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中国とどう付き合っていくか [読書]

 昨年の東日本大震災以来、原発事故にはじまる公害問題とエネルギー問題、経済問題、少子高齢化、外交・国防問題と、これまで曖昧にされてきた、あるいは先送りにされてきた問題がいっせいに噴出している様相です。
 これは戦後70年、いや明治以来140年の問題の総決算を迫られているのでしょう。よく昔の政治家は良かった、昔の国民は良かったというような言説を聞きますが、本当に昔の人々が立派であれば、今日のエネルギー問題や外交問題の原因は、既に取り除かれているべきで、幻想の類に過ぎないのかもしれません。

 最近では韓国や中国との領土問題に端を発する事態が深刻化しておりますが、まず韓国との間では恐らく落ち着くところに落ち着くでしょう。
 しかし中国はどうでしょうね。有史以来、東アジアの歴史を振り返ってみると、中国の国力の趨勢が、国内の政治経済に多大な影響を及ぼしてきました。恐らく今後、何十年後には中国の国力の波に飲み込まれてしまう恐れは充分に考えられます。

 学生時代に中国史に触れた者としての率直な雑感ですが、事の善し悪しとは別次元で、中国は『国際法』がどうこうとかは関係ないところに自分の置いている、まさに『中華思想』の国。ホンネは「国際法秩序なんて、たかだか200年ほど前に、白人国家が勝手に考えた事じゃないか」ということだと思います(ちょっと乱暴ですか?・・・)、力の強い国が拡張し、力の弱い国は強い国に朝貢して辺境の一翼を担うが良い、最近の中国の動きには、そんな中華思想の復活が感じられます。

 一方、内田樹さんの「日本辺境論」ではありませんが、日本は歴史上、大国の世界秩序の中で辺境の一翼を担うことによって、安定した社会を築いてきた。天皇制も国内を安定した秩序で統治する一つの方法だったのだと思います。だって、平清盛を見ていてずっと思っている事なんですが、これが中国や朝鮮半島だったら。、あれだけの軍事力と財力を持ってすれば、王朝の交替を企むのではないか?でも、それを絶対にしないわけです。
 日本列島という、東アジアから見るとどん詰まりの辺境の地で、中華中原の烈風から国土を守り、過去からの社会資本や文化資本の蓄積を守るために、王朝の交替という血みどろの革命を欲しなかった。
 万世一系という血統の正当性を持つ天皇家を頂きに置き、権力争いをその下のコップの中の嵐に過ぎないというポジションに置いた。日本人は皮膚感覚で統治の安定を選択してきたのだと思います。

 で、あれば中国とサシで対等にドンパチやるのは、日本人の毛並みに合わない。日本人らしいソリューションは、①アメリカとの連衡を維持し、中国の国力の伸長を先延ばしにする、②韓国・台湾・ASEAN諸国と合従の道を模索する、③中国へ恭順し朝貢国となる代わりに、国土を安堵してもらう

 以上の3つしか道はありません。①はアメリカさんの思惑もあり、おそらく今までのようには行かないでしょう。③を取れば沖縄も含めた東シナ海から日本は追い出されることになるでしょう。まだまだ日本の国力は高く、今の段階では考慮したくはありませんね。
 今、一番可能性を模索したいのは②でしょう。で、あれば韓国とケンカしている場合ではなく、台湾には破格の待遇(漁業権の付与、尖閣周辺の共同開発)でもって、中国と分断する必要がある。
 いずれにせよ、今の状態では八方ふさがり、強力で安定した政権の登場を願うばかりです。

 余談ですが、安倍さんは大丈夫なんでしょうか?私が世話になった上司と同じご病気で、確かに新しい薬は、症状を改善させるらしいのですが、とても完治させるというわけではなく。強いストレス下や生活習慣の乱れで、悪化する事もあるのだそうです。自民党が政権に復帰した場合、首相という強烈なストレス下にさらされて、持病を抱えながら、健全な精神が保てるんでしょうか。僕は懐疑的です。彼が前回退陣する時の、ポキッと心が折れたような感じが、未だに脳裏に焼き付いているので・・・


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