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吉松隆と西村朗のクラシック大作曲家診断 [読書(音楽本)]

 日本を代表する作曲家のお二人が独断と偏見で、ホンマに好き放題語ってます(笑)

西村朗と吉松隆のクラシック大作曲家診断

西村朗と吉松隆のクラシック大作曲家診断

  • 作者: 西村 朗
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本

 「ショスタコーヴィチは政治に巻き込まれて苦悩していたらしいんだけど、実際はどうかわからないね」
 「マーラーは悩んでいるふりをしているだけで悩んでいないね、あれは」

 もう(笑)しか出ない、一刀両断っぷり。

 以前読んだ金聖響さんの本にも、「マーラーは神経症なんかじゃない!心身ともに健康でバイタリティが無ければ、ウィーン国立(宮廷)歌劇場の指揮者をしながら、あれほどの大曲を作曲できるわけがない」と書いてありました。マーラーの楽譜を通してその人物像に肉薄できる人ほど、そういう人物像を持っているというのは面白いと思う。

 ちょっと意外だったのは、西村・吉松両氏とも、モーツァルトをあまり評価していない。それどころか、この程度の曲を書ける作曲家は、同時代には何人も居た。という手厳しい評価になっています。

 じゃあ、二人がともに評価する作曲家は?
 それはラヴェル。その圧倒的な才能と作曲技術に、嫉妬のあまり嫌いになってしまうほど完璧なのだそう。

 お二人に共通するのは、芸術性のみを追求する作曲活動はあり得ないし、金儲けのみの作曲とも距離を置く。作曲の極意は『持てる才能のすべてを動員し、全身全霊を傾けて最も儲からない音楽を作る』ことだそうです。

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風来坊

その原典に当たってませんからまずは読むべきなのでしょうけれども…。
ハイドンやベートーベンといった同時代の大音楽家・大作曲家たちがその比類なき天才ぶりを賞賛し、後世の多くの大作曲家たちからも高い尊敬を集めています。これだけで十分。訳の分からない雑魚がなにを言うか、というところです。
とくに、吉松氏は佐村河内を高く評価している。そんな感性の人にとやかく言われるモーツァルトがまったく気の毒です。
by 風来坊 (2014-02-04 18:23) 

風来坊

先日私がコメントさせてもらった後に出てきた話ですが、「聴覚障害の作曲家 別人が作曲…佐村河内守が代表作の交響曲などを別の作曲家に作ってもらっていたことを5日未明弁護士を通じて発表」とニュースで伝えていました。もともと怪しさ充満していて、ほんとのクラシック愛好家たちはまったく無視してきました。そんな中でも支持してきた人たちは、このゴースト作曲家を天才というのでしょうか。吉松氏はどうするのか、見守りたいです。
by 風来坊 (2014-02-05 08:32) 

ヒロノミンV

>風来坊さん
 モーツァルトについて酷評しているのはどちらかというと西村氏の方なんですけどね(汗)

 佐村河内氏について吉松さんがどのように評価していたのかは知らないのですが、吉松さんのブログが更新されていますね。直接コメントも書き込めるようですよ。
 ちなみに私は吉松氏の楽曲が好きで、交響曲は全曲CDを所有して愛聴しております。そんな私の感性であまりブログなんぞは書かない方がいいのかも知れませんが・・・
by ヒロノミンV (2014-02-05 19:38) 

風来坊

どうもすみません。
吉松隆氏のブログは私もすでに見てましたが、あれはやはりなんだか及び腰になっていませんか。日の目を見ない作曲家の力作を少しでも多くの人の耳に届くようにと推薦したようなことを言ってますが、苦しい言い訳。かなり前(有名になる前)のブログにはレコード会社からの接触をにおわせる記事もあったかと思いますが、本当に純粋に作品を評価したのでしょうかと思います。そして今後はあの桐朋非常勤講師を取り立てていくのかと思います。
私もすこし勉強のため耳に入れますが、吉松氏も西村氏の作品も私にはぜんぜん全然駄目です。なお、あの大河ドラマの超低視聴率の原因のひとつは吉松作品にもあるかと思っています。酷かった。
とにかく、モーツァルトは人類がある限り聴かれるでしょうが、この方々は…。
by 風来坊 (2014-02-05 21:52) 

風来坊

〉そんな私の感性であまりブログなんぞは書かない方がいいのかも知れませんが・・・ それはまったくありません。書き続けてください。共感することは多いです。パリ管倉敷公演は間違いなく超名演でした。日本ツアーの中でもいちばんでした。あそこの記事を拝見するたびに思い出しで目がウルウルします。倉敷公演を記録する貴重な記事であり、名文です!
by 風来坊 (2014-02-05 23:20) 

