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10月に読んだ本 [読書]

10月に読んだ本

http://booklog.jp/users/hironominv74/chart/2012/10/book

今月も6冊。面白い本が多かった。

中でも、ためになった1冊はこれ。

レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)

レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)

  • 作者: 中野 剛志
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/03/08
  • メディア: 新書


『レジームチェンジ ~恐慌を突破する逆転の発想~』 中野剛志 著 NHK出版新書

 「失業による生活破壊・自立心・自尊心の破壊」により、「将来性の損失・技術力の低下」が起き、国民の間に鬱積した不満により、「排外主義の台頭により周辺諸国との関係が緊迫化」する・・・、そして社会的バッシングや極端な政治選択により、国家体制の不安定化を招く・・・デフレの恐ろしさが良く解りました。
 普段から疑問に思っていたこと、それは小泉内閣の改革で一番犠牲を強いられる層の人たちが、なぜあれほど熱狂的に支持したのか?あるいは、また橋下徹らの、徹底したコストカッターによって、一番被害を受けそうな層の人達が彼を支持するのか?ということにも、一定の解答も得られた本。
 橋本内閣以来の規制緩和・公共投資削減というデフレレジーム(デフレを重症化させる政策体系)から、一気に舵を切り直し、インフレレジームへの転換を図る、というのが著者の主張。 

 インフレレジームとは、徹底的なケインズ主義、ニューディールだという。穴を掘って埋めるだけでもいい、というのがケインジアンの思想だが、それは極端だとしても、例えば老朽化する社会インフラの補修などだけでも数十兆円規模の公共事業が生まれ、それによって雇用と国民経済を支えるというものだ。現在の政策基調になっている、規制緩和・経済自由化・緊縮財政・地方分権、を全部否定してしまう。
 なるほど、中野氏がTPPに猛反対なのも頷ける。こうしたケインジアン的(田中角栄的?)財政は、TPPを推進する規制緩和・グローバル経済推進派たちが、亡国の財政として強烈にバッシングをしてきたのだから。

 僕自身、なかなかこのインフレーレジームへのチェンジには、ついていけない部分もあるのも事実だが、いわゆるデフレレジームは若年層の雇用を破壊し、中間層を破壊し、ひいては国民経済を破壊してきた。一考する価値があるのではないだろうか?


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コメント 4

としゆき

「天地明察」も読まれたんですね。
映画も観ましたが、よかったですよ。宮崎あおいさん、「篤姫」イメージもあって、和服が似合います。
by としゆき (2012-11-03 08:46) 

daland

大変ご無沙汰しております。
ブログ移転されたのですね。

とっても落ち着いたデザインのブログです。
さすがにヒロノミンVさんです。
センス抜群です。
by daland (2012-11-03 18:17) 

ヒロノミンV

>としゆきさん
 そうそう、天地明察も読んだんですが、なかなか映画までは見に行けないで居ます。
 主人公の渋川春海自身の謙虚で才能あるものや先人の行政を敬う爽やかな性格もさることながら、周囲を固める保科正之らの偉人も生き生きと描かれていて魅力的な小説でした。
by ヒロノミンV (2012-11-04 00:21) 

ヒロノミンV

>dalandさん
 コメントありがとうございます。御無沙汰しています。
 ブログは気分を買えるために、ドメインを改めまして更新を続けています。今後はあまり気張らずにやって行きたいと思っていますので、引き続きよろしく願いします!
by ヒロノミンV (2012-11-04 00:23) 

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