色々仕掛けがあるらしく、まず金曜日公演のチケットを買った人には、土曜日公演のチケットが半額になる「おか割」という制度を作ったり、京響がやって大成功を収めた、いわゆる後半券の「あと割」というのも作っている。
 定期会員にも特典があって、基本、従来の定期会員は金曜日公演の会員に割り当てるらしいですが、土曜日に振り替える場合は、もう一人の会員分のチケットがついてくるらしい・・・

 ご丁寧に、金曜日と土曜日のプログラムを微妙に変えてあったり・・・

 プログラム的には全く無理をしていないですね。必ず1曲はメジャーな曲が入っている。もしシンフォニー2日公演じゃなかったら、保守的、と映ったかもしれない。

 私個人的には、これまでは木曜日固定公演だったので、センチュリーの定期演奏会にはなかなかいけませんでした。金・土両日公演だと他県民には足を運べるチャンスが格段に広がります。フェスが本拠地の大フィルや、京響とからめてコンサート鑑賞旅行なんてのも日程が組みやすいし、大歓迎です。

 でも、この定期2日体制は1年目が勝負でしょうね。単純に集客を2倍、と言っても6つのオケがひしめく京阪神のマーケットの中では、新しいファンを獲得するしか動員を増やす方法は無い。おそらくこれだけじゃなくて、二の手三の手を打って来るんでしょう。

 それからいずみホール定期は、「ハイドン・マラソン」なんですね。僕はハイドン好きですけど、関西ではあまり客が入らないと言われるハイドンをこれほどまでに推して大丈夫だろうか。
 しかし1人の作曲家を徹底的に追うというのは山響でも成功させた手法。これが成功して「関西でハイドンやらせたら、やっぱりセンチュリーやな」という評価が固まれば、50人サイズの楽団に合った強力なセールスポイントが出来るわけで、よく考えられていると思います。

 四季コンサートはセンチュリーならではの小編成の名曲をリーズナブルな価格で、というコンセプトだったのだと思いますが、他のコンサートとどう差別化されているのか?イマイチよく解らなかった。今後は京響がやっているオーケストラ・ディスカバリーや、関西フィルのmeet the classicのように、入門編・クロスオーバー系企画としての方向性を打ち出すのかな?と。

 地方特別演奏会も整理して、大阪でどっしりと腰を据えていくんですね。こういう方向で行くなら「大阪」センチュリーのままの方がよかったんちゃうか?と思いますが、大阪でのコンサートが日程的に聴きに行きやすくなれば、企画次第で大阪に人が集まって来るでしょう。今後のマエストロの「それは無理ですよ」な企画に期待します。

にほんブログ村 クラシックブログ クラシックコンサート・演奏会感想へ
にほんブログ村
nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(1) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 4

narkejp

それは楽しみですね。山響での実績はありますが、関西圏・大阪ではどんなふうに受け入れられるか、興味深いです。
そうそう、飯森さんの本も、たいへん面白かったです。ぜひ、多くの人に読んでもらいたいものですね。

by narkejp (2014-11-03 19:33) 

珍言亭ムジクス

定期の完売が多い絶好調の京響がいつになったら2日になるのか、広上さんが積極的なのになあと思っていたのですが、センチュリーが一足先とは思ってもみませんでした。
そして公演を週末にしただけではなく様々なアイデアを出して、柔軟性と多様性の付加価値で魅力をアピールしており、これはなかなか面白そうです。
4月の『大地の歌』はテノール&バリトン版なので遠征してみたいし、京響以外が休みの8月に公演があるのも魅力的です。
メインをメジャーな曲にするのは、2日制初年度だからリスクを小さくということなのでしょう。名フィルも来シーズンはメインがメジャーなものになりました。過去2年なかなか面白いプログラムで私はいいと思ったのですが、実際は「たわけー、定期会員やめるぞ!」という声が少なからずあったようで、なかなか難しいものです。
京響の来シーズンのプログラム発表は12月でしょうか、それまで関西遠征計画(案)を夢想・妄想・暴走します。
by 珍言亭ムジクス (2014-11-04 00:09) 

ヒロノミンV

>narkejpさん
 コメント&トラックバックありがとうございます。
 飯森さん、大阪でも定期演奏会を週末に持って来ていますね。他県のファンとしてはセンチュリーのコンサートに行きやすくなるので歓迎しています。
 小規模ないずみホールでのハイドン・シリーズなどもよく考えられていると思います。
 山響と経営環境が違う点と言えば、競合相手が多くお客さんを取り合う、ということでしょうか?この辺も新しいファンを開拓する方向で、既に関西フィルなどともコラボレーションをしているようで、今後の飯森さんのサプライズがますます楽しみです。
※ハンドルネームのスペルを間違えており、修正しました。すみません・・・
by ヒロノミンV (2014-11-04 18:33) 

ヒロノミンV

>珍言亭ムジクスさん
 私もセンチュリーがここまで積極策に打って出るとは思っていませんでした。英断か暴挙かは今後のセンチュリーの頑張り次第と思いますが、ザ・シンフォニーホールの定員は1700人程度なので、定期演奏会を2日開催するぐらいの集客・体力・経営基盤が無いとなかなか永続的な発展は望めないということかも知れません。
 とはいえ我々遠征組にとっては、2日連続公演というのは日程の選択肢が増えて好都合ですよね。
 プログラム的には秘曲・珍曲路線を取っていた大阪響が集客に苦労しているのを見ると、これぐらいがいい塩梅との読みなんでしょうね。
 京響、そして大フィルのプログラム発表は例年12月頃ですよね。正直、この2大オケの日程が決まらないと遠征日程も組むに組めないんですよね。来年は読売日響の大阪定期も土曜日公演を組んできてますから、ますます妄想のし甲斐があります。
by ヒロノミンV (2014-11-04 18:36) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1