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岡山県が2年連続転入超過 [岡山]

 日経新聞、1月29日の記事から。

岡山県が2年連続転入超過 12年の人口移動報告 

 総務省が28日発表した2012年の住民基本台帳人口移動報告によると、中国5県では岡山が2年連続の転入超過となった。転出超過となった他の4県はいずれも超過幅が拡大した。47都道府県では11都府県が転入超過だった。

 岡山は転入者が前年比0.6%増の3万173人、転出者が1.3%増の2万9769人で404人の転入超過となった。超過幅は前年の605人から縮小した。転入者の移動前住所地をみると、最も多いのが広島の5106人で、大阪、兵庫、東京と続いた。東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)からは計387人だった。

 岡山経済研究所の大崎泰正常務理事は「震災以降、岡山の地震の少なさや温暖な気候などによる安心・安全のイメージが定着しつつある。今後は受け皿になる雇用の増加や防災への備えが必要だ」と分析する。

 他の4県のうち転出超過数が最も多かったのは山口の3635人。広島は2786人、鳥取1453人、島根1199人だった。

 市町村別にみると、岡山市が1655人の転入超過となり、全国で14番目に多かった。一方、転出超過では呉市が全国で12番目に多い1041人、下関市が17番目の924人、鳥取市が19番目の862人だった。

 

 このデータだけを見て判断することはできないのですが、震災や原発事故後の放射能汚染からの避難先として、岡山への転入の流れは、静かなトレンドとして定着している感じがします。
 同じ西日本で、都市の発信力という点では岡山よりは上の広島が転出超過が続いているのに対し、岡山はまだ転入のトレンドが続いているようです。
 自分の周りにも3月に埼玉県から引っ越しされる方がおり、一時的なものではなくて、本格的に移住をして来られる方の数は、震災のあった一昨年やよりも増えている実感さえあります。
 

 確かに岡山県南部は地震が少ないです。震度4クラスの地震でさえ、10年に一度あるかないかというところです。自分自身の記憶を辿っても、震度4以上の地震は、2000年の鳥取県西部地震以来、覚えがありません。

 しかし、 決して自然災害が少ない訳ではありません。

 まず、洪水です。これは10年間に2~3度、かなり危ない水準までいっています。岡山は池田藩の農地開墾政策で、干拓地が多いことは知られていることですが、1000年ほど遡ると市街地の大部分が海の底や干潟でした。その様子は地名にも残っていて、今ではかなり内陸の印象のある津島や伊島、吉備津なども海のそばだったことが読み取れます。
 あるいは旭川の土手道から市街地へ向かう道は、どの道もかなりの下り坂です。つまり、干拓地に限らず市街地も海抜が低く、地盤も緩いということになろうかと思います。

 次に火災。
http://www.japan-now.com/article/236759905.html
 上のデータは2011年のデータですが、岡山県は常にワースト10に入るほど、火災件数が多い。特徴としては自然発火による山火事が多いこと。冬から春先にかけて、常に乾燥注意報が出されます。岡山の県南部、特に児島半島のあたりでは、例年、山火事に対する厳重な警戒態勢が取られます。「晴れの国岡山」がこの季節は仇となっている感じです。

 そして最も怖いのが・・・・『安全神話』の上に胡坐をかいていること。岡山の人々は、そもそも自然災害に対する備えや意識といったものが非常に希薄です。 
 例えば2011年の9月に、和歌山県などで甚大な被害をもたらした台風12号。岡山も河川の氾濫による浸水被害が出ましたが。被害は限定的でした。このとき笹ケ瀬川流域の21万人に対し、避難勧告が出されましたが、実際に避難したのは数百人にとどまった・・・。
 あるいは、僕が阪神大震災の経験から「非常持出袋や食料・水を常備している」と言うと、「へぇ~、凄いね」と、まるで他人事のような反応が返ってくることが多いです。この岡山の人々の災害に対する楽観的な意識のまま大災害に直面した場合・・・大パニックになる恐れもあります。

 そもそも地震についても岡山県内には県北を中心に活断層が多く見つかっており、県南にも未知の活断層が存在する可能性も否定できません。瀬戸内海を挟んだ四国には、国内最大の断層帯である「中央構造線」が横たわっており、そこにかかっているエネルギーなどを考えると、岡山が地質学・地震学的に安定しているとは、とても言い切れないという話も聞きます。
 また南海地震が引き起こす揺れや津波、地盤の緩い地区での液状化現象も懸念されています。 

 備えあれば憂いなし、少なくとも何かあった時には1週間ぐらいは自力で生きていけるだけの準備は必要でしょうね。


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コメント 4

木曽のあばら屋

こんにちは。
私が現在住んでいる香川県も、昨年は転入超過でした。
なんとなく嬉しいですね。
うどんが安くて美味しいからかな~?(←違う)。

確かに中央構造線は怖いです、四国に住んでると。
構造線に接するようにして伊方原子力発電所もありますし。
by 木曽のあばら屋 (2013-02-06 20:41) 

ヒロノミンV

>木曽のあばら屋さん
 実は、取引先のお知り合いで東京から倉敷に移住して来られた方がいらっしゃるのですが、現在、讃岐うどん「巡礼」がご趣味だそうです。うどんに惹かれて・・・というのは、あながち冗談にとどまらない魅力かも知れません。
 中央構造線は、高速道路などのインフラが集中していたり、いろいろ問題は多いですよね。岡山は地盤の弱さと海抜の低さが懸念されるところです。もちろん、何もなければいいんですけれど、「安全安全」と言われて浮かれてしまわないように、瀬戸内の人々も備えを怠らないようにしたいですねぇ。
by ヒロノミンV (2013-02-07 23:07) 

ゆう

こんにちは。東京から2013年の1月に岡山市に移住してきました。
芸術祭の会期中、直島にいったとき、讃岐うどん初めていただきました。美味しいですね!こしがすごくて驚きました。
by ゆう (2013-06-28 12:39) 

ヒロノミンV

>ゆうさん
 岡山に移住して来られたのですね。震災や放射性物質の被害は大変だったかと思いますが、この地でともに生きていきましょう!
 讃岐うどんは香川県に渡れば沢山お店があります。案内本も出ていますので、ぜひ「うどん巡礼」してみてください。
 岡山はもうすぐ桃の季節、直売所にいくと『キズ物』として流通には乗せられない「ハネ桃」が安価で売られています。
 海の幸は僕は「ガザミ(ワタリガニ)」がオススメです。豊漁になると一杯300円程度で売られています。ホロホロとしたクリーミーで甘い身が本当に美味しいですよ!
by ヒロノミンV (2013-06-28 18:24) 

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