ヒロノミンV

>風来坊さん
 吉松氏の話題はもうやめましょう。私個人としては評価している作曲家、風来坊さんは全く評価しない。それ以上、それ以下の事実はないと思いますので。
 ブログについて共感して下さっているということで、感謝します。こういう思いを共有できるというのもブログを書く大きな醍醐味だと感じています。
 一方で、この(自称)作曲家さんの一件で、私がよく拝見していた方のブログが荒らされています。その方は音楽に対する愛情・情熱が記事の行間から伝わってくるような記事を書かれる方で、読み手として幸せをおすそ分けして貰う感じがして毎日読んでいました。彼もこの騒動の被害者であり、精神的ショックはいかばかりであろうか・・・と思うのですが、その傷に塩を塗るような輩が、このネット上にはたくさんいるのです。
 自分自身も思い込みの強い記事を書くこともありますし、同じCDでも日によって180度感想が違うような脆弱な感性しか(自分でも呆れるときが多々あります)持っていないのに、このようなブログを書き続けていいものか・・・
 すぐには止めることはありませんが、ちょっとよく考えようと思います。
by ヒロノミンV (2014-02-06 22:38) 

風来坊

偽作曲家ゴースト作曲家事件について、大野和士さんが話されましたね(ヤフーニュース江川紹子記事)。まったく共感しました。まさに大野さんが言われるとおりだなと思います。
ゴースト作曲家氏が告白しなかったらと思うと恐ろしい。また、大野さんの発言で“流れ”は少しでも正常化に修正されると思います。説得力がありますし、〈大野和士〉ですから。
今FMで池辺さんの特集を今してますが、じつに面白い。
by 風来坊 (2014-02-10 19:58) 

ヒロノミンV

>風来坊さん
 う~ん・・・、大野さんの仰ることはもっともな事ですよ。
 大野氏の指摘の通り、まがい物を商業主義で塗り固めて、専門家のお墨付き。18万枚の売り上げに全国ツアーはどこも満員。そんな安直な方法では、確かにクラシックは滅びます。
 しかし、CDを買いコンサートに足を運んだ人は、心の奥底には善良な欲求があったんじゃないでしょうか。
 例えば、僕はワインには詳しくないですが、いきなり本物のワインを見分けろって言われたって見分けられませんよ。でも、ワイン通の人は親切ですよ。僕が騙されて高いだけで全然旨くないワインをつかまされても、バカにしたりしませんから。(若干ウザイ薀蓄も交えながら)懇切丁寧に教えてくれますよ。
 僕は自分の周りにクラシックに興味を持つ人が居たら、そういう風に接したいと思っていますし、佐村河内(実は新垣氏)の曲がいいと思っている人が居たら、その人の感性を否定する様な考えは持ちたくありません。

 だいたい、一市民として善良に生きていくために、クラシック音楽が分かる分からない、なんていうのは全くどうでもいい能力なんですから。

 大阪でこういうイベントがあるのをご存知ですか?
http://www.osaka-phil.com/oc2013/
 この「大阪クラシック」、僕の大好きなイベントですが、イザイの無伴奏とか、ヒンデミットのソナタとか、藤倉大でも細川俊夫でも、会場はどのイベントも大阪市民で超満員です。古典とか現代音楽とか関係ないんですよね。プロの生演奏に皆、圧倒されるんです。こういうイベントがもっと増えてほしいなと思います。

by ヒロノミンV (2014-02-10 21:20) 

風来坊

ながながとお付合い下さり申し訳ございません。
大野さんは専門家や詳しい人たちに向けられた言葉だと思います。
わたしもクラシックをあまり聴かない人で感動した人に、無情なことはけっして申しません。言ってはならないと考えます。でも、そのままにしておくのではなく、「でもね、こういうのもありますよ」と紹介することはたいへん重要なことだと思います。
いきなりマーラー交響曲第3番を聴いてもらうようなことは難しいかもしれませんが、良い演奏ならばかならずなにかを感じてもらえると思います。(じつはわが父で実験し“効果”を得ました)
チラチラウェブを歩いていると、いろいろ論客たちが決闘しているようですが、これもしばらくすれば収束するでしょう。でも、また同じことが起きないように、審美眼などを研澄ませていかなくてはならないのだと思います。
なお、貴ブログコメントに書き残しておりますとおり、この一件の発覚前に、この作品じたいの芸術性にわたしは強い疑問は持っていました。敗走軍を追討するようで嫌なとこはありますが、どうかよろしくご理解のうえお許しください。
by 風来坊 (2014-02-10 23:14) 

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